おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日はNTTドコモのコーポレートブランド戦略です。
前回の続きです。
ドコモには、前回お話した通り、
社内に危機感があったようです。
昨年8月にコーポレートブランディング本部を設置し、
議論をする中で、社長からのトップダウンだけでなく、
社員の考えもまとめたボトムアップも取り入れて、
今回のブランド一新となったようです。
私が今日お伝えしたいのは、
ブランドリニューアルのベースに、
マーケティング戦略の転換があることです。
ドコモのマーケティング戦略は、
新規顧客獲得から既存顧客のロイヤリティ重視
技術や電話機機能主導から、サービス主導
へと転換します。
今後の成長戦略としては、新規顧客獲得より、
定額制データ通信の契約拡大、周辺産業との連携、
海外への展開を挙げています。
国内の携帯電話契約が1億を突破し、
成熟産業になりつつある中、この判断は正しいと思います。
ロゴも、これまでの質実剛健のような堅いイメージから
やわらかいものへと変わるのは、そのためでしょう。
このようにブランド、経営戦略、ロゴデザインは
一体であることが重要なのです。
またブランド一新にともない、1年間続いた
「DoCoMo2.0」のキャンペーンは終わるようです。
「そろそろ反撃してもいいですか?」
という刺激的なキャッチコピーと、
大掛かりなCFキャンペーンで、話題になりました。
Web2.0のように、技術革新を伴ったまったく
新しい携帯電話のイメージをアピールしたものの、
結果として、消費者にはその新しさが
それほど受け入れられなかったのでしょう。
Web2.0が、技術革新でみんなでつくるWeb世界を
示したのに対して、
「DoCoMo2.0」は、他社に比べた技術・機能面のアピールを
ドコモが派手にキャンペーンしただけの「空回り」
という印象を私は持ちました。
一歩先を行く技術、企業を目指すのもよいことですが、
「DoCoMo」「DoCoMo2.0」から「docomo」への転換では、
対ライバル、技術主導から、顧客が求めるサービス提供に
着実に転換してほしいと思います。
新しい「docomo」ロゴや、新ブランドステートメント、
スローガン「手のひらに、明日をのせて。」は、
DoCoMo2.0の力強さの対極とも言えるほどの大転換です。
ただ「docomo」は、まだビジョン・理念だけです。
他社との差別化や、現場の対応など具体的なところは
まだ見えていないところがあります。
auやSoftbankとどう違う携帯電話会社になるか。
これから大きく変わる「docomo」に注目です。
PS.新ロゴ「docomo」を見ると、撤退した「vodafone」を
連想してしまうのは私だけでしょうか・・・。
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