前回に続いて、2022年版中小企業白書にある
中小企業のデザイン経営に関する記載の紹介です。
中小企業がデザイン経営に取り組んでいるかの調査結果です。
すでに取り組み、定着している 5.8%
すでに取り組み始めているが、定着していない 6.4%
今後取り組むことを検討している 15.7%
現状取り組む予定はない 37.5%
分からない 34.6%
中小企業白書p.Ⅱ-86に掲載されたデータをもとに私が作成しています。
デザイン経営に取り組んでいる中小企業は12.2%です。
アンケートに回答していない企業は
取り組んでいない企業が多いように思われるので、
実際はもっと少ないと思われます。
「すでに取り組み、定着している」と回答した企業は、
ブランドの取引価格への寄与について、
「大いに寄与している」27.7%、「ある程度寄与している」47.0%と、
74.7%の企業で売価にプラスの寄与をしていることがわかります。
データ掲載はp.Ⅱ-90です。
デザイン経営による効果を尋ねたところ下の結果になりました。

2022年版中小企業白書p.Ⅱ-89
企業のブランド構築やブランド力向上 69.0%
魅力ある商品・サービス・事業の創出 53.1%
従業員の意欲や自社への愛着心の向上 51.8%
従業員の顧客志向の向上 45.2%
企業の理念・ビジョンの明確化や再構築 44.2%
収益性の向上 34.0%
新市場・販路の開拓 36.0%
社内コミュニケーションの活性化 29.7%
技術・素材の用途開発や知的資産の活用 27.7%
特に効果を感じない 0.7%
その他 0.3%
この結果から中小企業白書は次のように述べています。
デザイン経営に取り組むことにより、
ブランド力の向上が図られるだけでなく、
新たな商品などの創出によるイノベーションや
従業員の意欲向上といった
インターナル・ブランディングにも
つながっている様子がうかがえる。
企業やブランドの思いをデザインで表現したり、
商品・サービスにデザイン重視する取り組みを行いたいです。
調査は、株式会社東京商工リサーチが2021年11~12月に、
中小企業・小規模事業者20,000社を対象に
アンケート調査を実施(回収5,318社、回収率26.6%)した
「中小企業の経営理念・経営戦略に関するアンケート」です。
取り上げた2022年版中小企業白書は下のリンクからご覧になれます。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_1.html
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