おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
昨日の「
よいデザインとは」というテーマの
延長線上として、
グッドデザイン賞の2007年度の審査基準と
今年度の2008年の審査理念を紹介します。
以下(財)日本産業デザイン振興会のwebサイトより引用
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グッドデザイン賞の2007年度審査基準
審査基準は、以下の3階層から構成します。
「1.良いデザインであるか」
「2.優れたデザインであるか」
「3.未来を拓くデザインであるか」
「1.良いデザインであるか」に示す10項目について、
一定以上の水準にあると判断される審査対象を
「グッドデザイン賞」の受賞対象とします。
受賞対象については「2. 優れたデザインであるか」、
「3.未来を拓くデザインであるか」に示す言葉を用い、
優れているポイントを明らかにします。
1.良いデザインであるか
グッドデザインに求められる基本的要素
美しさがある
誠実である
独創的である
機能・性能がよい
使いやすさ・親切さがある
安全への配慮がなされている
使用環境への配慮が行き届いている
生活者のニーズに答えている
価値に見合う価格である
魅力が感じられる
2. 優れたデザインであるか
特に優れた点を明らかにするポイント
デザイン
デザインコンセプトが優れている
デザインのプロセス、マネージメントが優れている
斬新な造形表現がなされている
デザインの総合的な完成度に優れている
生活
ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
「ユニバーサルデザイン」を実践している
新しい作法、マナーを提案している
多機能・高機能をわかりやすく伝えている
使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
産業
新技術・新素材をたくみに利用している
システム化による解決を提案している
高い技能を活用している
新しいものづくりを提案している
新しい売り方、提供の仕方を実現している
地域の産業の発展を導いている
社会
人と人の新しいコミュニケーションを提案している
長く使えるデザインがなされている
「エコロジーデザイン」を実践している
調和のとれた景観を提案している
3.未来を拓くデザインであるか
デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント
デザイン
時代をリードする表現が発見されている
次世代のグローバルスタンダードを誘発している
日本的アイデンティティの形成を導いている
生活
生活者の創造性を誘発している
次世代のライフスタイルを創造している
産業
新しい技術を誘発している
技術の人間化を導いている
新産業、新ビジネスの創出に貢献している
社会
社会・文化的な価値を誘発している
社会基盤の拡充に貢献している
持続可能な社会の実現に貢献している
*このポイント以外に審査の段階で新しいポイントが発見される場合もあります。
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私が昨日書いた内容に比べてかなり細かいですよね。
やはり、それだけデザインの価値が
多岐にわたるということでしょう。
そして、2008年度のグッドデザイン賞は、
審査基準から審査理念へと、大きく変わるようです。
そこには、一定の基準を超えたものがグッドデザインではなく、
審査理念に照らして、優れたデザインをグッドデザインとしたい
という考えがあるようです。
再び(財)日本産業デザイン振興会のwebサイトより引用
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2008年度のグッドデザイン賞審査は、近未来の生活者の立場から審査をすることにより、生活者のあるべき時空間を予感させ、デザインを通じて、豊かさと持続可能性に満ちた生活、産業、社会の実現をめざします。
グッドデザイン賞審査委員会は、応募された対象ごとに、下記に記載する「グッドデザイン賞の審査理念」に基づいて審査をおこない、総合的な見地から「グッドデザイン賞受賞対象」を確定します。
グッドデザイン賞の審査理念
人間(HUMANITY) もの・ことづくりへの創発力
本質(HONESTY) 現代社会への洞察力
創造(INNOVATION) 未来を切り開く構想力
魅力(ESTHETICS) 豊かな生活文化への想像力
倫理(ETHICS) 社会・環境への思考力
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2007年度に比べて、審査基準は抽象的になりましたが、
グッドデザイン賞をサプライサイド(生産者)から
生活者視点へ変えていくことを考えているようです。
今年の審査は注目です。
今年度のグッドデザイン賞の応募は5月8日から始まりました。