おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は本の紹介です。
「政党が操る選挙報道」集英社新書
著者は鈴木哲夫さんです。
この本では、政党が取り組む
コミュニケーション戦略(コミ戦)について
取材・検証しています。
2005年の総選挙(小泉首相による郵政解散選挙)
での世耕弘成参議院議員のコミ戦チームの活動や、
それをテレビがどのように取り上げ、
放送したかが書かれています。
世耕さんの広報PRの取り組みや考え方は、
世耕さんの著書「プロフェッショナル広報戦略」にも
詳しく書いてあり、先日ご紹介しました。
(参考)1月27日の記事
http://brand-design.seesaa.net/article/80969301.html
「政党が操る選挙報道」で、私がご紹介したいのは、
マスコミ(特にテレビ)をコントロールしようとする政党と、
テレビでの印象の良さによって支持率が
変わってしまう怖さです。
政治的な問題点は、同書の指摘通りだと思います。
私が伝えたいのは、マスコミをコントロールできるのは
政党だけではないということです。企業もできるのです。
情報の発信者が発信内容を整理し、注意を払うことで、
外部に伝えたいことが、
マスコミを通じて受け手にうまく伝わるのです。
政治的な論点や政策について、詳細に伝えなくても、
支持率が上下することが本書には記述されています。
そして支持率の上下は、テレビの放送時間や
画面から判断される好感度に左右される
ことが、同書では鋭く指摘されています。
もちろん選挙の投票行動にも影響を与えています。
このことがもたらす政治的な問題点は別にして、
このような現象が起こっていることを私たちは認識し、
企業経営にも活かした方がよいでしょう。
商品や技術の良し悪しではなく、情報発信の仕方で、
より多くの消費者に受け入れられる可能性があるのです。
商品や技術などは大切にせず、情報操作だけを行うのでは、
詐欺まがいですが、
情報発信の仕方、マスコミへの露出の仕方は
商品・技術と同等によく考えて行うべきです。
このブログの読者なら、すでにお気づきだと思いますが、
Web、グラフィックなどのコミュニケーションデザインや、
ブランドも、露出機会の増加や好感度に大きく影響し、
企業・商品の「支持率」を変えるのです。
同書を、国民全体を対象とした壮大な実験結果と考えて読むと、
読後には、ブランド・デザインへの投資の必要性が
感じられるはずです。
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