国際デザイン&広告賞「D&AD賞」のセミナーに行きました。

セミナーは、GOOD DESIGN EXHIBITION 2018の中で
国際デザイン&広告賞「D&AD賞」特別レクチャー
として開催されました。
第1部は「Creativity for Excellence - 卓越した創造力」
として、D&AD 最高執行責任者のDara Lynch氏の講演でした。
D&ADの紹介やデザイン、広告のトレンドの話がありました。
D&AD(Design & Art Direction)は、1962年にイギリスの
非営利団体として創立されました。
デザインと広告の発展、支援を目的に
創設されたD&AD賞は審査も厳しいです。
約80か国から約20,000作品の応募があり、
受賞は700作品程度です。
国別では日本は米国や英国に次いで3番目に多い受賞数のようです。
webサイトでは48の受賞がありました。
ちなみに今年の日本の受賞作品を例示として、リンクを貼ります。
ご参考まで。
https://www.dandad.org/awards/professional/2018/graphic-design/26936/laforet-grand-bazar-2017-summer/
https://www.dandad.org/awards/professional/2018/product-design/27139/cogy-wheelchair/
広告は、時代を切り取って映し出すところもあります。
今はグローバル化、難民・移民の受け入れ、
人間や文化の多様性、自国第一主義、
といったものを意識した広告やデザインが
現在のトレンドになっているようです。
第2部は「Creative Directors In Conversation-審査会から見た世界のデザイン」
として、中村至男氏(D&AD賞 グラフィックデザイン部門審査員)、
堀宏行氏(D&AD賞 デジタルデザイン部門審査員)、
Tommy Li氏(2016年D&AD賞グラフィックデザイン部門審査員/AGI中国代表)、
菅付雅信氏(モデレーター)のパネルディスカッションでした。
審査の特徴について話してくれました。
審査員も50か国から250名、男女もおよそ半々で多面的な評価をしています。
D&AD賞の審査の特徴として、審査員による議論が多いと話していました。
まるまる3日間ディスカッションするらしいです。
審査基準は次の3つですが、
An original and inspiring idea.
Exceptionally well executed.
Relevant to its context.
おおざっぱに解釈すると、
独創的であること、
丁寧に作られていること、
時代や社会・文化の流れを意識したものであること、
という感じです。
コンテクスト評価の難しさが語られていました。
その土地由来なものが外国では新鮮に映ります。
例えば、日本では魚拓になじみがあるが、
外国の審査員には刺激的に見えるようです。
世界中から審査員を集めて、
ディスカッションすることで
その地域の文化も理解しながら
審査するよう努めています。
私は最近、消費において、
文化の香りを与えることの魅力を感じます。
広告で楽しく美しい生活の提案ができるとよいですね。
11月から来年のD&AD賞のエントリーが始まっていました。
https://www.dandad.org/en/d-ad-awards/

審査料は応募する部門によって異なり、
数万円から10万円を超える部門もあります。
これからも日本のクリエイティブが
世界に積極的に発信されることを期待したいです。
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