小林製薬の分かりやすく、憶えやすいネーミング

小林製薬のマーケティング戦略について、前回の続きです。

前回の繰り返しになりますが、小林製薬のマーケティングでは
次の流れを狙っているようです。

1.「あったらいいな」というニーズに応える商品を開発します。
2.CMで「こんな商品あったらどうですか?」と投げかけます。
3.そして店頭で手に取ってもらい、買ってもらいます。


2のCMでの投げかけの時にポイントとなっている
ネーミングについてご紹介します。


小林製薬では、名前を見て、すぐにどんな商品かイメージ
できるようネーミングにもかなり力を入れていました。

前回、アイデアもたくさん出すことを紹介しましたが、
ネーミングも候補をたくさん出します。
本当に多く出していました。

そして候補の中から最後は社長が決断するそうです。


例として「ブルーレットおくだけ」が取り上げれていました。

もともとは「ブルーレットポン」という案だったそうです。

「ポン」でも、ワンタッチで済みそうなイメージが持てますが、
置くだけで、トイレ掃除が楽になり、イヤな臭いもなくなる
という製品特性に社長が着目し、
「ブルーレットおくだけ」と決定したそうです。

確かに「おくだけ」というのは、分かりやすいし、
イメージできるので買いたくなりますよね。


そして、ネーミングでは憶えやすいことも重視していました。

なぜかというと、商品は消費者へ
短い15秒のテレビCMで訴求し、知ってもらいます。

短いCMであっても、消費者が店頭に行ったときに
「そうそう、これテレビで見たやつだわ」
と思い出してもらえるよう、
分かりやすさ、憶えやすさを大切にしているのです。


サワデーは「さわやかサワデー」として憶えていますし、
「アンメルツヨコヨコ」も肩などへの塗りやすさが、
訴求できるネーミングです。

「熱さまシート」も店頭で皆さんCMを
思い出したのではないでしょうか。


前回と今回をまとめると、

商品コンセプトを絞り込んで、明確にしたうえで、
短いテレビCMで分かりやすく訴求します。

ネーミングは憶えやすい、感覚的に理解しやすいものを選び、
店頭で思い出してもらうのです。


それを行うため、アイデアはたくさん出したほうが良い、
分かりやすい、憶えやすいネーミングが良い、

なんて書くと、それは当たり前だと言われるかもしれません。

しかし、それに徹しているのは、素晴らしいことです。
アイデアを全社員の力を使って徹底的に集めます。
この徹底力がすごいのです。
まさに「言うは易し、行うは難し」です。


当たり前のことを行える企業づくり、仕組みづくりは、
とても難しいことだと、中小企業診断士として痛感します。


次回は小林製薬の店頭で手にとってもらえる
デザイン戦略についてです。

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