2023年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は2023年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を紹介します。

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GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のひとつとして、
東京ミッドタウンで受賞デザインが展示されていました。

ロングライフデザイン賞は受賞が難しく、
2023年度は104件の審査のうち、受賞はわずか6件です。

ホンダ「Nシリーズ」です。

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N-BOXは日本で一番売れる車です。
軽自動車で狭い道でも運転しやすいのに、
社内は広くて快適、税金も安いので売れ続けそうです。

次にご紹介するのはJUKIの職業用本縫いミシンです。

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工業用ミシンと家庭用ミシンのいいとこどりした
店で使うプロ向けのミシンとして
ロングセラーになっているようです。

次はテルモの「テルパック」です。
輸液剤がソフトバッグに入っています。

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容器の破損リスクや、
空気・細菌等の混入リスクを低減しています。
もはやソフトバッグがスタンダードになっています。

50年前はガラスや硬いプラスチック容器に入っていたそうです。

また、ヒューマンエラーの低減にも努めているようです。

次はレノボの「ThinkPad」です。

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中央のトラックポイントと堅牢性が
とても気に入っている人がいました。

ユニ・チャームのタンポンは2017年発売ですが、
ロングライフデザインを受賞しました。

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また、専売公社時代からの塩も受賞してました。

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受賞おめでとうございます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(7)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートの続きです。

グッドデザイン・ベスト100以外の展示にも
多くの来場者がいました。

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本日、最初にご紹介するのはTOAの「YUTTE」(ゆって)です。
https://yutte-beta.t-cloudsystem.net/service/index.html

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アナウンス放送音源作成WEBサービスです。

文章を入力すると、
店内放送などのアナウンス音源を作成できてダウンロードできます。

現在はベータ版で無料です。
サンプルで作ってみました。リンクをクリックすると音声が流れます。
yutte2023.wav

入力した文章は以下の通りです。

中小企業診断士の山口達也です。グッドデザイン賞受賞展のレポートです。興味深いサービスがたくさんあります。

ナレーションは女性、男性、どちらか選べますし、
BGMやチャイム、話し方(普通、楽しそうに、強めに、悲しそうに)
話すスピードなどは、いろいろ設定できます。

アナウンサーに依頼しなくても済んでしまいます。

難しいソフトではなく、かなり使いやすいwebサービスです。
このユーザビリティも高い評価の理由のひとつでしょう。

いずれ有料になると思いますが、価格によっては人気が出そうです。

次にご紹介するのはUSENの「WEDDING MUSIC BOX」です。
https://weddmusicbox.com/

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結婚式や披露宴の選曲やリスト作成、頭出しなどができ、
ネット上で新郎新婦と打ち合わせもできるようにしたサービスです。
結婚式場向けのサービスです。

USENが手掛けているため、著作権の不安なく、
配信限定曲やインディーズ曲も含めて1300万曲から選べます。
これは売れそうです。

最後にご紹介するのは、
ミヨシ油脂の「すぐに使える かける本バター」です。
https://mmp.miyoshi-yushi.co.jp/baking-studio/product/detail/?id=477

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「すぐに使える かける本バター」は、バター風味のオイルです。
常温で液状のため、使いたいときにすぐに使えます。
冷蔵保存やカットの手間も不要です。

バターは美味しくて大好きですが、
固形のバターは包装紙を剥がして切って、
溶かす面倒があります。

パンに塗るには便利な商品もありますが、
常温保存で賞味期限もバターより長く、上のような手間がないので、
料理に使うには人気が出そうです。

展示会場で最初に見たときは液体のバターかと思って驚きました。
買う機会があったら食べてみたいです。

次週以降はロングライフデザインなどのご紹介する予定です。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(6)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートの続きです。

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グッドデザイン・ベスト100には入らなかったものの、
グッドデザイン賞の受賞展示から、
私が注目したデザインをご紹介します。

本日、最初にご紹介するデザインは、
KEENON Roboticsの配膳ロボット「DINERBOT T8」です。
https://www.keenon.com/jp/index/Page/index/catid/32.html

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配膳ロボットはよく見かけるようになりました。
この分野は、中国企業が先行していて、
グッドデザイン賞の受賞も目立ちます。

Pudu Roboticsの「Bellabot」も
2022年のグッドデザイン賞を受賞しています。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/12692

今回ご紹介した「DINERBOT T8」は
55センチの通路でも走行できる点などが評価されました。

来店客が受け取りやすいものや、愛嬌があるもの、
狭い通路でも運べるスリムなタイプなど、
各社で競争が続きそうです。

次はIPO準備クラウドの「Uniforce」です。
https://ipo.uniforce-cloud.com

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IPO(株式公開)はかなり大変な労力がかかります。
このサービスだけ完結することはないでしょう。

実際のコンサルティングなどと組み合わせて使うことに
なるでしょうが、支援するツールとしては面白いですね。

審査員はどのあたりを評価したかわかりませんが、
このクラウドだけで稼ぐのは難しそうに私は思います。
どれくらい伸びるか、今後を見届けたいです。

本日最後にご紹介するのは、
リクルートの「Air ビジネスツールズ」です。
https://airregi.jp/top

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POSレジ(Airレジ)からはじまり、
決済サービス(AirPAY)、飲食店のオーダーシステム
予約・受付管理、シフト管理、勤怠管理、、
請求書支払アプリ(AirINVOICE)など
さまざまなサービスをAirIDひとつで連携して管理できます。

利用している中小企業も多いです。

ここまで浸透させるにいたった
サービスの構想力や、顧客の業務フローを的確に把握して、
顧客ニーズに合わせたサービス、
UI(ユーザインターフェース)の良さ、
営業力や販売促進の上手さなど、さすがリクルートですね。

続きは次週に。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(5)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートの続きです。

今週もグッドデザイン・ベスト100から
私が注目したデザインをご紹介します。

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東京ミッドタウンの展示会場はにぎわっていました。
写真は人の顔が映らないように、
あえて人が映っていない瞬間の写真を使っています。

本日、最初にご紹介するのは富士屋ホテルです。

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登録有形文化財の建物を含む、明治、大正、昭和の
さまざまな建物がいくつもある名門リゾートホテルです。

私もかつて行ったことがありますが、
とても美しく、品格があって豪華なデザインの建物でした。

この歴史的建物の意匠の保存を優先し、
補強部材を露出させない改修を行っています。

また、戦後に改変されていた本館ロビーを、
昭和初期の姿への復元によって、
本来の広がりのある快適な空間を蘇生させたそうです。

古い木造建築の耐火性を上げる改修も施されています。
現在の法規制をそのまま満たそうとすると、
建物が大きく変わってしまうことから、代替措置を施すことで、
建築基準法の法適用除外指定を神奈川県にお願いをしたそうです。

不特定多数の人が利用する
大規模宿泊施設への適用は全国でも前例がなく
かなり大変だったと思われます。

文化財的価値の保存と安全性確保の両立が評価されました。
また行ってみたいです。

コロナの影響で、2020年7月にリニューアルオープンしたものの、
あまり話題になりませんでしたが、いまは大人気だと思います。

次は小田急電鉄の「ハンターバンク」です。

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今年は熊出没による被害も日本全国で相次ぎましたが、
農家などが受ける鳥獣被害は大きいです。

ハンターの担い手が減る中で、小田原市と連携して、
ペーパーハンターと農林業者とのマッチングを行う取り組みです。

地元のベテランハンターによる狩猟技術のサポートを実施し、
ペーパーハンターのスキル向上を支援しています。

また、狩猟に興味を持つ狩猟免許非保有者も
参加できるようにして、狩猟人口の裾野を広げることにも
取り組んでいます。

社会課題の解決に寄与する取り組みで素晴らしいと思います。

次はパナソニックのパーソナル食洗機です。

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ひとり暮らし向けの食器洗い乾燥機です。
食器6点が入るA4サイズの大きさで台所に置きやすく、
分岐水栓工事不要のタンク式給水です。

月額1,290円の利用料で小さく置きやすい製品は
手軽においてみようという気にさせるかもしれません。
顧客層を広げるための工夫が感じられます。

38,000円程度で買うこともできます。

次は画像生成AI「Stable Diffusion XL」です。

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英語でプロンプト(指示)しなくてはいけないので
使いにくいですが、先月に日本語版のリリースが発表されました。

日本特化の商用利用可能 text-to-image モデル
「Japanese Stable Diffusion XL」をリリースしました
https://ja.stability.ai/blog/japanese-stable-diffusion-xl

グッドデザイン・ベスト100の受賞対象は英語版のものです。
個人のパソコンの計算力だけで画像生成AIが使えるようにしたことはすごいそうです。

生成AIは2023年のデザインの大きな話題になったので、
後日取り上げます。

最後のご紹介は、グッドデザイン・ベスト100ではありませんが、
同じ会場で展示されていたグッドデザイン・ニューホープ賞です。

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グッドデザイン・ニューホープ賞は
昨年からできた学生向けの賞です。

出品料が無料で、最優秀賞などには賞金も出るのもいいですね。

今年は、家で育てるキノコの菌糸体を素材にしたおもちゃキット
が最優秀賞に選ばれています。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(4)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートを3週ぶりに再開します。

レポートの第1回から第3回は下のリンクからどうぞ。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(3)
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(2)
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(1)

今回はグッドデザイン・ベスト100から
特に技術で目を見張ったデザインをご紹介します。

本日、最初にご紹介するのは
リコーのSTAYTHEE(ステイシー)です。
https://staythee.ricoh

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水中撮影で360度カメラなどに装着する浮力調整器です。
浮くわけでも沈むわけでもない「中性浮力」の状況にします。

人から離して撮影できるので、警戒心の強い生物の
撮影がやりやすくなったり、
自分の泳ぐ姿や集合写真が撮れるようになったりします。

これは良い商品ですね。売れると思います。
他社のカメラにも対応しているそうです。

次にご紹介するのは富士フイルムの
構造色インクジェット技術です。

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構造色とはシャボン玉やCDのように、
そのものの色素の色ではなく、光の屈折などで
そのように見える色です。

角度が変わると色の見え方も変わります。

正確な説明をする自信がないので、
詳しくは下のリンクをご覧いただきたいです。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/18907?years=2023

構造色をインクジェットで印刷できるのは
すごい技術だと思います。

クジャクや昆虫などの図鑑や、
芸術作品などでの活用が見込まれます。

次にご紹介するのはシャープの屋内光発電デバイスです。

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屋内の小さな光から発電し、
安価に大量に生産できるデバイスを開発しました。

液晶ディスプレイの構造や材料、プロセスをもとに
つくっているそうです。

IoT(Internet of Things)が進む中で、
さまざまなものに電力が必要になるので、期待したい技術です。

本日の最後にご紹介するのは、
ニコンのデジタル顕微鏡です。

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接眼レンズがなく、モニターで観察できます。

病理医、検査医、検査技師など
長時間、目を凝らして見ている人の
体の姿勢や目の負担を軽減できそうです。

デジタルモニターへ投影されるため、
離れた医師との情報共有もやりやすくなります。

これも良いデザインですね。
来週もレポートは続く予定です。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートの続きです。

グッドデザイン賞の受賞デザインのうち、
グッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)として
経済産業省 商務・サービス審議官賞をもらったのは、
Yahoo!ショッピング「おトク指定便」です。

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ネットショッピングで注文した時に、
最短のお届けではなく、先の日の配達を指定すると
顧客にポイントを付ける仕組みです。

ネットショッピングではセールの日に注文が集中して、
店側も発送が大変ですし、配送業者も大変です。

余裕のある配送日を選んでもらえば、
顧客はポイントがもらえ、店や運送業者も負担が減って喜ばれます。

新たなビジネスモデルや新産業の創出、
イノベーションの促進に寄与する優れたデザインとして評価されました。

ここから先はグッドデザイン・ベスト100から、
注目したデザインをご紹介します。

ひとつめが株式会社ティムコの
Foxfire SCアルティメットフーディ」です。
https://www.foxfire.jp/scoron

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林業など山で活動する人を守る防虫服です。

防虫剤を生地に接着させて
洗濯を20回しても80%以上の防虫効果を維持できるそうです。

蚊による感染症の拡大が懸念される中、
プロだけでなく、一般にも広がっていくかもしれません。
吸汗速乾、UVカット、接触冷感にも優れているそうです。

次にご紹介するのは「CuboAi 赤ちゃんねんね見守りセット」です。

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ベビーモニターとセンサーパッドにAIを搭載しており、
赤ちゃんの寝返りや顔に異物が覆われていること、
泣き声を通知するアラート機能があります。

人が赤ちゃんを24時間見張るのは不可能ですので、
技術を使って不幸な事故はなくしたいです。

マーナの「Shupatto アンブレラ」は、
多くの人が傘を手にして驚いていました。

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傘をまとめるベルトがありません。

傘を閉じたあと、手でまとめてベルトで留めますが、
このベルト留めが不要になる傘です。

閉じる動きに合わせて
生地を中心に巻き込む独自のスパイラル構造で
布がまとまります。

動きが気になる方は下の動画をご覧ください。

【marna】ベルトがない、とじる傘「Shupatto アンブレラ」
https://youtu.be/XTSk2OPRa4Q?si=WoRMRF432O6_7wRz

展示でも大人気で、みんな触りたがっていました。

本日、最後にご紹介するのは
ソニーの空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」です。

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写真ではわかりにくいですが、立体的に見えます。

眼鏡をかけずに3D映像を裸眼で見るという体験は

ディスプレイにある視線認識センサーが
人間の左右の目の位置を検出して、
最適な映像を映し出すそうです。

正面から外れて少し横から見てもきれいに見ました。

こちらも動画を見た方がよいかもしれません。
空間再現ディスプレイ:ELF-SR2商品紹介【ソニー公式】
https://youtu.be/JsSt_j3YO8k?si=wyzrJYb24UCdYLIs

優れた技術が多くて、わくわくするデザインをたくさん見ました。
レポートの続きはいったん中断して後日書きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023のレポートの続きです。

グッドデザイン金賞を受賞したデザインのうち、
私が気になったデザインをご紹介します。

ひとつめがコクヨの「スマートなダブルクリップ」です。

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一般的なダブルクリップで留められた資料は
めくりにくいですが、このデザインならめくりやすいです。

見てしまえば、なるほどのデザインですが、
クリップの保持力や量産に向けた苦労はあったと思います。

次はJVCケンウッド、日産、フォーアールエナジーの
「リユースバッテリー内蔵ポータブル電源」です。

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日産リーフの電池を再利用したポータブル電源です。
電池がどれくらい劣化していて、再利用でどの程度使えるか、
興味があります。

電気自動車が普及すればするほど、電池の再利用という
課題は大きくなるでしょう。

次はアイリス株式会社の「nodoca」です。
のどを撮影して、画像でインフルエンザを判定できるカメラです。

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50万枚の画像データベースをもとにAIがすぐに判定してくれます。

AIは画像だけでは判定はせず、体温や自覚症状なども
加味して判定します。

また、AIのみで診断するのではなく、医師が、
症状や診察結果なども含めて診断するように求められています。

現状のインフルエンザの診断が、
鼻に綿棒みたいなものを奥深く突っ込んで、
その後15分くらい待って判定することからみれば、楽で速いです。

将来的には、画像データの収集をが増えるほど
判定の精度も上がることが期待されます。

また、他のウイルスの診断にも使えるようになるかもしれません。
期待したいです。

次にご紹介するのはクラダシです。
https://kuradashi.jp

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食品メーカーの食品処分を減らし、
消費者が安く購入できる仲介webサイトです。

規格外や賞味期限が残り少なくなったなどの理由で
捨てられてしまう食品があります。

もったいないことですが、この食品を安く売ると、
企業は通常の商品の売れ行きに影響したり、
ブランドが棄損したりするため、
叩き売ることはせずに捨てることが行われています。

企業はこうした商品をクラダシに出品して、
消費者が安く購入できることで食品廃棄を減らします。
また、購入代金の一部は社会貢献団体に寄付されます。

企業としては自社のチャネルで安く売らなくて済み、
社会貢献活動にも参画できます。

フードロスと社会貢献のしくみが評価され、この数年
認知度が上がってきたECサイトです。

本日、最後にご紹介するのは「こども選挙」です。
キッズデザイン賞の内閣総理大臣賞も受賞しています。
https://kodomo-senkyo.com

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子供が選挙の候補者にインタビューして動画で公開します。
そして、子供も大人と一緒の投票日にネットで投票し、
候補者へのメッセージも記入してもらい、すべての候補者へ届ける活動です。

国政選挙でもぜひ行ってほしいです。
予算の一部も回せばできると思います。

選挙権のない若者の意見を届けること、
主権者教育をすること、ダメな政治家を選ばないこと、
いろいろ良いことにつながると思います。

来週以降もレポートは続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2023(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2023へ行きました。

10月25日から10月29日まで
東京ミッドタウンにて開催されました。
受賞したデザインをご紹介します。

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今年のグッドデザイン大賞は「52間の縁側」です。

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52間の縁側は老人デイサービスセンターです。
近年のグッドデザイン大賞は、
社会性やコミュニティが重視される傾向があります。

千葉県八千代市にあるそうです。
機会があれば行って見てみたいです。

大賞は惜しくも逃しましたが、
大賞候補となったファイナリストの4件をご紹介します。

神山まるごと高専です。
https://kamiyama.ac.jp

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テクノロジー、デザイン、起業家精神を育む高等専門学校です。
ニュースで取り上げられて注目していました。
デザイン業界でも注目されています。

NHKシチズンラボ
https://www.nhk.or.jp/citizenlab

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シチズンサイエンスといって、市民参加の科学があります。

NHKが研究者と視聴者をつなぐプラットフォームをつくり、
集合知で新発見を目指しています。

たとえば、日本中のセミの生態を調べようとしたときに、
研究者が日本中を回って調べるではなく、
各地に住む市民が投稿した観察情報を集めることで、
大量の情報を同時に集めることができます。

セミの例では、研究者が未発見の分布を含む、
2年間で7万2000件超のセミ情報が寄せられ、
学術的に非常に高い価値があるとして学術誌に掲載されています。

テレビ番組としても面白く、素晴らしい取り組みです。

また、トヨタのプリウスと
パナソニックの電動シェーバー「ラムダッシュ パームイン」も
高く評価され、ファイナリストに選ばれました。

グッドデザイン・ベスト100の会場でも
多くの人の注目を集めていました。

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プリウスも屋外ではなく、ベスト100の屋内会場に展示されていました。
次週以降もグッドデザイン賞のレポートをお伝えします。

グッドデザイン賞の費用

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザイン賞の応募などの価格をお伝えします。

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2023年度グッドデザイン賞の応募受付が始まりました。
https://www.g-mark.org/

中小企業経営者から、
グッドデザイン賞の応募や受賞にいくらかかるか、
たまに質問されますので記事にしました。

一次審査料は11,000円、二次審査料は60,500円、
受賞パッケージ料は165,000円で、合計で236,500円です。

価格は消費税込です。
これは最低価格です。実際にはオプション料がさらにかかります。

オプション料も含めて詳しく見ていきます。

一次審査は書類審査です。

二次審査は実物の審査で
千葉県の幕張メッセで8月2日から4日まで行われます。

実物の搬入と搬出の費用に加えて、
展示台、電気回線、インターネット回線などを使用すると
オプション料がかかります。

床置きするものでなければ
展示台は必要で6,600円かかります。

電気回線は13,000円くらい、
ネット回線は40,000円くらいかかります。

グッドデザイン賞を受賞すると必ず受賞展に出展します。
受賞展の出展料は先の受賞パッケージ料に含まれますが、
やはり展示台、電気、ネット回線は別途有料です。

受賞するとGマークは約1か月間無料で使えますが、
その後にGマークを使用するには使用料の支払いが必要です。

Gマークの使用料は1年間で220,000円です。
(受賞デザインの販売価格が50万円未満の場合)

ただし、中小企業は半額になります。
また受賞後10年経つと無料になります。

ということで、中小企業がグッドデザイン賞を受賞して
Gマークを使うには、
受賞までの236,500円に、オプション料と、
Gマークの使用料110,000円/年で、
応募するデザインによりますが、
40万円くらいはかかると思った方がよいでしょう。

2023年度グッドデザイン賞 費用について
https://www.g-mark.org/apply/gda/fees

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(5)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート最終回です。

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グッドデザイン・ベスト100の中から
私が注目したデザインをご紹介しています。

株式会社abaの排泄ケアシステム「Helppad」です。
https://helppad.jp

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「Helppad」(ヘルプパッド)は、
においセンサーで尿と便を検知するパッドです。

ベッドに敷くだけで排泄を検知できます。
介護での「おむつを開けずに中が見たい」ニーズに応えます。

どの程度のにおいで感知できるのか関心があります。

おむつでも濡れると知らせる機能はありますし、
これからも進化すると思いますが、
介護の負担が減るデザインは喜ばしいです。

今日のふたつめは、株式会社NITTO CERAの
シャワーシステム「SHIN-ON」です。

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さすまたのような形をしたシャワーヘッドで
360度とまではいきませんが、四方八方から
体を包み込みようにお湯が出て温まれるシャワーです。
既存のシャワーヘッドと併用して使い分ける感じです。

浴槽に入らずに温まれるのはいいですね。
洗車マシーンに人間が入っているみたいです。

次にご紹介するのはセイコーのメトロノームウオッチです。
https://www.sii.co.jp/music/mw/index.html

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音楽家や学生に向けた時計です。

時計モードとメトロノームモード、基準音モードの
3つがあって、モードを切り替えられます。

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時計モードで、短針だけで時刻を表示することに
驚きましたが、
「身につけるだけでも音楽を感じられるような腕時計」
というコンセプトで、コンパクトに美しまとめた
デザインは面白く評価したいです。

最後に紹介するデザインはデジタル庁です。

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新型コロナウイルス接種証明書アプリを例に
サービスデザインの取組が受賞しています。

デジタル庁では、サービスデザインの必要性を
組織で認識し、サービスデザインチームを立ち上げ、
民間企業からデザイン専門人材を積極的に採用して
プロジェクトを推進しました。

サービスデザインチームは、
デジタル庁において部門やプロジェクトを横断して
課題解決を取り組むチームです。

デジタル庁のサービスデザインの取り組みは
下のリンクを参考にしてください。
https://www.iais.or.jp/articles/articlesa/20220610/202206_01

利用者視点でさまざまなシステムが
使いやすくなっていくことを期待します。

今年のグッドデザイン・ベスト100のご紹介は今日が最終回です。
また来年も素晴らしいデザインを見るのが楽しみです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(4)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第4回です。

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今週はグッドデザイン・ベスト100の中から
プロダクトデザイン、構造の良さで着目したデザインを紹介します。

ソニーのワイヤレスイヤホン「LinkBuds」です。
https://www.sony.jp/headphone/products/LinkBuds

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中心に穴が開いたリング型のイヤホンで、
イヤホンを装着していても周囲の音が聞こえます。

周囲の音も聞きたいときには、以前から
骨伝導イヤホンがありますが、
「LinkBuds」はとても小さく、音質にも注力したようです。

ユーザーが会話を始めると音楽を自動停止するなど、
細かい機能も盛り込まれています。

次はスガツネ工業株式会社の丁番「HES1F-140型」です。
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/gHES1F-140

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ドア枠が薄い、開き戸に対応したちょうつがいです。
構造を見直し、薄いドア枠でも丁番が目立たない
デザインにまとめたことと、
丁番の隙間が小さいので、子どもが指を挟みにくくなっています。

キッズデザイン賞奨励賞も受賞しています。

丁番2つで40kgの重いドアを吊れる強度の強さと
耐久性の高さも素晴らしいです。

次はタカラトミーの「SORA-Q」です。
https://www.takaratomy.co.jp/products/sora-q

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JAXA、タカラトミー、ソニーグループ、
同志社大学の共同開発によって生まれた、
変形型の月面ロボットです。

月面に着地するときは、損傷の少ない球形状で
着陸すると変形して、「バタフライ走行」と
「クロール走行」の2種類の走行モードで走行します。

小型で軽量なだけでなく、
変形や生き物の動きを取り入れたロボットの機構は
おもちゃづくりのノウハウが生かされています。

月面探査でおもちゃの技術が生かされるかもしれません。

オープンイノベーションという言葉を
よく聞くようになりましたが、異なる業界の知見も
取り入れるとイノベーションが起こせますね。

本日、最後にご紹介するのは
タイガー魔法瓶の「TIGER MTA」です。

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冷たい炭酸飲料を入れられる魔法瓶です。

炭酸ガス抜き機構と安全弁を備えた
独自の「バブルロジック」によって実現させました。

キャップを閉めている時は炭酸ガスを閉じ込めていますが、
キャップ開栓時には炭酸ガスを先に抜く機構で
噴き出しや飛び散りを防ぎ、軽い力で開けられるようにしてます。

また、ボトル内の圧力が異常に高まったときには
安全弁が作動して自動でボトル内の
炭酸ガスを逃がすそうです。

これで車中などの高温に見舞われても壊れにくくなっています。

炭酸飲料が好きな方も
ペットボトルの使用料を減らせますし、
好きな量だけを飲むことも簡単になります。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介はまだ続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第3回です。

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今週はグッドデザイン・ベスト100の中から
仕組みの良さが光るデザインを紹介します。

まず、グッドデザイン金賞を受賞した「ファストドクター」です。
https://fastdoctor.jp

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新型コロナウイルスによる医療ひっ迫のニュースで
ご覧になった方も多いでしょう。

夜間、休日の時間帯では体調に不安があっても
かかりつけ医は休みのことが多く、
困ると救急しか手段がないことが多いです。

一方で、救急車を呼ぶほどではなく、
往診で対応可能な場合や軽症な場合もあります。

救急が必要かどうかの判断は難しく、
わからないからすべてを救急が担うと、
全体としては医療や救急資源を
過剰に使い過ぎているように思います。

同社は救急受診を支援しています。

症状の緊急度判定を行い、
必要に応じて救急搬送や、
往診、オンライン診療などにつなげます。

医療行為は提携する医療機関所属の医師・看護師によって行われます。

夜間・休日の時間帯の地域医療の負担軽減につながっています。
IT活用やUIデザインに注力しています。

住所登録から保険証の提出、会計までオンラインで完結し、
体調不良時に負担の少ない手続きにデザインしているそうです。

新型コロナによる医療ひっ迫で受け入れ先がなく、
往診で頼りにされたケースがとても多く、注目を集めました。

行政や医療機関が、これからも患者のため、
医療資源の利用の効率化のため、
ファストドクターというプラットフォームを
活用されると良いと思います。

次に、こちらもグッドデザイン金賞を受賞した
デュアルスクール」です。
https://dualschool.jp/about

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株式会社あわえと徳島県が受賞しています。

デュアルスクールは、地方と都市、
双方の教育委員会の間の合意があれば、
転校手続を簡略化して、二つの学校を行き来する子どもに、
スムーズに教育活動を展開します。

デュアルスクール生には、教科書の違いや、
学習進度の差を埋めるための補助教員を配置するなど、
スムーズな期間転校を支援しています。

地方と都市をそれぞれ知ることは
子どもにとって魅力だと思います。

徳島県と教育委員会とともに実証実験を進め、
住民票や授業日数の課題をクリアしたことは素晴らしいです。

次にご紹介するのは
ファシル株式会社の「シェアする防災セット」です。
https://facil.jp/shareset

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「自助+共助」の考えで、
トラックドライバーの備えだけではなく、
周囲の困っている人々と分け合う防災セットです。

災害が起こって「届ける」のではなく、
その地を走っているトラックが供給できれば、
大渋滞や豪雪・地震などで立ち往生したときに有効ですね。

使い捨て携帯トイレ、アルミポンチョ、N95マスク、
カイロ、氷砂糖、災害時お役立ちカードなどが30人分、
段ボール一箱にまとめて入っています。

防災用品搭載車マークのステッカーを車に貼って、
物流業界の災害対策と社会貢献を
社会に発信できる仕組みも良いです。

本日、最後にご紹介するのは守口市立図書館です。

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1993年に竣工した守口市生涯学習情報センターの改修です。

図書室、ホール、プラネタリウム、会議室、展示室などの
複合文化施設を図書館を軸にリニューアルしました。

建物の構造は問題がなくても、
30年経過して変化した住民のニーズに合わせて
改修することは素晴らしいことです。

バブル期の公共建築特有の多彩な機能とクセの強い空間を、
貴重な空間資源と捉えて最大限に活用した
リノベーションしたことが評価されました。

もともとあったものを上手く活かして、
コストを抑えてデザインすることは
デザイナー、建築家の力量が問われます。

パネルや動画を拝見して、
今を生きる人に喜ばれるデザインに上手く発展させたと感心しました。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第2回です。

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今週はグッドフォーカス賞に選ばれたデザインの中からご紹介します。

グッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)を
受賞した株式会社千葉印刷の「さかなかるた」です。
https://sakanakaruta.jp/

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特殊印刷で魚の表皮をリアルに再現した魚のかるたです。
写真では銀のうろこが照明に反射しています。

メタリック印刷できらめきを、
厚盛り印刷でうろこのような凹凸を
表現しているそうです。

展示会場で触れなかったのが残念ですが、
印刷技術の高さやグラフィックデザインの魅力が
評価されたようです。

2020年度の東京ビジネスデザインアワードの最優秀賞も
受賞しています。
アワードのデザイン提案が商品化されました。

次もグッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)を
受賞した「トミタ式おろし金」です。

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刃を使わない安全なおろし金です。

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あじろ模様の突起で刃がなくても
すりおそせるそうです。

小さい食材をすりおろすことは
指を切りそうで怖かったのですが、
これなら、ケガの心配がなく子どもでも安心です。
また、スポンジで洗いやすいです。

動画を見ると、生姜やわさびなどがおろせています。

それでも本当に上手におろせるのか半信半疑です。

テレビショッピングの実演販売のように
上手にやっているのかなとも思ってしまいます。

実際に使わないと納得できない商品かもしれませんが、
これですりおろせるのなら、私はこのデザインが
グッドデザイン大賞にふさわしい、見事なイノベーションだと思います。

もうひとつのグッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)は
冨士経編株式会社の「keamu」(ケアム)です。
https://www.mille-vies.com/projects-3

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高齢の方・介護が必要な方向けのルームウェアです。
着る人、着せる人が着脱しやすい工夫と快適性、
おしゃれを追求しています。

よい挑戦と思います。

本日、最後にご紹介するのは
グッドフォーカス賞(防災・復興デザイン)を
受賞したピジョンの災害用授乳カップです。

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哺乳瓶を洗浄する水の確保が難しい災害時向けの商品です。
ピジョンは真面目な会社だなと感心します。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022へ行きました。

10月7日から11月6日まで
東京ミッドタウン・デザインハブにて開催されました。

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2022年度グッドデザイン賞は1,560件が受賞しました。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022は
グッドデザイン賞の中で「グッドデザイン・ベスト100」に
選ばれたデザインの展示です。

昨年度は事前登録が必要でしたが、
今年は事前登録なしで行けました。

これから数週にかけてご紹介します。

2022年度の「グッドデザイン大賞」は
アトリエe.f.t.、合同会社オフィスキャンプ、
一般社団法人無限による
「地域で子ども達の成長を支える活動 まほうのだがしやチロル堂」でした。

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貧困や孤独といった環境にある子ども達を、
地域みんなで支える魔法の駄菓子屋です。
奈良県にあります。

近年はこうした社会問題に取り組むデザインが
グッドデザイン大賞を受賞する傾向が強いです。

チロル堂の詳細は下のリンクをご覧ください。
https://tyroldo.com/
https://www.g-mark.org/award/describe/54517

次にご紹介するデザインは、
大賞は逃しましたがファイナリストとなった
日立のコードレス スティッククリーナー「PV-BH900SK」です。

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製品本体の外装や付属品に
再生プラスチックを40%以上使用しているそうです。

再生プラスチックを使うと強度や見た目に影響すると思いますが、
黒っぽい色にして、表面処理にも気を遣いながら、
美しく仕上げたことが評価されました。

私が注目したデザインは、
同じくファイナリストに選ばれた
ホンダのハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」です。
https://www.honda.co.jp/topics/2022/ce_2022-10-13.html

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手で操作することなく、意のままに全方位に移動できる乗り物です。

身体を傾けて体重移動すると動かせるそうです。
バランス制御技術と車輪機構がポイントのようです。
ジョイスティックによる移動もできます。

車椅子の利用者は手が自由になることや、
目線が高くなることで、解放感が得られ、
立っている人とのコミュニケーションも取りやすくなります。

まだ研究開発中で販売されていないようですが楽しみです。

ここからは、体が不自由な人に向けたデザインを3点ご紹介します。
3つとも素晴らしいデザインです。

ひとつめがグッドデザイン金賞を受賞した
株式会社Ashiraseの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」です。

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靴に振動インターフェースを装着して
スマートフォンの専用アプリで目的地を入力すると、
目的地までの歩行をナビゲーションしてくれます。

これもまだ販売されていませんが楽しみです。

ふたつめがグッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)を
受賞した株式会社ミライロの
デジタル障害者手帳「ミライロID」です。

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障害者手帳をスマートフォンアプリ化したものですが、
マイナポータルAPIとも民間活用の第一号として連携し、
公証性を確立していることが素晴らしいと思いました。

手帳をアプリ化することは技術的には簡単でも、
役所に認めてもらうまでがとても大変だと思います。

障害者は手帳を持ち運ばなくてよくなり、
音声読み上げにも対応します。

さまざまなクーポンも配信しやすくなり、素晴らしいです。
私はちょっと感動しました。

三つ目は同じグッドフォーカス賞
(新ビジネスデザイン)を受賞した
株式会社コワードローブの「キヤスク」です。

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キヤスクは、身体の不自由に合わせて
既製服を着やすくするお直しを、
気やすく依頼できるオンラインサービスです。

障害や病気があっても、
好きな服を身体の不自由に合わせて
お直しして着られることは良いですね。

お直しする人たちは、自分の子のために独学で習得した
服のお直し技術を困っている人に提供したい
母親らを全国から組織したそうです。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

2021年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
いよいよ年の瀬。2021年をデザインで振り返ります。
今年はGOOD DESIGN EXHIBITION 2021のレポートの最終回と兼ねてお伝えします。

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今年の横浜の始まりは新型コロナウイルス第三波、
2度目の緊急事態宣言に見舞われました。

ワクチンを接種した方も多いですが、
接種会場内の案内をするサインシステムも
グッドデザイン・ベスト100のひとつに選ばれました。

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千葉大学デザイン・リサーチ・インスティテュートの
コロナワクチン接種ウェイファインディングシステム」です。
http://covid19wayfinding.jp

数字や色による案内はわかりやすいです。

ひらがなや英語などがあると、
日本語が苦手な人にもさらにわかりやすかったかもしれません。

また、今年は東京オリンピック・パラリンピックで
多くの外国人が訪れるはずでした。

下は日本デザインセンターが制作した
日本への観光客向けのピクトグラム
EXPERIENCE JAPAN PICTOGRAMS」です。

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ダウンロード後の使いやすさはいまひとつですが、
280個のピクトグラムは丁寧に作られていて
商用利用も含め無料配布はすごいです。
その点も含めて評価されたかもしれません。

また、半導体不足で台湾への注目も高まった年でした。

グッドデザイン・ベスト100でも台湾デザインが
少なくとも6つはあり、躍進が目立ちました。

TG Tableware Series
https://www.g-mark.org/award/describe/51648

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Book & Host Project for Migrants
https://www.g-mark.org/award/describe/52973

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Taitung Slow Food Festival
https://www.g-mark.org/award/describe/52911

AROMASE
https://www.g-mark.org/award/describe/51483

EMU3000
https://www.g-mark.org/award/describe/52345

The best sustainability-oriented organizational adaptation to climate change
https://www.g-mark.org/award/describe/52956

1608件が受賞した今年のグッドデザイン賞のうち台湾の受賞は85件です。
台湾のデザインには来年以降も注目したいです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021とは別ですが、
2020年グッドデザイン大賞を受賞した
自律分散型水循環システム「WOTA BOX」に関連したのか
会場である東京ミッドタウンに
WOTAの「WOSH」がありました。

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水循環型手洗いスタンドで
UVによるスマホ除菌機能もあります。

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光っている箇所にスマートフォンを横に置くと、
スマホが取り込まれて除菌してくれます。
私も手洗いしながら体験しました。

最後に、コロナで巣ごもりの状況が続きますから、
明るく、華やかなデザインが好まれる傾向は来年も続きそうに思います。

来週は2021年をブランドで振り返るです。

2021年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は2021年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を紹介します。

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GOOD DESIGN EXHIBITION 2021のレポートの続きは
来週の「2021年をデザインで振り返る」と兼ねてお伝えします。

GOOD DESIGN EXHIBITIONでは
展示されていませんでしたが、
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞も
私は革新をもたらして新定番となった
デザインの再評価として注目しています。

10年以上継続的に提供されているデザインが対象です。

QRコード(デンソーウェーブ)
ザ・グリーンファン(バルミューダ)
焚火台(スノーピーク)
横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市)
放送大学(放送大学学園)
めいぼく椀(薗部産業)

など、今年は22件が受賞しました。

なくなってしまうと困るようなデザインばかりですね。
暮らしを豊かにしてきました。

それぞれの評価ポイントは下のリンクをご覧ください。
https://www.g-mark.org/activity/2021/longlife.html

2021年度のロングライフデザイン賞受賞展は
「ロングライフデザイン賞2021 もののまわり」として、
2021年12月23日から2022年1月19日まで
グッドデザイン丸の内で開催されるそうです。

今年も残り2週間。
来週、再来週は「2021年をデザインで振り返る」と
「2021年をブランドで振り返る」を書きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021(4)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2021のレポートの続きです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021は
新型コロナウイルスの影響で入場は事前登録制で、
規模を縮小しているので来場者も少なめでした。

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今日は、もしものときに役立つデザインと
地球温暖化、脱プラに関するデザインをご紹介します。

まず、下の写真はなんだかわかりますか?

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これは株式会社ユニオンの「ラピッドレスキュー」という担架です。
壁に収納されているんです。
グッドフォーカス賞「防災・復興デザイン」も受賞しました。

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担架は大きくて収納に困るので、
倉庫などにあることが多いそうです。

いざという時に持ち出すのに時間がかかってしまう問題がありました。

このようなデザインで広く使われるようになると、
人命救助に貢献するのではないでしょうか。

次は心肺蘇生訓練キット「CPRトレーニングボトル」です。

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サントリー 天然水の空のペットボトルと
紙のシートを使ったCPR(心肺蘇生)訓練キットです。

胸を押すのに必要な力は、
空のペットボトルを押す力とほとんど同じなんだそうです。

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訓練用の人形は高価ですが、
このキットと動画があれば自宅でも家族で学べます。

動画は下のリンクからご覧ください。
https://youtu.be/8BS3VD0XCJQ

下の写真は、株式会社ドリームの
クッション型多機能寝袋「SONAENO」です。

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普段はクッションとして、災害時に寝袋になります。

防災のプロと共同開発し、
着替えスペースの確保にも役立つようにしています。

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寝顔を隠せる大きいフードや、
内側につけた貴重品ポケットによる盗難対策は
特に女性に喜ばれるでしょう。

ここからは平均気温が上昇して猛暑が増えた
日本に合うデザインです。

富士通のウェアラブルエアコン「コモドギア」です。
https://www.fujitsu-general.com/jp/products/neck-gear/index.html

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頸動脈を通る血液を冷却するそうです。
どれくらい涼しく感じるのか試してみたいですね。

もうひとつが脱プラスチックのデザイン、
貝印の「紙カミソリ」です。

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ホルダを紙にしています。ヘッドと刃は金属です。
折り曲げて組み立てて使います。

剃り心地など使い勝手が私は不安ですが、
良い挑戦として評価されたと思います。

レポートは次回も続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2021のレポートの続きです。

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グッドデザイン・ベスト100から良いと思ったデザインをご紹介します。

川上産業株式会社の「スパスパ」です。

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手できれいに簡単に切れる緩衝材です。
グッドフォーカス賞「技術・伝承デザイン」中小企業庁長官賞も受賞しています。

通信販売が増える中で梱包作業が早くなるメリットは大きいですね。

下の写真は有限会社樽冨かまたの「ぬか櫃(ひつ)」です。」

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こちらもグッドフォーカス賞「技術・伝承デザイン」中小企業庁長官賞を受賞しています。

ぬか床を入れる杉桶が昔からありますが、
ぬか櫃は次のように進化しています。

・深さ12cmで夏は冷蔵庫にも入れやすい
・楕円できゅうりや茄子などの野菜を寝かせて漬けやすい
・拭き漆によって指で拭きやすく、抗菌作用でカビが生えにくい

丁寧なデザインとものづくりが評価されたのではないでしょうか。

次は高田松原津波復興祈念公園です。

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東日本大震災の国営追悼祈念施設です。

追悼・祈念施設から祈りの軸方向を眺めた景色は厳粛で美しいです。
グッドフォーカス賞「防災・復興デザイン」を受賞しています。

公園には岩手県東日本大震災津波伝承館や道の駅「高田松原」も含まれます。

次にご紹介するのはロッテの「ゆったりバニラ」です。

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老人ホームなど、配膳や食事に時間がかかる場所では
溶けてしまうアイスは敬遠されていたそうです。

溶けにくいアイスは喜ばれますね。

下の写真はエプソンの「測色機」です。

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コンパクトで高精度なんだそうです。
色合わせがしやすくなります。

本日の最後は、中国のKanDao Technologyの
ドローンに取り付けられる12Kカメラ
「kandao Obsidian Pro」です。

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フォーカス距離と絞りを電子制御で調整できる
初めての360度カメラだそうです。

展示では撮影した映像が流れていましたが、きれいでした。

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レポートは次回も続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2021のレポートの続きです。

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今日は子ども向けのデザインをご紹介します。

便利と思った商品が、
メテオAPAC株式会社の「スマートキッズベルト」です。
https://www.meteorapac.jp/carcare/smartkidsbelt/

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このスマートキッズベルトをシートベルトにつければ、
チャイルドシートと同じように
子どものシートベルトになります。

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ポーランドで作られた商品のようですが、
日本の警察でも認められていて使用できます。

チャイルドシートは場所をとりますし、
タクシーや人の車に乗る機会にあると便利です。

次は「NAVITIME for Baby」です。

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ナビタイムは移動ナビゲーションシステムですが、
この「NAVITIME for Baby」は
「ベビーカー」「抱っこひも」「一緒に歩く」
にあわせた最適なルートを提示します。

授乳室やおむつ替え場所の情報も提供してくれます。

また、電車で開くドアの方向を教えてくれます。
開かない方のドアにベビーカーを寄せやすいです。

これらを無料で提供していることに驚きました。
ナビタイムは、かゆい所に手が届くサービスとして進化していますね。

次はグッドデザイン金賞を受賞した「POCKIT GO」です。

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中国企業の商品で日本では販売されていないようです。

重さ7kgで「370mm×345mm×180mm」のサイズに
折りたためる超小型のベビーカーです。

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新幹線や航空機の利用時にはとても便利ですね。
マグネシウムを使い強度にも気を配っています。

今日、最後にご紹介する商品は子ども以外の方にも喜ばれる商品です。

大栗紙工株式会社の「まほらノート」です。

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光の反射を抑え、罫線を識別しやすくし、
シンプルなデザインにしたノートです。

発達障害のある方の
「紙からの反射が眩しくて文字が書きにくい」
「罫線以外の情報が気になって集中できない」などの
声を聞いて商品開発しています。

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企画の初期段階から発達障害当事者を巻き込んだ
インクルーシブデザインを実践した点も評価されています。

こうしたデザインを見ると幸せな気持ちになります。

良いデザインは、キッズデザイン賞とグッドデザイン賞の両方できちんと評価されてほしいです。
レポートは次回以降も続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2021(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2021へ行ってきました。

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東京ミッドタウンデザインハブにて開催されています。

2021年度グッドデザイン賞は、
過去最多となった5,835件の審査対象の中から
1,608件が受賞しました。

その中でさらに「グッドデザイン・ベスト100」に
選ばれたデザインが展示されています。

入場無料ですが今年度は事前登録が必要です。
目に留まったデザインをこれから数週にかけてご紹介します。

2021年度の「グッドデザイン大賞」は
株式会社オリィ研究所の「遠隔勤務来店が可能な『分身ロボットカフェDAWN ver.β』と分身ロボットOriHime」になりました。
https://www.g-mark.org/award/describe/52931

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「分身ロボットカフェDAWN(ドーン)」は、
ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が、
分身ロボット「オリヒメ」「オリヒメ-D」を
遠隔操作しサービススタッフとして働く実験カフェです。
日本橋にあるそうです。

オリヒメはカメラとマイクとスピーカーを内蔵し、
ネットを使って遠隔操作、ジェスチャーや会話ができる
全長約20cmの分身ロボットです。

オリヒメディーは接客やものを運ぶなど、
移動も可能な全長約120cmの分身ロボットです。

「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は、
「動けないが働きたい」外出困難者たちが
社会参加しやすくなることを目指しています。

カフェにいずれ伺いたいですが、今日は
JDNのインタビュー記事をご紹介します。
https://www.japandesign.ne.jp/interview/orylabo-dawn-1/

単にロボットを使っているだけでなく、
店の運営や仕組みづくり、人づくりまでも見事だと思いました。

日本から世界へ、未来が明るいことを示しているデザインです。
大賞にふさわしいですね。

次にご紹介するのは、グッドデザイン金賞に選ばれた
株式会社ミヤゲンの「easy脱着ガウン」です。

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新型コロナウイルス感染拡大によって、
防護服が不足し、使いまわすことが起きました。

防護服の上からも簡単に着脱できるガウンで、
背面で結ぶタイプの従来のガウンと異なり、
被るだけ着られ、背中のミシン目で脱ぎやすくもなっています。

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次もグッドデザイン金賞となった
スズキの「KUPO」(クーポ)です。

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電動車いすですが「乗車モード」だけでなく、
「歩行モード」があり、手押し車のように使えます。

電動車いすは便利ですが、ユーザの
「自らの足で歩きたい、いつまでも健康でいたい、
寝たきりの状態は何よりも怖い」という声を受け止め、
歩くことを支援しながら、歩き疲れたら電動車いすになる
よいデザインと思います。

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ワンタッチで簡単に切り替えられるそうです。
発売はこれからのようです。動くところを見てみたいですね。

ご紹介は次回以降にも続きます。