おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は、特許庁が実施した平成18年度商標出願動向調査
「企業等のブランド戦略におけるCI等と商標出願の関連
についての動向調査」についてお話します。
この調査では、企業へのアンケートなどを通じて、
日本企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)活動
の実態、CI・CB(コーポレートブランド)における
商標出願・活用の戦略がわかります。
「CIとは?」という方は下記リンクをご覧ください。
2007年7月16日の記事「CI(コーポレート・アイデンティティ)」
http://brand-design.seesaa.net/article/48008631.html
報告書は、かなりボリュームがありますが、
ここでは、CI活動の目的と
CI活動を実施する背景について取り上げます。
CI活動の目的は?という質問に対し、
回答は多い順に以下のようになっています。
(複数回答可)
企業イメージの向上
社員の意識改革
企業認知度の向上
企業グループの求心力向上
顧客の評価向上
売上高の向上
また、CI実施の背景として、
企業イメージと時代背景のギャップ
国際化の進展
経営理念の変更
カンパニー制、分社化など企業形態の変更
企業体質の沈滞による社員のモチベーション低下
などの回答結果が挙げられています。
(こちらも複数回答可)
CIは、顧客、社員、グループ会社へ
経営理念、企業文化を浸透させるために行うのですが、
今回注目したいのは、
CI活動の目的の2番目に「社員の意識改革」があり、
CI実施の背景の5番目に「企業体質の沈滞による
社員のモチベーション低下」があることです。
企業文化、組織風土の改革、
社員の貢献意欲増大にCI活動が位置づけられています。
これらが目的として明示され、
CI実施の背景として認識されていたというのは、
経営改革の手法として、
かなりCIの考え方が浸透してきていると思いました。
また「企業体質の沈滞による社員のモチベーション低下」
という回答が近年増加している結果は、
時代を写しているように思います。
この調査は報告書(要約版)がwebサイトに掲載されています。
特許庁 意匠・商標出願動向調査報告のページ
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/isyou_syouhyou-houkoku.htm
アンケート回答企業は、大企業が多いようですが、
中小企業にも共通するところが多いと思われます。
上記のような課題や問題をもっていると感じる経営者の方は、
CI活動の実施を考えてみてはいかがでしょうか。
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