今日は書籍のご紹介です。

「時」に生きるイタリア・デザイン
佐藤 和子 三田出版会
1995年の出版で中古でしか手に入らないと思いますが、
イタリアのデザイン史として一級の資料となる一冊です。
著者は、ミラノでインダストリアルデザイナーや
デザインジャーナリストとして活動されました。
序文では
「人生の楽しさを創造すること、それがイタリアのデザインだ。」
「イタリアのインダストリアル・デザインは、常に工業と職人工芸が共存して発展してきた。」
と述べています。
本文を読み進めるとイタリアのデザインのルーツ、
イタリア人のデザインへの考え方などがわかります。
例えば以下のことが詳細に記されています。
・建築とインテリアを一体としてデザインしてきた
・1930年代から1990年代のイタリアのデザインの歴史と変遷
・ミラノ・トリエンナーレの始まり
・ミラノ・トリエンナーレの中断
・1961年のイタリア家具サロン(ミラノサローネ)の始まり
・建築・デザイン誌ドムス(DOMUS)について
・優れたデザインを表彰する「コンパッソ・ドーロ賞」が
百貨店リナシェンテを中心に作られたことなど
366ページもあり、他にも多くのことが書かれています。
デザインへの哲学、デザインのコンセプトを
大切にする方は、読んでみてはいかがでしょうか。
発見があると思います。
エットレ・ソットサスへのインタビューもあります。
かなり読み応えのある書籍です。
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