さようなら、神奈川県立近代美術館の鎌倉館

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
神奈川県立近代美術館の鎌倉館が閉館します。

神奈川県立近代美術館は、終戦から4年後に、
近代美術館を建てようという動きがあり、1951年に
日本で最初の公立近代美術館として開館しました。

関係者や県の文化への心意気を感じます。

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鶴岡八幡宮の敷地を借りて建てられました。

設計は、ル・コルビュジエに建築を学んだ
坂倉準三さんです。

日本のモダニズム建築の代表的な建築とされ、
docomomo(ドコモモ)の
日本の近代建築20選にもなっています。

モダニズム建築の正確な説明は
専門書をご覧いただきたいのですが、
私は大量生産のやりやすさを意識した、
合理主義な建築のイメージを持っています。

直線的な形に美を見出す建築が多いように思います。

素材はレンガや木から、
鉄骨、鉄筋コンクリートに変わっていくなかで
採用されるようになったのでしょう。

モダニズム建築は、モダンデザインと
時代背景が同じですので共通ところが多いです。

借地権が切れることもあり、
神奈川県は更地にして八幡宮に返す方針だったのですが、
建物の保存をもとめる声を受けて、
建物を残したまま土地を八幡宮に返すようです。

しかし、建物の耐震性に問題があり、
保存にも耐震工事は避けられないようです。

別棟と新館棟(写真右)は取り壊すようです。

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鎌倉館もモダニズム建築の特徴のひとつとされる
ピロティが印象的で、
平家池の上に立てられているようにも見えます。

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周りの環境との調和も評価されているようです。
ピロティからの眺めはこんな感じです。

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写真は昨年訪れたときのものです。
入口正面や展示室の入口です。

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中庭にはイサム・ノグチの作品などがあります。

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美術作品ももちろん良いのですが、
エレベーターもない年季の入った建物の
鉄骨、アルミ材、石や壁のボードを見ながら
当時の建築技術や設計を楽しむのはいかがでしょうか。

看板にも味わいがあります。
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美術作品は鎌倉館から、
鎌倉別館、葉山館に移されるようです。

今年3月に閉館すると聞いておりましたが、
展覧会の一般公開は1月31日までということで、
名残惜しい方が行けるよう、今日ご紹介しました。

京都国立博物館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
京都国立博物館が今日の話題です。

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明日から始まる、
琳派誕生400年記念の展覧会「琳派 京を彩る」を
楽しみにしている方もいらっしゃるかもしれません。

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私の訪問時には名品ギャラリーのみの展示でした。

平成知新館は、昨年秋に開館した新しい建物です。

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多くの博物館、美術館の設計を手がけた
谷口吉生さんの設計です。

気づけば当ブログでもいくつもご紹介しています。

MoMAレポート(1)
http://brand-design.seesaa.net/article/194816385.html
華と穏の表現技法事例(鈴木大拙館)
http://brand-design.seesaa.net/article/293335526.html
光と風と木々が芸術と響きあう清春芸術村(2)
http://brand-design.seesaa.net/article/407206515.html

ロビーは外の光を取り込み、開放感がありながら、
展示室や収蔵庫にある日本の重要な文化財をしっかりまもる、
文化財が主役で、建築は強く主張しすぎない
印象を持ちました。

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名品ギャラリーの企画展で多くの仏像や
仏教に関する経典や絵を見ました。

1階にあった大日如来坐像などを見ていると、
寺にある仏像と光の当たり方も違いますし、
迫力もより一層感じました。

また、見る私の意識も神仏を見るというより、
文化や美術的な観点で見ることもあって、
近くで体の肉付きをじっくり見るなど、
新たな魅力を感じました。

日本の思想を形にしたものをたくさん見られます。

京都国立博物館は以前、方広寺がありました。
方広寺の柱の跡の印もありました。

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明治古都館(本館)は、保存改修基本計画の検討と、
発掘調査を実施のため現在休館中です。

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手前の像はロダンの考える人です。

「No Museum, No Life?―これからの美術館事典」展

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は韓国のレポートをいったんお休みして、
東京国立近代美術館で開催中の
No Museum, No Life?―これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会をご紹介します。

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美術館のない人生なんて考えられない、
という強い題名が付けられています。

ほとんどの作品が撮影可の展覧会です。

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この展覧会の面白さを2点あげます。

ひとつめは、国立美術館5館(東京国立近代美術館、
京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、
国立新美術館)の合同展であり、
国立新美術館以外の4つの美術館の収蔵品から
選りすぐった作品を見られることです。

普段は京都にある、
マルセル・デュシャン「泉」(1964年シュヴァルツ版)
が東京で見られます。

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ロダン「考える人」、藤田嗣治「横たわる裸婦(夢)」、
他にもたくさんの作品がありました。

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ルノワールや梅原龍三郎の作品数も比較的多かったです。

2点目は美術館の運営の裏側も感じられる展示形式です。
美術や経営を考える構成が私には面白かったです。

日本の国立美術館5館と、ルーブル美術館と
ニューヨーク近代美術館の収入額を比べた展示もありました。

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日本は収入が少ないと、
主催者はひょっとしたら言いたかったのかもしれませんが、
私は美術館が自力で稼ぐ知恵や工夫において
彼らから学ぶべき点が多いと感じました。

なぜ美術館はやたらと寒いのか?
といった謎も解けます。

同時開催されている
「MOMAT コレクション 誰がためにたたかう?」も
とても素晴らしかったです。

戦後70年の今年、芸術を通して戦争を考えることができます。

古沢岩美「餓鬼」からは、鋭い批判精神を感じました。

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思い出したくもないような情景を、
さらに鋭く描き出すには強い気持ちがあったのでしょう。

他にも多くの素晴らしい作品があります。
こちらの展覧会だけでも十分見ごたえがあります。

展示会場の一角には、
展覧会とは別に重要文化財コーナーもあります。
今は原田直次郎「騎龍観音」などがあります。

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真夏日が続く東京で涼をもとめて美術鑑賞もよいでしょう。
9月13日まで。

シンプルなかたち展 美はどこからくるのか

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
森美術館の「シンプルなかたち展 美はどこからくるのか
のレポートです。

森美術館のリニューアルオープン記念の展覧会です。
ポンピドゥー・センター・メスとエルメス財団との共同企画です。

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写真の金のオブジェは
コンスタンティン・ブランクーシの「空間の鳥」という作品です。

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館内はほとんど撮影不可なので、
webサイトで雰囲気を感じ取ってください。
http://www.mori.art.museum/contents/simple_forms/index.html

以下は主催者の案内文です。
19世紀から20世紀にかけて、
ヨーロッパでは数学、機械工学、生物学、地質学や考古学の
探求の中で「シンプルなかたち」の美学が再認識され、
工業製品や建築のデザインなどに多大な影響を与えました。
(中略)

このような単純で美しい「シンプルなかたち」は、
自然の中や、世界各国のプリミティブアート、
民俗芸術、伝統文化の中にも、数多く見出すことができます。

日本においては、工芸品や茶道具、
仏像や禅画などに同様の美学が体現されています。

本展では、このような古今東西の「シンプルなかたち」
約130点を「形而上学的風景」「孤高の庵」「宇宙と月」
「力学的なかたち」「幾何学的なかたち」「自然のかたち」
「生成のかたち」「動物と人間」「かたちの謎」という
9つのセクションで構成しています。

古くは先史時代の石器から、
現代アーティストによるダイナミックで
先鋭的なインスタレーションまで、
地理的なひろがりと歴史的なつながりを示しながら展望し、
時空を越えた普遍的な美を描き出します。

「シンプルなかたち」が備える普遍的な美は、
私たちが生きる上で真の豊かさとは何かを問い直すことでしょう。

自然、幾何学的、動物的、素朴、装飾、力強さ、やわらかさ、
それぞれに美しさがあります。

それらを人がなぜ美しいと感じるか、
うまく言葉にできたら素晴らしいですね。

日本には「わびさび」も美しいものとして
受け入れられていますから、
世界人類に共通する普遍的な美意識と、
地域や風土、人によって受け止め方が変わる美意識が
あるのかもしれません。

プロペラの美に魅了されたマルセル・デュシャンの話など、
私はたくさん学び、感じることができました。

かなり面白かったです。
幅広い客層が喜ぶと思います。お薦めの展覧会です。
7月5日まで。

私も美を見出す感受性を磨いていきたいものです。

休館前のブリヂストン美術館「ベスト・オブ・ザ・ベスト」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
愛川欽也さんが亡くなったそうです。
明るく人情味があって好きでした。残念です。

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さて、ブリヂストン美術館が5月18日から休館します。
休館前に「ベスト・オブ・ザ・ベスト」が開催されています。

ブリヂストン美術館は、ブリヂストンの創業者である
石橋正二郎さんが1952年に
西洋美術を見られる美術館として創りました。

まだ国立西洋美術館もない時です。

都市の中心にあるニューヨーク近代美術館に
感銘を受けたそうです。

東京ステーションギャラリーや三菱一号館美術館など、
近ごろは東京駅近くにも美術館が増えましたが、
さきがけとなった美術館です。

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「ベスト・オブ・ザ・ベスト」ということで、
さまざまな分野の素晴らしい作品が少しずつ見られます。

印象派の絵画や日本の近代洋画、現代の絵画に
彫刻もあります。

日本の良さ、西洋の良さを簡単に見比べられます。
作家の個性だけでなく、
その時代のそれぞれの国の文化まで感じられたら
素晴らしいですね。

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休館後に新築されて数年後に開館する予定です。
ゴールデンウィークのお出かけにいかがですか。

光と風と木々が芸術と響きあう清春芸術村(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
台風が過ぎ去って横浜は秋が深まってきました。
今日は山梨県北杜市の清春芸術村のレポート続編です。

清春芸術村の中心的な施設である、
清春白樺美術館と光の美術館をご紹介します。

清春白樺美術館は1983年に、
「白樺派」の作家が理想としていた美術館を
吉井長三さんが具現化しようとつくられました。

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雑誌「白樺」の展示だけでなく、
ジョルジュ・ルオーのコレクションも特色です。

清春白樺美術館も前回のブログでご紹介した
ジョルジュ・ルオー礼拝堂と
同じく谷口吉生さんが設計しました。

ルオー礼拝堂は1986年竣工なので、
清春白樺美術館の方が先に開館しています。

館内は邸宅のような感じでやわらかい雰囲気です。
その中で、暗めの重厚感がある作品が多いことが
印象的でした。

企画展も行っています。19日までは東山魁夷展です。

光の美術館は安藤忠雄さんが設計した小さな美術館です。
2011年に開館しました。
アントニ・クラーべの絵が展示されています。

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照明を使わず、天井や外壁の一部からの自然光で
館内を照らす建築に特徴があります。

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館内の写真は撮影できなかったので、webサイトをご覧ください。
http://www.kiyoharu-art.com/hikari/hikari-top.html
ぜひ内観の写真もご覧ください。

日や時間によって作品の見え方が変わります。

館内に差し込む光と、歩くことで同じ作品を
上下左右、斜めから眺めて楽しめる魅力があります。

清春芸術村へのバスは休日だと1日3本なので、
車もしくはタクシーがお薦めです。

私は9月の土曜日の昼に行きましたが、
私が着いたときに駐車場に停まっていた車が15台、
ひとつは練馬ナンバーで、他は山梨ナンバーでした。

清春白樺美術館は私のほかにいたのは2人だけでした。
光の美術館は私ひとり占めで楽しみました!

都会では味わえない贅沢です。
ぜひ静かにじっくり好きなだけ鑑賞してください。

たくさんの芸術家、作家、建築家から刺激が得られます。

光と風と木々が芸術と響きあう清春芸術村(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は山梨県北杜市の清春芸術村のレポートです。

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清春芸術村とは、清春白樺美術館など
いくつかの芸術関連の施設を集めた場所です。

清春小学校の跡地につくられました。

吉井画廊会長の吉井長三さんが、
1980年に私財を投じてつくったそうです。

桜の名所でもあり、清春の桜を見た評論家の小林秀雄が
芸術村をつくることを薦めたそうです。

のどかで、静かで、美しい場所です。
桜の季節は本当に美しいでしょうね。

芸術村に入ると入口正面に
「ラ・リューシュ」というアトリエ兼住宅があります。

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フランス、パリのモンパルナスに実際にある
建物を模して造られました。

残念ながら中に入ることはできません。
入口から中を写した写真です。

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清春芸術村の特徴は建築の面白さにもあります。
さまざまな有名建築家の建築物があります。

美術だけでなく、建築が好きな方が
多く来ていると思われます。

藤森照信さんが設計した
樹齢80年の木の上の茶室「徹」(てつ)です。

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谷口吉生さんが設計したジョルジュ・ルオー礼拝堂です。

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コンクリート打ち放しの礼拝堂ですが、建物内には
宗教画家ルオーの絵画やステンドグラスがあります。
雨の日には入れないようです。

面白い彫刻などもあります。

エッフェル塔のらせん階段、改修前の本物を運んできました。
塔の左にある像はセザールの像です。

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セザールは親指の像をつくっています。いいね?!

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清春芸術村は30年以上前からつくり始められています。
いまも理想の芸術村へ進化を続けています。

屋外の自然と芸術が一体となった美しさを
見せた点では日本の先駆けといえるでしょう。

額縁ではありませんが、
自然が美術作品をより豊かに見せてくれます。

またその逆に、芸術には自然の美しさを
より感じさせる力ももっていると思います。

芸術と組み合わせることで、都会にはない、
その土地、自然風景の魅力を示してくれました。

光や風や植物も含めた空間の良さを
心と体で感じて楽しむ場所です。

次回は清春芸術村の現在の中心的な施設である
清春白樺美術館と光の美術館をご紹介します。

アンディ・ウォーホル展 永遠の15分

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
明日からゴールデンウィークです。

今日は、連休に近場のアートに触れたい方に
ぴったりの話題です。

森美術館の「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」のレポートです。

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アメリカに生まれ、現代の大量生産、大量消費などを
題材にとりこみ、ビジネスや大衆を意識したアーティスト
といえるアンディ・ウォーホルの回顧展です。

館内は撮影禁止なので、写真でご紹介できないのは残念です。

ウォーホルの幼少期から晩年まで、
制作物や関心の移り変わりを堪能できます。

私は2時間以上じっくり見て回りました。

クライアントの要望を聞くデザインであったり、
商業的なアート作品もたくさんあります。

初期の商業デザイナーの頃の作品や注文肖像画などです。

シルクスクリーンを用いて、
工場で大量生産が可能な作品も現代的です。

また、芸術家として、大量に出回るもの、
反復される社会を切り取った作品もあります。

ケネディ大統領夫人の写真やドル記号、
毛沢東を題材にした作品などが、
それにあたると思います。

新しい色使い、ヘリウムガスを用いた銀の雲、
キャンベルスープ缶、実験映画、写真ボックスなど、
タブーを恐れず前衛的に挑戦し続けた芸術家でもあると感じました。

それでいながら、世界の政治家、一流の文化人との交流など、
ビジネス的な巧みさも感じます。

「お金を稼ぐことは芸術、働くことも芸術、
うまくいっているビジネスは最高のアートだよ」
という言葉も残したそうですから、

ウォーホルにとっては、労働も錬金術も、
さまざまな人との交流も芸術なのかもしれません。

刺激に満ちた展覧会です。

展覧会会場入口手前にあった
BMWのアート・カーは撮影できましたのでご紹介します。

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また、展覧会を見終わった後に、
隣接のアンディ・ウォーホル・カフェで
一休みするのもいいでしょう。

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ホットドッグセットです。
キャンベルスープ缶のクラムチャウダーを私は食べました。

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カフェには、レイン・マシンという作品も展示されています。

話は展覧会に戻りますが、ウォーホルの作品の意図は、
本人によって語らなかったものが多いので、わからないままです。

見る人によって受け取り方はさまざまだと思いますが、
現代社会を切り取った作品が、社会の一面を
いつもとは違って形で映し出しています。

会期は5月6日まで。
知的刺激を求めて出掛けてみてはいかがしょうか。

LOVE展 アートにみる愛のかたち

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展の
「LOVE展 アートにみる愛のかたち」のレポートです。

行くのがちょっと遅くなってしまいました。

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その名の通り、愛をテーマにした美術展ですが、
対象としている作品は幅広いです。

作品の制作年は江戸時代から現代までに及び、
恋愛や家族愛にとどまらず、あらゆるものへの愛を
洋の東西も問わず展示しています。

かなりの力の入れようです。

六本木ヒルズのインフォメーションコーナーまで、
LOVE展にあわせた装飾です。

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美術館の入り口近くから迫力ある作品があります。

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作家名/作品名:バーバラ・クルーガー《無題(恋とは落ちてしまうもの)》

撮影許可された作品をご紹介します。

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by-nc-nd.png作家名/作品名:草間彌生《愛が呼んでいる》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。


自己を宇宙や自然に溶け込ませていくことを
表しているのかもしれません。

力強く、愛しくも感じられる水玉模様の角の
大きなエネルギーの前に、人の姿は
かすんでしまうに思えますが、
新たな光に照らされ、笑顔が広がっていました。

ファイナルホーム.jpg
by-nc-nd.png作家名/作品名:津村耕佑《ファイナルホーム》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。


着るものが、最後の最後まで身をまとうものとして、
ファイナルホームとして表現されています。

情報や安全など、人を守るさまざまものを示しています。

ハートマークだけではない愛を表現方法を学ぶのも
デザインにプラスになると思います。

力強い表現が目立ちました。

案内のリーフレットだけを見るだけでも
多様な表現を学べます。

小さな子供には刺激的な作品もあり、
やや大人向けの展覧会です。

客層は若い女性やカップルが多かったです。

一般的に美術展には中高年も多いのですが、
今回のテーマはもしかしたら気恥ずかしいのかもしれません。

企画の切り口が面白く、意欲的で作品の幅も広かったので、
美術ファンに限らず多くの方が楽しめる展示会です。

鑑賞時間として1時間半は欲しいです。
会期は9月1日まで。

砧公園の中にあるゆったり過ごせる世田谷美術館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
昨日の横浜は13センチの積雪で、12年ぶりの大雪でした。
慣れない雪かきで背筋が鍛えられました。

今日の話題は世田谷美術館です。

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少し前の話になりますが、昨年11月まで開催されていた
「対話する時間 世田谷美術館コレクションによる現代美術展」
を観ました。

世田谷美術館には初めて行きました。
砧公園の中にあり、静かで美しい場所にあります。

近・現代美術に力を入れているイメージだけはもっていましたが、
その他には特に印象がありませんでした。

美術展は、草間弥生、蔡國強、李禹煥など
多くのアーティストの作品を少しづづ見ることができ、
バラエティに富んだ展示会でした。

コツコツ、まじめに美術館運営を30年近く
積み上げてきたことが感じられました。

レストランやカフェ、ミュージアムショップもあります。

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ロケーションなど素晴らしいので、ビジネス視点では
もっと繁盛させることもできそうに思えましたが、
地元の美術館として落ち着いて運営している感じです。

公園に面したレストラン「ル・ジャルダン」は特に美しいです。

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ゆったり過ごせる落ち着いた穴場スポットだと思います。

エネルギーあふれる岡本太郎記念館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は岡本太郎記念館についてです。

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南青山にある岡本太郎記念館は、
元は岡本太郎さんのアトリエ兼住居でした。

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とにかくエネルギーに満ちています。

中小企業経営に直接に活かすのは難しいかもしれませんが、
刺激に満ちているので、触発されるものはあるはずです。

写真の企画展は「岡本太郎の50年」展です。
写真撮影がOKという施設なので、写真をいくつかご紹介します。

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岡本太郎記念館3.jpg

美しいとは違う、命や宇宙の表現があります。

自然の恐ろしさや人間の狂気を表現したと思われるものや、
どこか愛嬌が感じられるものや、洒落が効いたものもあります。

庭にも面白い作品がたくさんあります。

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ひとつひとつを丁寧に見るのもよいですし、
個性的な作品に取り囲まれて、雑多なもの、遊びのあるものから
生まれる世界を楽しむのも記念館ならでは面白さでしょう。

ほとばしるエネルギーを、さまざまな楽しみ方で堪能できる
幅も広くて奥深い美術館です。

上質な日本庭園から金沢を知る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今回は野村家武家屋敷跡と兼六園についてです。
金沢の紹介は今日で一区切りです。

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野村家武家屋敷跡の庭の美しさは絶景です。

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それほど大きい庭ではありませんが、
屋敷と調和がとれており、コンパクトですが存在感もある庭です。

さまざまな様式の日本庭園がありますが、
コンパクトな個人の庭としては最高の庭と言えるでしょう。

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植物や光の種類も豊富でとても凝った造りです。
季節、天候、見る角度によって味わいが異なります。

庭の手入れも含めて、見事な芸術だと思います。

次は兼六園です。

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当ブログの読者には兼六園の説明は不要だと思います。

私が取り上げたいのは兼六園にある噴水です。

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この噴水は兼六園の中心にある霞ヶ池との
水面との高低差による自然の水圧であがっています。
水の高さは約3.5mあるそうです。

金沢城の二の丸に水を引くために試作されたようですが、
19世紀中頃につくられた日本最古の噴水だそうです。

噴水のある日本庭園は珍しいです。

兼六園は高台にありますが、10km上流から用水路で水を引き、
それから金沢城へつながっているんですね。

こうして学んでみると、金沢は単なる伝統文化の街ではなく、
昔からもともと新しい独自の文化を
創造していく気風をもった街だと思いました。

だから金沢21世紀美術館という新しいコンセプトの美術館を
街の中心部につくることができたのだと思います。

街を歩きながら、哲学や文化そして進取の気風を感じました。
大阪や京都や東京とは違うものを作っていく魅力があります。

企業も街のカラーと合わせて文化創造していくことが重要です。
それがアイデンティティにもなります。

市民に開かれた金沢21世紀美術館が街を変える

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週に続いて金沢21世紀美術館の魅力に迫ります。

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金沢21世紀美術館は次のコンセプトを掲げています。

1 世界の「現在(いま)」とともに生きる美術館
2 まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館
3 地域の伝統を未来につなげ、世界に開く美術館
4 こどもたちとともに、成長する美術館

これらのコンセプトの実現に
大きな役割を果たしているのが建築です。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=35&d=1

外周はガラス張りで、とても明るく開放感があります。
外の庭も中庭も館内の明るさに効いています。

金沢21世紀美術館4.jpg

1階の入場口は4つあり、無料で見られるゾーンもあるので、
気軽に通り抜けできるくらいの開かれた美術館です。

さらに無料ゾーンから、
有料ゾーンの展示も一部だけ見えたりします。

美術館には、落ち着いた色で厚い壁があるところが
多いのですが、金沢21世紀美術館は静かであっても
白を基調としていて明るく、気持ちも明るくなる造りです。

また、子供づれにもやさしく、乳児室や託児室があります。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=10&d=4

ふらっと入りやすいアートライブラリーもあります。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=10&d=1

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美術ファンだけでなく、
街のみんなが親しみを持てる美術館なのです。

同じく現代アートのファンが注目する香川県の直島とは、
客層が大きく異なります。

直島は現代アートファンがやってきて、
じっくり作品を堪能していますが、
金沢21世紀美術館は芸術にそれほど関心がない人も受け入れます。

作品への予備知識を持たずに見に行くわけです。

例えば、タレルの部屋で、私の近くにいた
年配のご夫婦は「なんにもないや」と話して出て行きました。

ジェームズタレルの作品は、天井に四角い穴が空いていて、
空や光を見る作品です。

部屋の中には何も置いていません。

ですから、至極まっとうな感想で、
作品がなかったと勘違いしたのかもしれません。

しかし、直島ではそういう反応を示す方は少ないです。
芸術を見に行っていますし、タレルを知っている人も多いからです。

先週、ご紹介したスイミングプールに驚いた修学旅行生も
作品を知らずに見たから、とても驚いたのでしょう。

直島はとても素晴らしいところですが、
地域の人や兼六園に来たついでで来た観光客も、
気軽に芸術を楽んでもらえる金沢21世紀美術館も素敵です。

現代アートは難しく、見てもよくわからない作品もあります。

全部わかる必要はなく、
楽しめる作品がひとつでも見つかればよいのではないでしょうか。

金沢21世紀美術館は兼六園と並ぶ大きな観光の核となりました。

街の人に聞くと、金沢21世紀美術館によって
観光客の層が広がり、特に若い人が増えたそうです。

また、もともとあった企業や観光施設などでも
デザイン・芸術面で大きく刺激を受けて、
新たなデザインを取り込む動きが活発になっているそうです。

ひとつの美術館が街を変えているのです。
地域活性化のモデルケースのひとつになっています。

現代アートを誰もが楽しめる金沢21世紀美術館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
金沢21世紀美術館に行ってきました。

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開館してまだ8年ですが、日本屈指の人気美術館となりました。
美術界における旭山動物園のイメージでしょうか。

現代アートをとても親しみやすくした美術館です。
子供や「芸術は苦手」という大人もここなら楽しめます。

視覚的に印象が強いものが多く、開かれた空間なので、
難しいものと無理やり向き合わされる感じが少ないからです。

館内の一部で許されている写真撮影は、私的使用目的に
限られており、残念ながらブログに載せられません。

作品をいくつかご紹介します。

一番有名な作品は「スイミングプール」でしょう。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=30&d=7

作品が面白いのはもちろん、鑑賞している人の表情や態度も
観察すると面白いです。

この作品は、入口からの近さの関係で
多くの方は先にプールサイドから「水中」を見ます。

「なんでプールなんか見ているの?」と言いながら、
人が集まっているプールサイドから「水中」を覗きこんだ
(おそらくこの作品のことはそれまで知らなかったであろう)
修学旅行生は、プール内の人を見て、
目を丸くして、腰を抜かしたように驚いていました。

水中のはずなのに、服を着た人が手を振ったり、
写真撮ったりしているのですから、混乱するのもわかります。

写真にあるラッパのような作品は
アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3
という名前が付いています。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=30&d=2

金沢21世紀美術館2.jpg

美術館の周辺に12個あって、近くにあるものとは限らない
2個がつながって会話ができる作品です。

雲を測る男」も面白く、また哲学的で印象的な作品です。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=30&d=3

私が好きなジェームズ・タレルの
「ブルー・プラネット・スカイ」もあります。

これらは恒久展示です。
見るたびに刺激を受けられる作品でしょう。

もちろん企画展もあり、私が行った時には
「工芸未来派」や「ソンエリュミエール 物質・移動・時間」
が開催されていました。

デザインギャラリーでは、
Olive1982-2003 雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ
が開催されていました。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=46&d=1129

時代を切り取り、社会をつくった雑誌のコンセプトや
デザイン、それらの変化は面白かったです。

金沢21世紀美術館のコンセプトや工夫の面白さは、
長くなりましたので次回にまたお伝えします。

マウリッツハイス美術館展

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」で話題の
「マウリッツハイス美術館展」に行ってきました。

真珠の耳飾りの少女.jpg
パンフレットを撮影したものです。もちろん実物は撮れません。

東京都美術館のリニューアルオープンを記念した展覧会です。

マウリッツハイス美術館展.jpg

平日夕方に行きましたが、
展示室へ入るのに30分待ちの行列でした。

オランダのマウリッツハイス美術館が改装するため、
借りられたようです。

日本でファンが多いフェルメールの一番の有名作品が、
オランダに行かずに見られると話題になっていました。

館内では「真珠の耳飾りの少女」の部屋の手前で、
最前列で見たい人と、肩越しで見ても構わない人に分かれます。

最前列で見たい人はもちろん順番待ちになります。
私は肩越しで構わない方に行きました。

背が小さくなくてよかったです。

大きな絵ではないのですが、
やはり引き込まれてしまう魅力や存在感があります。

ただ、肩越し派は3~4メートル離れた位置から見るので、
細部は見にくいです。

細部を見たい人は順番待ちして最前列で見てください。

最前列も後ろで並んでいる人がいるので、
絵の前で立ち止まってゆっくり鑑賞するのは難しそうです。

フェルメールはもうひと作品あります。
他にもレンブラントなどの作品があります。

風景画、歴史画(物語画)、
肖像画とトローニー(特定人物ではない肖像画)、
静物画、風俗画、と分類されて展示されています。

それぞれの時代背景と、画家の創作意識を重ね合わせて見ると
面白いと思います。

東京都美術館は久しぶりに行ったこともあり、
大きな違いはわかりませんでしたが、きれいになっていました。

隣の動物園ではパンダもいて、上野の街は
どんどん人を呼び込もうとがんばっています。

展覧会は、東京都美術館では9月17日まで。
その後は神戸で展示されます。

直島レポート(6) 島内アート

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

直島レポートの最終回、島内の屋外アートを見ていきます。

直島を歩くと、いたるところに美術、芸術を見つけられます。
楽しく街歩きできる島です。作品をいくつかご紹介します。

お店を中心に多様な柄の暖簾がかかっています。
単純な柄が多いのですが味わいを感じます。

noren.jpg
のれん.jpg

東京ミッドタウンの虎屋も暖簾が印象的ですが、
暖簾は他の企業でももっと使ってよいと思います。

次は壁面に描かれているひもでの作品です。
これも画材で描くのとは違う味わいがあります。

rope.jpg

こうした壁画も家プロジェクト周辺でいくつか見つけられます。

次はベネッセハウス周辺の作品です。
楽しい気分にさせてくれる作品がいくつもあります。
子供が喜びそうですね。

屋外アート01.jpg
屋外アート02.jpg
屋外アート03.jpg

芸術と文化、人の心や街づくりを考えるうえで
とても参考になる視察になりました。

直島レポート(5) 李禹煥美術館・直島銭湯

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

直島レポートの第5弾、李禹煥(リウーファン)美術館と
直島銭湯「Iラブ湯」のレポートです。

李禹煥美術館
http://www.benesse-artsite.jp/lee-ufan/index.html

直島銭湯「Iラブ湯」
http://www.naoshimasento.jp


李禹煥美術館は、地中美術館に向かうバスの途中にあります。
自然の中にある静かで力強い現代美術館です。

りうーふぁん.jpg
LEEUFAN.jpg

展示作品が多いわけでなく、サッと見るなら
30分ぐらいでも見られると思います。

海が見える小さい丘にある美術館ですが、
安藤忠雄さんの建築もかなりの力強く、
圧迫感すら感じる入口を通ると、自然から非日常へ導かれます。

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コンクリ打ちっぱなし.jpg

中は不思議なものが多くあり、見る人によって感じ方も異なるでしょう。

一方、直島銭湯「Iラブ湯」は、本物の銭湯を芸術にしています。
日常と芸術が同居しています。

アイラブユー.jpg
あいらぶゆ.jpg

14時からのオープンで、当日はあいにく私に時間がなかったため、
施設内に入れませんでしたが、外観写真だけでも
刺激にあふれた施設であることが伝わると思います。

昔あったようなものを並べていますが、
極めて現代的なつくりだと思います。

渾然とした感じや、来るたびに見つけられる発見が
日々の暮らしに活力を与えるのかもしれません。

次に訪れたときには入浴してみたいですね。

直島レポート(4) 地中美術館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

直島レポートの第4弾、地中美術館のレポートです。
http://www.benesse-artsite.jp/chichu/index.html

チケットセンター.jpg
地中美術館.jpg

チケットセンターから美術館までは数分歩きます。

美術館までの道のりには、クロード・モネが描いた世界を
表現した「地中の庭」があります。美しい庭です。

地中の庭.jpg

地中美術館も安藤忠雄さんの設計です。
直島の自然を配慮し、光を取り込みながら美術館を地下に造った
建築も面白いです。

迷路みたいな少し複雑な作りです。
ゆったりいろいろ見て回る楽しさの演出なのでしょう。

地中美術館では、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、
ウォルター・デ・マリアの3人の芸術家の作品が展示されています。

どの作品も空間とセットで楽しめるたいへん秀逸な作品です。

私の一押しは、やはりジェームズ・タレルです。

「オープン・フィールド」「オープン・スカイ」の2作品は、
感覚に働きかけるもので強く印象に残ります。

人は何を見て、何を認識しているのか、
私が見ているものは、もっと違う見方があるのではないか、
ゲシュタルト心理学を思い起こさせます。

美術館内には「地中カフェ」もあります。
カフェの外から美術館の一部をパチリ。

地中美術館2.jpg

こうして見ても外からほとんど見えない美術館であることがわかります。

作品も建築も楽しめる素晴らしい美術館です。また訪れたいです。

直島レポート(3) ベネッセハウス

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
3か月ぶりに直島レポートの続きです。

ベネッセハウス1.JPG

今日はベネッセハウスをレポートします。
http://www.benesse-artsite.jp/benessehouse/

ベネッセハウスは美術館と宿泊施設がひとつになった
世界でも稀な施設です。

ベネッセハウス2.JPG

美術館に宿泊できる素敵な体験ができます。

ベネッセハウスには「ミュージアム」「オーバル」「パーク」
「ビーチ」の4棟があり、すべて安藤忠雄さんの設計です。

ベネッセハウス3.JPG

安藤建築に泊まれるのも魅力かもしれません。
人気のある宿泊施設です。

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私はパーク棟に宿泊しました。

各部屋にも異なる作品が飾ってあります。
宿泊するたびに楽しめます。
(下の写真では右側の壁にあります。)

ベネッセハウス5パーク.JPG

パーク棟から眺める外の景色も美しいものでした。

ベネッセハウス6.JPG
ベネッセハウス7.JPG

料理もたいへん美味しくいただきました。

ベネッセハウスは、自然と芸術に囲まれて過ごせる
本当に素晴らしい施設です。

この世の幸せのうち、最上のひとつと言ってよいでしょう。

ミュージアムのギャラリーツアーや、
パークのアートツアーにも参加すると、
ベネッセハウスや作品を一層楽しめます。

中の作品の撮影は控えましたが、
撮影できるものもあったかもしれません。

素晴らしい作品がたくさんありましたが、
ひとつだけご紹介すると、
ブルース・ナウマンの「100生きて死ね」です。

ミュージアムにある作品です。
自分の人生と他者の人生を考えさせられます。

昼に見るのもよいのですが、
夜にひとりで椅子に座って見るのがお勧めです。
いつまでも見入ってしまいます。

走馬灯のように自分の人生を振り返り、さらに、
これからどう生きるかも問われているように思えます。

輪廻転生も想起しますし、
他者を知ることにもつながる作品です。

空間、光も含めて、その世界にどっぷりつかってください。
とても感動しました。

ヨコハマトリエンナーレ2011

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ヨコハマトリエンナーレ2011のご紹介です。

横浜市などが主催する現代アートのイベントです。
3年に1度開催されています。

横浜トリエン1.jpg

今年のテーマは「OUR MAGIC HOUR」。

「世界はどこまで知ることができるか?」として
日常の不思議や神話に関連した展示があります。

観る側に何かを問う作品が多いです。

メインの会場には、横浜美術館と
日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)があります。

横浜美術館からご紹介します。

横浜トリエン2.jpg

美術館全体がトリエンナーレの展示となっており、
総力を挙げてといった印象です。

ヨコハマトリエンナーレは撮影が許されている作品も多く、
好感が持てます。

美術館の外とリアルタイムでつながっている作品もありますし、
海外や昔の日本を感じさせる作品まで幅広い展示内容です。

展示に説明書きがほとんどありません。私にとっては、
音声ガイドを聞かないと理解の難しい作品も多いです。

無料バスで、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
にも行きました。

横浜トリエン3.jpg

こちらはさらに挑戦的で、解釈の難しい作品が多いように
感じました。

横浜トリエン4.jpg

細かいところにポイントがある作品もあります。
さまざまな角度から丁寧に鑑賞してください。

芸術文化の面とは別に、まちづくり、まちおこしの
観点から見るともう一息という印象です。

それなりに盛り上がり、入場者も少なくないのですが、
トリエンナーレを知らない横浜市民も多いですし、
観光客が大きく伸びているようにも感じないです。

市の規模は大きいので致し方ないところもありますが、
美術館から日本郵船海岸通倉庫のエリア全体での
さらなる盛り上がりを図ることは課題でしょう。

会期は11月6日までです。