GOOD DESIGN EXHIBITION 2016(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

3週ほど間が空きましたが、
GOOD DESIGN EXHIBITION 2016のレポート続編です。
私が良いと思ったデザインをご紹介します。

まずは「東京防災」です。

GDE201605.jpg

東京都が発行した防災のガイドブックです。
300ページ以上もあります。

内容はいたって真面目ですが、
イラストが多く、漫画も取り入れるなど、
読みやすさに配慮しています。

多くの人に読んでもらわなければ意味がないので、
このような努力は素直に評価したいです。

ホームページ上でも内容は公開されています。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/20p8l300.htm

都外の人でも電子書籍で無料でダウンロードできます。

あらかじめ読んでおいて、
いざというときに再度見返すと役に立ちます。

次は「ジャックオーランタン型のゴミ袋」です。
グッドデザイン特別賞(地域づくり)を受賞しました。

GDE201606.jpg

ハロウィンに六本木や渋谷に大量のゴミが発生しますが、
そのゴミ拾いを促すデザインと言えます。

このゴミ袋の裏面には、燃える、燃えないなどの
見分けがつくようになっているのですが、
オレンジにこだわらずに黄色や紫、黒などを使って、
ごみ収集のしやすさまで踏み込んでも良いと思いました。

本日の最後のご紹介は
株式会社ミヤゲンの「キャリーカップ」です。
グッドデザイン特別賞(ものづくり)を受賞しました。

GDE201607.jpg

さまざまな大きさのカップを持ち運べるレジ袋です。

今までは紙製カップホルダーを使い、
ホルダーごと袋にいれて運ぶことが多かったですが、
資材の削減を考えると、この袋は優れています。

袋にカップを入れると、
アジャストシールが必要な分だけ剥がれて、
ぴったりはまります。

以下のwebサイトを見るとわかりやすいでしょう。
http://miyagen8.co.jp/ja/products/chemical-products/carrycup/

1個用と2個用の袋があります。
コンビニコーヒーがこれだけ売れていますから、
需要はあるでしょう。

他にもご紹介したいデザインがあります。
また後日に。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2016

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2016のレポートです。

GDE201601.jpg

今年のグッドデザイン賞を受賞した
デザインなどが展示されていました。

東京ミッドタウンと渋谷ヒカリエで
10月28日から11月3日まで開催されました。

4085件の審査件数の中から1229件が
グッドデザイン賞に選ばれています。

グッドデザイン・ベスト100の会場には
たくさんの来場者がいました。

GDE201602.jpg

今年のグッドデザイン大賞は
「オーサグラフ世界地図」が選ばれました。

authagraph01.jpg

長方形でありながら、面積や形の歪みをおさえた
地球の全体像を示す四角い世界地図です。

丸い地球を陸地を切らずに
長方形の平面にする難しさは
数学や文化の深い知見があったからこそ
成し遂げられたのでしょう。

authagraph02.jpg

球からいきなり平面にするのではなく、
途中に一度、正四面体にすることが
ポイントなんだそうです。

授賞式の記者発表で、
受賞した鳴川肇さんが話していました。

GDE201603.jpg

新しいものの見方を提示されたように思います。
大賞にふさわしいデザインです。

もうひとつ私がとても気に入ったデザインは
ノバルス株式会社の「MaBeee」(マビー)です。

GDE201604.jpg

「MaBeee」は、乾電池で動く製品を、
スマートフォンで
コントロールできるようにする製品です。

単3電池を入れるところに「MaBeee」を入れます。

「MaBeee」には、市販の単4電池を入れ、単4電池を
単3電池として使えるアダプターのような形状ですが、
電池の出力をBluetoothで通信した
スマートフォン経由でコントロールできます。

電気を流したり、止めたりできるのです。

電池で動くおもちゃなどの遊び方が広がる製品です。
希望が広がる、楽しいデザインです。
グッドデザイン金賞を受賞しています。

他にもご紹介したいデザインがあります。
後日あらためてレポートします。

GOOD DESIGN MARUNOUCHI

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は「GOOD DESIGN MARUNOUCHI」のご紹介です。

gd_marunouchi01.jpg

日本デザイン振興会が
デザインの展示や小さいイベントを開催する場所として、
昨年10月29日に開館しました。

有楽町駅近く、丸の内仲通りにあります。

六本木のデザインハブほど大きくありませんが、
丸の内仲通りの1階なので人通りの多いところです。

デザインにそれほど関心をもっていない人でも
立ち寄りやすく、情報発信・交流に適した場所だと思います。

gd_marunouchi02.jpg

基本的に販売をする店ではないので、
日本や東京のお土産を買うことは
期待しない方がよいと思います。

小さい場所ですが、密度の濃い交流ができるような
イベントの企画力が問われそうです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015(5)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2015のレポート最終回です。

成田国際空港 第3旅客ターミナルビル

第3旅客ターミナル.jpg

LCC(ローコストキャリア)専用のターミナルです。

建設予算を半分にするため、
動く歩道も内照式の看板もありません。

陸上のトラックと同じ路面にして、
歩きやすく、誘導しやすくています。

上を歩きたく、走りたくなりませんか?
足取りが軽くなると思います。

スーツケースを転がす音も静かだと思います。
仮眠にも使えるソファも採用しています。

私はお客様によく
「お金をかけずに知恵を絞ろう」と話しますが、
節約しながら明るい気持ちになれるデザインです。

私が大好きなデザインです。

グッドデザインベスト100のご紹介は以上ですが、
私がその他に目に留まったものをお伝えします。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015の別会場にあった
「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」の展示と
D&DEPARTMENT PROJECTによる「Gマーク・ショップ」です。

lld001.jpg
lld002.jpg

入店者はとても多かったです。

最後に2015年の話題となった「ドローン」も
グッドデザイン賞の受賞の中にありました。
(BEST100ではありません。)

ドローン.jpg

受賞デザインは外国企業の製品のようです。

私は蜘蛛みたいで少し不気味に感じるので、
温かみや優しさのある外観だと嬉しいです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015(4)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2015のレポート第4回です。

グッドデザインBEST100から、
事業の新しさが目立ったデザインをご紹介します。

最初にご紹介するのは
freeeの「会社設立freee」です。
https://www.freee.co.jp/launch/

会社設立freee.jpg

webサイトでの質問項目を埋めていくと
株式会社と合同会社の
設立に必要な書類を無料で作成してくれます。

私も試してみました。

細かいことや難しいことを省いて、
簡素に設計されています。

知識がある方には、
もの足りないところもあるでしょうが、
多くの人にとっては、むしろ親切でしょう。

家電のリモコンのボタンを
あえて少なくすることで
迷わなくなることと同じです。

無料でどうやってビジネスにしているのか
興味をもたれる方も多いと思います。

司法書士や印鑑制作の事業者への紹介手数料も
あるかもしれませんが、
基本的には、同社が運営している
クラウド会計ソフトの利用につなげることが
狙いだと思われます。

ただし、会社設立freeeのホームページを見ると、
0円、最短5分で会社が設立できそうに見えますが、

会社設立には登録免許税が必要ですし、
知識とスキルがないと
5分では難しいので注意してください。

次は、株式会社kedamaの「シェアビレッジ」です。
http://sharevillage.jp/

秋田県の茅ぶき古民家の
維持、再生の事業です。

シェアビレッジ01.jpg

「年貢」と呼ばれる年会費3000円を
支払うと「村民」になれます。

自分の好きなときに自分の村へ行き、
田舎体験ができたり、
村民同士の交流ができたりします。

別に料金がかかりますが宿泊もできます。

人が呼び込み、交流することで、
消滅の危機にある古民家が再生されます。

シェアビレッジ02.jpg

「年貢を納めて村民になろう」の
キャッチコピーは秀逸です。

言葉選びにも遊びが効いています。

年に一度の村祭りを「一揆」、
村民同士が村を訪れるツアーを「里帰」、
と呼んでいます。

この楽しそうな雰囲気が、
この事業の大きな魅力になっていると思います。

都会育ちで、農村に田舎を持たない人の中には
魅力を感じる人もいるでしょうね。

最後はクラウドワークスです。
クラウドソーシングの大手です。

クラウドワークスgde01.jpg

当ブログでも昨年ご紹介しましたので、
今日は詳細は省きますが、
グッドデザインベスト100に選ばれています。

2015年4月3日「クラウドソーシングの発注例
http://brand-design.seesaa.net/article/416703254.html

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2015のレポート第3回です。

グッドデザインBEST100から、
私が特に気に入ったデザインをご紹介します。

最初にご紹介するのは、
小野金物卸商業協同組合の「播州刃物」です。
http://kanamono.onocci.or.jp

播州刃物01.jpg
播州刃物02.jpg

兵庫県小野市の鍛冶屋のブランディングと
利益率の向上によって、後継者を確保して
事業が未来へ続けていこうと取り組んでいます。

商品価値、価格、ブランド、デザインの見直しを
グループで取り組めているのは素晴らしいです。

ひとつにまとまって
新たな行動を起こすのは難しいので、
うまく働きかけた方は本当に素晴らしいですし、
結果が出ていることも賞賛したいです。

次はTenon合同会社の「STチェア」です。
http://www.small-axe.jp/

stチェア.jpg

牛皮を使用し、座り心地を追求した上で
10脚まで重ねて収納できます。

重さ2.7kgと、かなり軽い椅子です。
美しさもあり、木工技術の高さを感じます。

パナソニックのロボット掃除機「ルーロー」です。

ルーロー01.jpg

ルーローの三角形の形状にすることで、
隅まで掃除できるそうです。見事ですね。

ルーロー02.jpg

今日の最後はバルミューダの「The Toaster」です。
http://www.balmuda.com/jp/toaster/

バルミューダトースター01.jpg

小さじ1杯の水を入れて、スチームをおこして
パンの内部に水分を含んだふっくらとしたトーストが
できるそうです。

こちらも見事です。
現在は生産が追いつかないほどの売れ行きだそうです。

高級な電気炊飯器が売れて話題になったのは、
10年近く前になると思います。

それから大手の電機メーカーは
高級炊飯器を競って発売していますが、
トースターはそれほど進化していませんでした。

一方でバルミューダの着眼点は素晴らしいです。

実際に食べていないので、
製品の魅力は伝えられませんが、
デザインと技術革新への意欲を感じました。

日本の大手電気メーカーが
家電市場で苦戦している
背景のひとつかもしれません。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今朝の横浜は大雨です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2015のレポート第2回です。

グッドデザインBEST100から、
私が特に気に入ったデザインをご紹介します。

最初にご紹介するのは
exiii(イクシー)株式会社の電動義手「HACKberry」です。
http://www.exiii.jp/hackberry.html

gde2015008.jpg

電動義手は手のない人が
残された腕の筋肉を使って操作します。

電動義手は、価格が高く、
機能、デザイン面での選択肢も少ないため、
あまり普及していませんでした。

gde2015009.jpg

そこで開発を促すため、設計データを
世界中の開発者・デザイナーに無償提供して、
機能やデザインが増えていく仕組みを作っています。

オープンソースと3Dプリンターの活用で
製造コストを約9割減らしたそうです。

次は、デンソーの「iArmS」です。
http://www.denso.co.jp/ja/news/newsreleases/2015/150427-01.html

外科手術の執刀医の負担軽減をはかる肘置きです。

gde2015010.jpg

腕を動かすときにはうまく追従し、
固定したいときには支えてくれる仕組みです。

私も操作を体験しました。
装置価格は約1000万円なので貴重な体験です(笑)

慣れると使いやすく、
細かい作業をしやすくなります。

昨年のデンソーウェーブの産業用ロボットに続いて、
デンソーのロボット技術・デザインの力を感じます。

次はクリナップの「流レールシンク」です。

使いながら流し台のゴミが
まとまって流れやすい流し台です。

gde2015011.jpg

流し台の清掃の時間短縮と節水になります。

この商品は動画での説明がわかりやすいですね。

新クリンレディ「流レールシンク」紹介


いままでの一般的な流し台の問題点として、
水が蛇口から落ちてくると、手前に流れる水もあって、
傾斜の上にゴミが残されてしまうことを
説明されていて、なるほどと思いました。

波で海岸に海草が打ち上げられているのと同じです。

作業するのは手前側が多いわけですし、
左右にも傾斜をつけている、
今回の形は理にかなっていますね。

本日、最後にご紹介するのは、
美津和タイガーの「レボルタイガー」です。
http://mitsuwa-tiger.com/

グリップが楕円形で、
底部に角度がある野球のバットです。

gde2015012.jpg

人間工学の観点で設計したそうで、
手への衝撃を緩和するため、
怪我をしにくくなるそうです。

固定観念を取り払ったデザインです。

全日本軟式野球連盟などから公認を受けるなど、
企業努力も感じられます。

バットコントロールやスイングスピードにも
プラスに働くそうなので、
近い将来にイチロー選手のような打率の
バッターがたくさん出てくるかもしれません。

デザインで世の中が
どんどん豊かになっていくのを感じませんか?

人々の幸せを作り出している企業やデザインは
素晴らしいですね。

他にもたくさんご紹介したいデザインがあります。
また日を改めてお伝えします。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2015(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2015のレポートです。

gde2015001.jpg

2015年度のグッドデザイン賞受賞展です。
10月30日から11月4日まで
東京ミッドタウンで開催されました。

写真は「BEST100」の会場です。

gde2015002.jpg

今年のグッドデザイン賞は、
「グッドデザイン賞から見えてくる12の未来」
と題して、デザインが目指すものを
切り口にした展示がされていました。

グッドデザイン大賞は、
WHILL(ウィル)株式会社の「WHILL Model A」です。

gde2015004.jpg

電動車いすのリ・デザインと言えます。

webサイトの動画を見ると軽やかで力強い走りと
意匠の魅力をアピールしています。

機能面でも、
7.5cmの段差も乗り越えられることや、
その場で旋回ができ、
狭い廊下でも曲がりやすい点は優れていますね。

試乗したら、もっと魅力が伝わるかもしれません。

gde2015003.jpg


今朝の日本経済新聞の神奈川版によると、
価格は995,000円、すでに300台を販売しているそうです。
5時間の充電で20kmの走行が可能のようです。

BEST100の展示会場の隣には
インドのデザインマークや、
タイのデザインエクセレンスアワード
の大きな展示もありました。

gde2015005.jpg
gde2015006.jpg

別会場では、メコンデザインセレクションとして、
カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの企業が
日本人デザイナーと商品開発などに取り組んだ成果を
展示していました。

gde2015007.jpg

アジアのデザイン発展に貢献する
ソフトパワーの発揮も良いことですね。

グッドデザイン賞の受賞デザインのうち、
目に留まったものは来週以降ご紹介します。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2014(4)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2014
(グッドデザイン賞受賞展)のレポート最終回です。

JR東日本アプリ」も受賞しました。

gde201408.jpg

これはかなりの優れもので、私もよく使っています。

電車の運行情報が見られるのですが、
京浜東北線のリアルタイム列車位置情報と、
山手線トレインネットを初めて見たときは驚きました。

山手線トレインネットは、リアルタイムで
山手線内で走行している電車の位置がわかり、
それぞれの車両の混雑度合いもわかります。

前の方の車両が空いていることや、
真ん中の車両が混んでいる、といったこともわかります。

どうやって情報を集めているのか、
いつも不思議に思っています。

混雑した電車を避けることができて快適です。
私みたいな人が増えると満員電車も減るでしょう。

グラフィックスもよくできていて、
情報がわかりやすいです。

アプリが無料であることも嬉しいです。

次にご紹介するのは「rinkak」(りんかく)です。

gde201409.jpg

3Dプリンターのデータがあれば製造できるサービスです。

出力を受託するサービスは他にもあるのですが、
扱っている素材が多いです。

フルカラー石膏、ナイロン、ABS、アクリル、ステンレス、
銅、銀、金、プラチナ、チタン、陶器が可能です。

gde201412.jpg

驚きました。3Dプリンターも進化しているようです。

3Dデータを送って、見積もりをもらって製造するのですが、
その先にマーケットプレイスに出品・販売もできます。

単品もしくは少数しか作らないデザイナーやアーティスト、
クリエイターにはチャンスが広がりますね。

東南アジア諸国へのグッドデザインの浸透や連携も
進んでいます。

メコンデザインセレクションという新しい取り組みもありました。

gde201410.jpg

カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナムの21社の
グッドデザイン賞を受賞した製品が展示されていました。
バッグや衣類などが多かったです。

単に表彰して展示するだけでなく、これらの製品・技術・素材に、
さらに日本のデザイナーからのブランディング提案や用途提案を
募り、優れた事業に発展させる取り組みです。

どんな事業になるのか楽しみです。

また、タイのデザインエクセレンスアワードの展示も
行われていました。

gde201411.jpg

こちらは数年前から行われています。
同じ東南アジアでも、タイの工業・技術レベルは高いです。
家具や台所、自転車などの展示が目立ちました。

やはりタイの文化・風土がデザインから感じられ、
こちらも楽しめました。

お互いの国でデザインプロモーションが進むと
文化・産業面でのメリットがありますね。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2014(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日もGOOD DESIGN EXHIBITION 2014
(グッドデザイン賞受賞展)のレポートです。

gde201405.jpg

私が気にいったデザインをご紹介していきます。

パナソニックの「電池がどれでもライト」です。

gde201406.jpg

単1電池から単4電池のどれかひとつを入れるだけで
懐中電灯として使えます。

他の種類の電池はあるのに、
必要な型の電池がないことはよくあるので、
非常時などへの対応力を考えるとよいですね。

写真のモデルは仕組みがわかりやすくするために、
電池の内臓部が透明になっていますが、
実際は写真右のように白く覆われています。

ランタンとしても使用でき、
手ごろな大きさに収まっていて扱いやすいです。

次はソニーのレンズスタイルカメラです。

gde201407.jpg

スマートフォンと一緒に使うデジタルカメラです。

スマートフォン自体のカメラ機能も進化していますが、
暗い所での撮影やズームなどは、
本格的なカメラと性能に差があるようです。

このレンズスタイルカメラは、
スマートフォンに取り付けて撮影することもできますし、
スマートフォンと離して、
スマートフォンをリモコンのようにして撮影することもできます。

撮影画像はスマートフォンで確認できます。

レンズスタイルカメラは、
本格デジカメのモニター液晶部がないものと
考えた方がわかりやすいかもしれません。

本格的なカメラでの撮影画像を、
ネットにすぐにアップできるのも
スマートフォンと連動した良さですね。

カメラのサイズも4タイプあります。
スマートフォンなしでも撮影できるようです。

カメラが趣味で、すぐに外出先からアップしたい人には
魅力的な商品でしょう。

今までにない楽しみ方の可能性を感じさせます。

タブレット端末とこのカメラがあると、
いわば本格的なデジカメとパソコンが一体化するわけで、
私が思いつかない新しい楽しみ方を
ユーザーが見つけるような気がします。

次回のレポートが最終回です。

タートルタクシーのイノベーション_GOOD DESIGN EXHIBITION 2014(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザイン賞受賞展のレポート続編です。

今日は三和交通の「タートルタクシー」に
焦点を当ててご紹介します。
グッドデザイン・未来づくりデザイン賞を受賞しました。

先週ご紹介した「東北食べる通信」と並んで、
私が強く感動したデザインでした。

タートルタクシーは、助手席裏にあるボタンを押すと
いつもよりゆっくり快適な運転を提供するサービスです。

turtletaxi01.jpg

turtletaxi02.jpg

お年寄りや妊婦など、ゆっくりでもいいから安全で
快適に移動したい方々から喜ばれているようです。

電話での予約本数が13%増加しています。

動画をご覧になると、とてもわかりやすいです。
前半の2分40秒の紹介動画だけでもよいです。
動画の質もとても高いです。



タクシー運転手は、乗客から
「急いで」と言われることが多く、
日頃は急いで運転しようと思いがちだそうです。

一方、利用者に調査をしたところ、76%の人が
「ゆっくり運転してほしいと思ったことがある」
と回答しました。

しかし今まで、乗客は「急いでいない」ことを
運転手に伝えることはありませんでした。

タートルタクシーの助手席裏にあるボタンを押す行為は、
今まで潜在的だった「急いでいない」思いを
伝えることを簡単にして、
顧客満足を上げることができるようになりました。


ボタンが押されるとフロントガラスに
「ゆっくり走行中」と表記されたパネルが掲示され、
車外からでもゆっくり走行中であることが伝えられます。

ゆっくり走ると燃費が良くなり、コスト削減になります。
環境にもやさしいです。

さらにタクシーは時間でも料金をもらえるので、
増収にもなりやすいです。

タートルタクシーは従来の視点から脱却し、
顧客の潜在ニーズをつかまえ、
新しい価値を提供しています。

アイデア、リサーチ、ビジョン、ネーミング、
ビジネスの実行、運用、収益改善、環境、
説明動画の質、いずれも素晴らしいです。

素晴らしいイノベーションに、芸術的な美しさを感じました。
世界に広がってほしいです。

次週もGOOD DESIGN EXHIBITION 2014のレポートは続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2014(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日はGOOD DESIGN EXHIBITION 2014
(グッドデザイン賞受賞展)のレポートです。

今年も10月31日から11月4日まで
東京ミッドタウンで開催されました。

gde201401.jpg

素晴らしいデザインをご紹介します。

今年のグッドデザイン大賞は、デンソーウェーブの
「医療医薬用ロボットVS050 SⅡ」です。

gde201402.jpg

クリーンルームなど滅菌環境下での作業を想定した
産業用垂直多関節ロボットです。

滅菌洗浄に耐性があり洗浄が行いやすいロボットです。
関節部断面を正円にして、段差や隙間を消し去っているそうです。

展示会場では、ロボットを実際に動かしており、
多くの人の目をひきつけていました。

デザイン・クリエイティブ情報「JDN」は、
デンソーウェーブの担当者がプレゼンで、
「(クリーンルームという特殊な場所で使うため)
皆さんがこの実物をご覧になるのはこれが最初で最後かもしれません」
と話した、と報じています。

意外と貴重な機会だったみたいで、
それならもっとじっくり見ればよかったと思いました。

このロボットとグッドデザイン大賞を僅差で争ったのが、
NPO法人東北開墾の「東北食べる通信」です。

「東北食べる通信」は、東北の熱心な農家や漁師を
取材した月刊の情報誌です。

タブロイド誌と一緒に、彼らが収穫した食べ物が会員宅に毎月届きます。
会費は月1,980円です。

gde201403.jpg

写真の左上にはホタテ貝が写っています。

会員はFacebookページで、
届いた食べ物を使った料理を見せ合ったり、
生産者と直接コメントを交わしたり、
SNSを通じた交流も楽しめます。

また、追加で食べ物を注文することもできます。

生産者と消費者をつなぎ、交流する仕掛けが素晴らしいですし、
生産者を発掘し、取材する編集者の努力や、
落とし込まれた紙面も素晴らしいです。

東北から他の地方に広がっていくようです。
私は今年のグッドデザイン賞で一番嬉しくなったデザインです。

毎月、産地直送で届いて、
作り手の思いを知ることができるなんて素敵ですよね。

生産者も消費者に声を届けられる機会は望んでいると思います。

似たような仕組みはこれまでもあったかもしれませんが、
このタブロイド誌のデザイン、取材力が
大きな付加価値になっています。

次ももグッドデザイン金賞を受賞した
ヤマハ発動機の電動アシスト車いす 「JWスウィング」です。

電動アシスト自転車の実績があるヤマハが作った
単なるアシスト機能つきより進化した製品です。

gde201404.jpg

付属の専用ソフトで使用者の身体状況や使用環境に合わせて
最適なアシスト力を設定できるほか、
2種類のパラメーターを記憶させてボタンひとつで切り替えられます。

異なる左右の腕力に合わせて設定ができることや、
上り坂やでこぼこ道にあわせて、
ボタンひとつでアシスト力を高められるのはよいですね。

アシスト駆動、バッテリー付きなのに、
折り畳むことができ、軽量化を図っていることも素晴らしいです。

他にもご紹介したいデザインがありました。次回に。

G展2013(2)

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
G展のレポート続編です。
今年は1212件がグッドデザイン賞に選ばれました。

グッドデザイン・ベスト100の中から紹介を続けます。

マスキングカラー
壁などに描いて、乾いた後に簡単に剥がせる水性塗料です。

maskingcolor.jpg

安全に使え、子どもが自由にお絵描きしてもよいですし、
店などの装飾に使えます。

東京ビジネスデザインアワードで提案されていました。

もともとは工業製品の表面保護に使われていた塗料を
デザイナーの小関隆一さんが
新しい切り口で商品提案したものです。

アワードでは、最優秀賞や優秀賞は取れなかったのですが、
私にはデザインの完成度が一番高く感じられ、
一番気に入った商品でした。

STORES.jp
オンラインストアが最短2分で作れるというwebサービスです。

storesjp.jpg

商品が5つまではなら無料です。
無料でもクレジットカード決済機能などが搭載されています。
(購入金額の5%が決済手数料として発生します)

月額980円のプレミアムプランで、
掲載できる商品アイテム数が無制限となり、
メールマガジンやクーポン機能、アクセス解析機能がつきます。

その他、プロカメラマンによる商品撮影サービスや、
商品の保管・発送代行サービスなどが格安で利用できます。

webサイトのデザインの自由度も高く、
ショップオーナーにとって、とても良さそうなサービスです。

開設1年で5万店を超えたようです。

今度、私も試しにサイトを作ってみようかと思っています。
良かったらまた皆様にご紹介しますね。

P.G.C.D. ロシオン エクラ
化粧品のパッケージが評価されました。

pgcd.jpg

美しいガラス瓶と、詰め替えリフィルのパッケージです。

化粧品では容器の美しさも重要な要素ですが、
瓶を使い捨てにするのは環境に悪い意識がありました。

一方で、ユーザーが中身を詰め替えパックで
入れ替えるには衛生面で抵抗があるものでした。

そこで透明な薄いプラスチック製容器に入ったリフィルを
開発し、リフィルごと詰め変えるデザインを新たに開発しました。

使っている途中の状況が美しいのか気になりますし、
外側のガラス瓶も使い続けるうちに、
汚れがに気になるのではないかなど、
いろいろ思ったのですが、新しい試みに拍手を送りたいです。

他にベスト100に入ったデザインには、
グーグルマップ、くまモン、ロケットのイプシロン、
武雄市図書館などがありました。

ベスト100の展示以外の会場をご紹介します。
第2会場はこんな感じです。

Gdai2.jpg

次は第3会場の様子です。

Gdai3.jpg

第3会場で目に留まったのが、
西友の「みなさまのお墨付き」でした。

minasamaosumi.jpg

消費者テストの支持率が70%以上のものだけを商品化した
プライベートブランドです。

支持率も88.2%のように、
それぞれの商品POPに書いてあって面白く、
買う時の参考になります。ロゴも力強くて良いです。

第4会場と第5会場です。

Gdai4.jpg
Gdai5.jpg

第4会場は東芝やニコンなど、
第5会場はヤマハ発動機やトヨタ、ホンダなどの
展示がありました。

数回にわたってレポートすると前回お伝えしましたが、
2回でまとめきって今回で完結にします。

G展2013(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

グッドデザイン賞展「G展」、
GOOD DISIGN EXHIBITION 2013のレポートです。
数回にわたってお届けします。

G展02.jpg

10月30日から11月4日まで東京ミッドタウンで開催されました。
東京ビッグサイトから六本木に移りました。

G展01.jpg

展示スペースが足りないので、第1会場から第5会場に分けて
展示されました。

G展03.jpg

今日はグッドデザイン・ベスト100から、
私が良いと思ったデザインをご紹介します。

陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE
三宅一生さんとリアリティラボがデザインした照明器具です。

G展04.jpg

ペットボトル再生繊維から成る不織布をシェードに使用し、
できるだけ1枚のシートで作成し、
接合部も目立たないようにしています。

職人の溶着技術が可能にしているようです。

シェードは骨組みがないのに堅牢性を維持し、
平らに折りたたむこともできるそうです。

影が美しい照明で、その背景にある思いや技術は芸術です。

トミタディスク
コンクリートや石畳など間から生える雑草を刈る回転刃です。

tomitadisc.jpg

ナイロンコードを使ったナイロンカッターに比べて、
小石などの飛び跳ねが少ないそうです。
手作業での草刈りも負担になっていました。

トミタディスクは刃先を滑らすようにして、
刃を摩耗させながら使用します。

摩耗しても連続的に刃が出てくる仕掛けになっています。
むしろ研がれて切れやすくなるというのだから驚きです。

燕地域の刃物技術が可能にしたデザインです。
素晴らしいです。

楽天スマートペイ
スマートフォンとイヤホンジャックに差し込むカードリーダーが、
クレジットカード決済端末になります。

smartpay.jpg

導入費用や決済手数料などもリーズナブルで、
入金スピードも速く、よくできたサービス、プロダクトです。

楽天スマートペイのデザイナーは佐藤可士和さんです。

セブンカフェの件を取り上げてから、すっかり私に
アンチ佐藤可士和さんのイメージがついているようですが、
そんなことはありません(笑)。

よいと思うものはよい、やや不満であれば改善の余地あり、
と素直に今後も書きます。

Paper glass」(ペーパーグラス)
一目瞭然、薄さ2mmになる老眼鏡です。

ペーパーグラス.jpg

かけた形も美しく、収納しやすいです。
堅牢性や掛け心地もキープしています。

デザイナーは河井謙治さんと景山直恵さんです。

まだ他にも素晴らしいものが沢山ありました。
次回以降、ご紹介します。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2012(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日に続き、GOOD DESIGN EXHIBITION 2012のレポートです。
中小企業に焦点を当ててご紹介します。

株式会社キクイシザースの理美容はさみです。

セラミックシリーズ.jpg

写真では見にくいのですが、
手前の刃がジルコニア(セラミックス)です。白色をしています。
奥の刃は鍛造鋼です。銀色をしています。

セラミックスはよく切れるのですが、
セラミックス同士を合わせると刃がダメになってしまうそうで、
鋼と組み合わせたはさみができあがったそうです。

プロ向けの道具らしい美しさがあり、
よく切れるだけでなく、耐久性も優れているそうです。

職人の技術がもたらすデザインです。

次は、株式会社飛鳥公房の「DONGURI」です。
木のおもちゃです。下の動画をご覧ください。



これも動画では、その良さが半分くらいしか
伝わらないのですが、実際に触って遊ぶと、木の肌触りや
カタコトゆっくり落ちていく音のとりこになってしまいます。

webサイトを見たら、かなりの人気で
注文から1~2か月待ちのようです。

ぬくもりや癒しも感じられる見事なおもちゃです。
手にとって遊ぶ来場者が多かったです。

奈良ブランド開発支援事業は、優れた支援メニューで
パネルだけの展示でしたが、とても興味深かったです。

従来の自治体のブランド支援には、
産地の企業をまるごと支援するものや、
「○○ブランド」として認定してマークをつけるものが多く見られます。

私は有効であると思いますが、その限界も感じていました。

奈良ブランド開発支援は、個々の企業のブランド創出を通じて
奈良ブランドを作り上げていくスタンスで、

・使い手と作り手の双方が愛着を感じる、ロングセラーを目指す製品
・消費者の生活を豊かにし、時代の感性にマッチした製品
といった条件を満たそうとするブランドづくりを支援しています。

個々の想いがやはり重要だと思っていますので、
このような考え方はとても良いですね。

事業を企画したコンセプターだけでなく、
ブランディングアドバイザーも優れているのでしょう。
成果も出ているように思います。

そのひとつが、坪岡林業の「聖山」で吉野杉を使った折敷も
グッドデザイン賞を受賞していました。
形の美しさだけでなく、使い勝手や肌触りも良さそうな一品です。

聖山.jpg

中小企業からは離れますが、
他にスマートフォン向けアプリ「LINE」や、
触覚表現の技術研究なども受賞していました。

デザインの領域は広がっており、受賞デザインからは
日本の技術や文化の一面を再認識できます。

グッドデザイン大賞への投票を来場者がする試みも面白かったです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2012

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日はGOOD DESIGN EXHIBITION 2012のレポートです。
11月23日から25日にかけて東京ビッグサイトで開催されました。

GDE201201.jpg

昨年まで8月に開催されていたグッドデザインエキスポが
リニューアルされたイベントです。

昨年まではグッドデザインの2次審査後に
2次審査のデザインを展示したイベントでしたが、
今年はグッドデザイン賞を受賞したデザインを展示しています。

そのため展示規模・会場は小さくなりましたが、
それでもまともに全部見ようとすると丸一日かかります。
今年も多くの方が来場されていました。

素晴らしいデザインがたくさんありましたが、
私の目に留まったものをいくつかご紹介します。

最も驚いたのはナイキのFuelBandです。
日常のあらゆる運動量を測定できる電子ブレスレットです。

フュエルバンド.jpg

加速度センサーが運動量を本当にどこまで測定できるのか
わかりませんが、歩数やカロリーなどを把握できるようです。

これで本当に高い精度で測定できるなら、
ファッション、形態、重量のデザインはとても優れていて、
生活シーンのデザインが見事にできた製品です。

時計にもなりますし、USBでつないでデータ管理もできるようです。

日本での販売はこれからのようですが、ヒットの予感がします。

次の驚きはYKKのエクセラカーブです。

エクセラカーブ.jpg

百聞は一見しに如かずで、写真で説明は十分だと思います。

日本らしい高度な技術がデザインを支えています。
洋服やバッグのほか、さまざまな利用が見込めそうです。

面白いディスプレイが目を引いたのはトヨタです。

toyotaスペイド.jpg

ポルテとスペイドの展示なのですが、2台の車の間に
鏡を格子状に置いてあり、どの位置から鏡を見ても縞模様の車を
楽しめるディスプレイで、来場者の関心を集めていました。

まだまだたくさんご紹介したいデザインがあります。
続きは明日です。

グッドデザインエキスポ2011(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザインエキスポ2011のレポート最終回です。

デザインの領域は拡大しているのですが、
工業や建築とは違う分野のデザインをご紹介します。

昨年はAKB48がグッドデザイン金賞に選ばれ話題になりました。

これも「会いにいけるアイドル」というコンセプトの
エンターテイメントプロジェクトデザインだそうです。

今年ご紹介するのはタキイ種苗のこどもピーマンです。

こどもピーマン.jpg

苦くなくビタミンCやカロテンが豊富なピーマンです。
品種改良もデザインの領域に入っています。

もうひとつ、音のデザインとして、
ヤマハのスピーチプライバシーシステムをご紹介します。

スピーチプライバシー.jpg

人の話し声を第三者に聞こえにくくするために別の音を
スピーカーから出すシステムです。

医療機関や薬局などの待合室などでの利用を見込んでいます。

単に別の音を流すだけでは、音量を大きくしなくてはならない
のですが、ヤマハの技術で自然な錯乱音をつくり、
小さい音量でも不快にならずに聞こえにくくしています。

105,000円という価格ですが、徐々に広がっていくでしょう。

価格も大切なデザインの要素です。
お客様に受け入れられる価格設定の商品設計は重要です。

従来の価格イメージを壊した商品が
一条工務店の木質耐震シェルターです。

木質耐震シェルター.jpg

木造住宅は耐震性で鉄筋コンクリートより劣ると思いますが、
立て替えたり、木造住宅を補強するのも大変です。

その中で、もし建物が倒壊してしまうような大地震でも
身の安全を守るシェルターです。

小さい部屋のようになっていて、ベッドも2つ入る大きさです。
工期が2日間で価格が25万円というのは素晴らしいです。

お金や工期であきらめている人を救うデザインですよね。

下の写真はマスキングテーププリンターです。
テプラで有名なキングジムが開発しました。

マスキングテーププリンタ.jpg

マスキングテープには手書きしかない、
と思っていたところにこの商品が出ました。

専用のマスキングテープを使うようですが、
商品パッケージなどの封にテープを使っている企業には、
そこに同じように機械で文字が入れられるのは魅力です。

今年最後にご紹介するのは、朝倉染布の超撥水風呂敷です。

撥水ふろしき.jpg

雨などを気にしてビニール袋を使うのではなく、
風呂敷でも大丈夫なことを示す、分かりやすい展示です。

技術がもちろん素晴らしいのですが、実際に水をかける
デモンストレーションやデジタルフォトフレームやパンフレット
を使った展示には見習うべきところが多いです。

さて、このグッドデザインエキスポは今回が最後のようです。

2001年にグッドデザインプレゼンテーションとして始まり、
10年行われてきたのですが、来年からは
秋にグッドデザイン賞受賞展として開催するようです。

グッドデザイン賞の2次審査会場を見られるこのイベントは
新しい商品がたくさん見られて面白かったのですが、
新イベントにも期待しましょう。

グッドデザインエキスポ2011(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザインエキスポ2011のレポート続編です。

今日は使い勝手が特に光るデザインをご紹介します。

最初にご紹介するのはペットボトルキャップです。
「ハートボトルキャップ」と名付けられています。

ハートボトルキャップ.jpg

ハイミランという、柔らかめのプラスチック(堅めのゴム)
のような素材で、キャップに取り付けると、
かなり開けやすくなります。

力が入りにくい方にはうれしい商品です。

次にご紹介するのは「ハンドルステップ」という商品名で、
ご覧の通り、手を握るところがある脚立です。

ハンドルステップ.jpg

私は脚立に上る時に、いつも少し不安になるので、
この商品は安心できますよね。

こちらはマーナの泡立て器です。

マーナ泡立て器.jpg

通常の泡立て器は使用後に洗って拭くのが少し面倒ですが、
この泡立て器はスプーンの形なので、とても楽だと思います。

スプーン型でもしっかり泡が立つよう、
断面などを特別な形にしているそうです。

次は来場者の反響が強かった商品です。
シリコーン製のハンディー洗濯板「コスコ」です。

コスコ.jpg

大きさは亀の子たわしより一回り小さいくらいでしょうか。
旅行時に洗濯するのにとても便利だと思います。

次は日立のプロジェクターです。
近距離からでも大きく写せて、軽いところがすごいです。

日立プロジェクタ.jpg

私は講演でよくプロジェクターを使うのですが、
プロジェクターが会場の真ん中に存在感たっぷりにあります。

お客様や講師がプロジェクターに遠慮しているんですよね。
この商品ならそんな遠慮がなくなりそうです。
存在を主張しないデザインも売れるデザインとして秀逸です。

下の写真はアイリスオーヤマの回転モップです。

回転モップ.jpg

水で洗ったモップを脱水層に差し込むだけで
手動でモップが回転して脱水する仕組みです。

私は手でモップを絞ったり、
中学生の時は足で踏んでローラーで絞っていたのですが、
この製品は、軽くてしかも楽しいので人気が出るでしょう。

最後にグリーンベルの爪切りをご紹介します。

グリーンベル.jpg

写真では伝わらないのですが、右下にある爪のサンプル台紙を
切ってみると、その使い心地のなんとよいこと。見事です。

ステンレス刃物鋼と亜鉛合金で作られているそうですが、
重さのバランスや肌触りが良いです。

プレゼンテーション、展示のうまさも光ります。

次回は優れた展示や、デザイン領域の広がりを感じていただける
内容をお伝えします。

グッドデザインエキスポ2011(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週、グッドデザインエキスポ2011に行ってきました。

GDE2011_1.jpg

東京ビッグサイトで8月26日から28日にかけて開催されました。
私も丸一日費やして見てきました。

私が感じた今年の特徴は次の2点です。

東日本大震災や節電に配慮し、照明を抑えた地味な展示構成だった
スマートフォンやアプリ、iPadに関連したデザインが目立った

GDE2011_2.jpg

GDE2011_3.jpg

また、被災地のデザインを紹介する
「Area Aid Design Project」コーナーもありました。

aiddesign.jpg

今年、私が圧倒されたデザインはサムスンのテレビです。

サムスンテレビ.jpg

かなりの薄型ですが、高級感や存在感があり美しいです。

サムスンテレビ2.jpg

以前からサムスンやLGの展示は目立っていましたが、
今年は日本メーカーよりも強く印象づけられました。

サムスンは世界テレビ販売で首位だそうですが、
デザインも素晴らしいですね。

他にも素晴らしいデザインがたくさんありました。
次回以降ご紹介します。

グッドデザインエキスポ2010(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザインエキスポ2010の視察レポートの続きです。

今年のグッドデザイン賞のトロフィーです。

グッドデザイン2010.jpg

さて、展示されたデザインをご紹介していきましょう。

インパクトのある展示だったのが伊丹産業の「伊丹米」。
http://www.itami-grp.co.jp/beikoku/itami_mai/index.html

「伊丹米」は産地ではなく精米ブランド名のようです。
伊丹以外の産地の米もたくさんあります。

伊丹米.jpg

袋の左手には持ち手となる穴があります。

チャックが付いている機能性や、
稲ワラを袋の素材に使う点はお見事ですね。

誰がデザインしたのかと気になり、
デザイナー名を見ると佐藤可士和氏でした。

ただ、力強いグラフィックは好みが分かれそうです。

先日の情熱大陸で紹介された松丸本舗もありました。
http://www.matsumaru-hompo.jp/

個々の本が持つ知の情報を文脈として捉え、
その連続性を重視した本の並びになっています。

松丸本舗.jpg

新刊・古本・新書、マンガなどが混じって並んでいますし、
著名人の書棚を再現するようなコーナーなどがあります。

思わぬ本との出会いが楽しめそうです。
読書家にはたまらない書店ではないでしょうか。

最後に、財団法人燕三条地場産業振興センターのブースです。
http://www.tsjiba.or.jp/

tsubamesanjo.jpg

デザインコミュニケーションとしてブース出展していました。
燕三条地域のさまざまな企業の商品が並んでいました。

食器や金物以外のデザインもありました。

他のブースは、日本を代表する企業ばかりでしたので、
中小企業のブースは目立ちました。

グッドデザインエキスポにもっと中小企業支援機関も
出て行ってもよいのではないでしょうか。今後に期待です。

会場を1日かけて見て回り、紹介したいデザインは
まだまだあるのですが、今年のレポートはこれで終わりにします。