おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は辛口な記事です。
私は企業経営においてデザインの重要性を訴えてきました。
特に中小企業経営では
デザインを軸に競争優位を築くことができると思っています。
ただ、気になるのが、主にデザイン業界側から提示される
「デザインに力を入れれば経営が良くなる」
「経営者がデザインを理解すれば業績は伸びる」
といったニュアンスの主張です。
私は、デザインを強く意識してデザインに注力しても、
デザインだけで経営がうまくいくわけではないと考えています。
ニッチ分野、小さな市場を狙うにはよいのですが、
大きな市場、売上を狙う場合は
デザイン以外の要素の重要性も大きいと思っています。
「デザイン」をどうとらえるか、
デザインの定義の問題もありますが、
ボリュームゾーンの顧客が求める以上のデザイン性は、
価格が高くなるだけであまり売れない、という感じです。
技術や組織、経営資源の配分などの経営戦略
といった要素も大きいです。
デザインにかなり注力して
大きくなった(成功した)上場企業でさえ、
アマナ、Francfranc(旧バルス)、バルミューダを見ると、
安定した業績を残すことは難しいです。
これらの会社のデザインは好意的に評価されることが多いように感じます。
BRUNO(旧イデアインターナショナル)も
RIZAPグループの子会社なってから業績が
回復した印象があります。
グッドパッチにも注目していますが、
やや伸び悩んでいる感じがします。
カッシーナ・イクスシーは直近まで
比較的安定した業績を残せていたと思います。
(昨年に上場廃止したので、昨年以降の業績はわかりません。
今は円安が業績を直撃しているかもしれません)
名前を挙げた企業には申し訳なかったですが、
私はこれらの企業は好きですし、これからも期待しています。
ただ、経営者がデザインに造詣が深くて、
デザインに注力している企業だから好業績になる、
と考えるのは単純すぎると思います。
経営はそんなに単純ではありません。
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