デザインにぴんとこないビジネスパーソンのための“デザイン経営”ハンドブック

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週は熱海銀座商店街の話題でしたが、
その後、熱海では大きな土砂災害がありました。お見舞い申し上げます。

今日は特許庁が作成した
デザインにぴんとこないビジネスパーソンのための“デザイン経営”ハンドブック」をご紹介します。

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デザイン思考(デザインシンキング)の実践者が
エッセンスを語っています。

デザインコンサルティングファームのIDEOの
トム・ケリーさんは
1章で「共感・実験・ストーリーテリング」で次のように述べています。

デザインシンキングにおいて大事なのは、解決すべき課題をいかに探すか、にあります。

相手の立場に寄り添い、相手がそうしているように世界を見つめ、相手が思考するように思考することが大切です。

共感をもって人や社会を丁寧に観察することで、自分たちの予想を裏切るような「課題」が見いだされたときにこそ、優れたプロジェクトは生まれます。


デンマーク・デザイン・センターCEOの
クリスチャン・ベイソンさんは
6章「KPIを立てていけない」で次のように述べています。

デザインシンキングの導入においては「解」がないという前提を受け入れることがとても重要です。
予想外の発見に驚かされることを楽しむようなマインドセットが必要なのです。

ちなみにKPIは「Key Performance Indicators」のことで、
目標達成のための管理指標を表します。

16ページの冊子ですが内容は高尚です。
言葉に重みがあります。

デザイン思考やデザイン経営の入門者にはやや難しく、
知識をある程度お持ちの方がぴんと来るハンドブックです。

KPIを設けないこと、失敗を恐れないことは、
新しい挑戦において有効で私は賛成です。
このハンドブックはよい指針を示していると思います。

しかし、このハンドブックを免罪符にして、
デザインにコスト感覚がなくなったり、
デザイナーが失敗続きでも仕方ないと考えたりしてほしくはないです。

そんなに余裕のある中小企業は多くないのが現実です。

従業員や債権者、株主の全員から
デザイン経営の理解を得ることは簡単ではありませんから、
中小企業のデザイン経営の導入では小さく始めて、
成果も出すことが重要です。

このあたりのノウハウは、
ハンドブックのご紹介から離れますので、
また別の機会に話したいと思います。

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