グッドデザインエキスポ2010(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザインエキスポ2010の視察レポートの続きです。

素敵だなと思ったのが、はなささらの一輪郵便「はなてがみ」です。

はなてがみ.jpg

花を守るパッケージも実用的でありながらおしゃれですし、
数日分の水と栄養剤もきちんと根元につけられています。

オリジナルのひとことメッセージも添えられます。
花束を贈るより、ずっと手軽でいいですよね。

洗練さと温かみが両立したデザインギフトです。

次は経営革新計画の承認を受けた中小企業の商品です。
有限会社バルミューダデザインのグリーンファンです。

グリーンファン.jpg

この扇風機は、羽が内羽と外羽の二重構造になっていて、
風量とその面積が大きい自然風を再現しています。

優しい風が受けられるのが特徴です。

展示会は人が多かったため、近くでしか風を受けられず、
普通の扇風機との違いが分かりにくかったのですが、

雑誌「日経デザイン」にも取り上げられたり、
家電量販店やネット通販で売上を伸ばしているようです。

同社は昨年9月に、この扇風機の開発・販売をテーマに
経営革新計画の承認を受けています。

それまでは照明器具の製造販売が中心だったようですが、
独特のファンの構造・意匠が光る扇風機の新商品を発売しました。

中小企業は安さではなく、デザインで競争すべきだと
私は思っていますので、両社を見ると嬉しいです。

おまけですが、グリーンファンの近くにあった
ダイソンの扇風機も多くの注目を集めていました。

エアマルチプライアー.jpg

次回も目に留まったデザインをご紹介します。

グッドデザインエキスポ2010(1)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。

8月28日にグッドデザインエキスポ2010に行ってきました。
http://www.g-mark.org/expo/2010/

東京ビッグサイトで例年通り開催されました。

GOODDESIGN2010.jpg

金曜日は夜だけ、日曜は日中だけの開催時間ですので、
土曜日28日だけが一日見ることができました。

会場は多くの人で賑わっていましたが、心なしか
昨年の方が少し多かったような気がします。

GDE2010.jpg

今日から数回に分けて、私がよいと思ったデザインを紹介します。

まず、ご紹介するのは三洋電機の「xacti」(ザクティ)
http://jp.sanyo.com/xacti/

xactiのDMX-CA100は、水中でも使用できる
フルハイビジョンムービーカメラです。

xacti_DMX-CA100.jpg

買って使いこなしたわけではありませんが、以下、触った感想です。

女性が自然にしっかり握れる形状で、
ちょうど良い重さがあります。男性も使いやすいです。

他のカメラより長時間撮影しても楽だと思います。

DMX-CA100は、動画だけでなく写真も撮れるのですが、
親指でシャッターを切れるので、
手ぶれも物理的に軽減されるのではないでしょうか。

もちろん、ムービーも写真にも手ぶれ補正機能がついています。

次に、オムロンの「わきぴたセンサ」搭載の電子体温計です。
http://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news2009/0819.html

わきから体温計がずれるとピーッと音が鳴って、
ランプでも教えてくれます。

写真は、親指でしっかり温度計を挟んでいます。
ランプは緑色で温度がどんどん上昇していきます。

わきぴたセンサ.jpg

ずれてしまうと赤いランプに変わり、音も鳴って知らせます。

オムロン電子体温計.jpg

感温部もフラットな形状で、ずれにくくなっています。

私は体温を測っている時に、
ちゃんと測れているか気になることがあります。

ですから人に安心感を与えるこうした商品は好きですね。
デザイナーは柴田文江さんです。いいですね。

今日は大企業の商品を紹介しましたが、
次回は中小企業のデザインをご紹介します。

グッドデザインエキスポ2009

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日はグッドデザインエキスポ2009の訪問レポートです。

GDE2009.jpg

グッドデザインエキスポ2009は、
日本産業デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞
2次審査会の会場を展示会として公開するイベントです。

8月28日から30日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されました。
http://www.g-mark.org/expo/2009/
gooddesignexpo2009.jpg

土曜の夕方から夜にかけて会場にいましたが盛況でした。
3日間を通して4万人の来場があるそうです。

近年と比べて、全体的に少し地味になった感じがします。
展示としては落ち着いた印象です。

日用品から住宅、web、まちづくりまで
幅広い分野のデザイン2000点以上が展示されています。

私が注目したデザインは、
新設されたフロンティアデザイン賞の候補であった
TO-GENKYOの腐る食品表示です。

写真右下に注目してください。

to-genkyo.jpg

砂時計のラベルが食品が発するアンモニアに
反応して青くなる仕組みです。

ラベルが完全に青くなると、
バーコードが読み取れなってしまう点が面白いです。

少し青くなってきたら、値下げ販売することになるのでしょう。

腐る食品表示.jpg

食品偽装に対して、技術と組んで人に寄り添うデザインを見ました。
気持ちがよいデザインですね。

次回はグッドデザインエキスポ2009で
私が最も感心した「eneloop lamp」をご紹介します。

グッドデザインエキスポ2008

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
連日見入ってしまった北京オリンピックも今日で閉幕です。

グッドデザインエキスポ2008に行ってきました。

グッドデザインエキスポのパンフレット
GDE2008-00.jpg
昨年までのグッドデザインプレゼンテーションから
名称が変わりました。

グッドデザインエキスポ2008のホームページ

会期は22日から24日までの3日間で、金曜は夜だけと少し短めです。
今年も会場はにぎわっていました。
GDE2008-01.jpg

すべての展示を1日でじっくり見るのは、ほぼ不可能でしょう。
私も時間の許す限り見てきました。

今年で私が注目した中小企業さんのデザインは、
株式会社ユニカのワンタッチTシャツハンガーです。
GDE2008-02.jpg

写真で伝わればと思いますが、
握ってハンガーの肩の部分を襟から通しやすくしています。
握るのを離すと広がって通常のハンガーになります。

大企業の展示も多くあります。
"踊るスピーカー”ソニーのRollyの出品もありました。
こちらは動画で紹介します。



参考:ソニーのRolly(ローリー)のページ
http://www.sony.jp/products/Consumer/rolly/index.html

今日は16時までで終わってしまいます。
今年行けなかった方も、来年を楽しみにしてください。

グッドデザイン賞の審査基準

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日の「よいデザインとは」というテーマの
延長線上として、

グッドデザイン賞の2007年度の審査基準と
今年度の2008年の審査理念を紹介します。


以下(財)日本産業デザイン振興会のwebサイトより引用

・・・・・

グッドデザイン賞の2007年度審査基準

審査基準は、以下の3階層から構成します。

「1.良いデザインであるか」
「2.優れたデザインであるか」
「3.未来を拓くデザインであるか」

「1.良いデザインであるか」に示す10項目について、
一定以上の水準にあると判断される審査対象を
「グッドデザイン賞」の受賞対象とします。

受賞対象については「2. 優れたデザインであるか」、
「3.未来を拓くデザインであるか」に示す言葉を用い、
優れているポイントを明らかにします。



1.良いデザインであるか
グッドデザインに求められる基本的要素

美しさがある
誠実である
独創的である
機能・性能がよい
使いやすさ・親切さがある
安全への配慮がなされている
使用環境への配慮が行き届いている
生活者のニーズに答えている
価値に見合う価格である
魅力が感じられる


2. 優れたデザインであるか
特に優れた点を明らかにするポイント

デザイン
 デザインコンセプトが優れている
 デザインのプロセス、マネージメントが優れている
 斬新な造形表現がなされている
 デザインの総合的な完成度に優れている

生活
 ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
 「ユニバーサルデザイン」を実践している
 新しい作法、マナーを提案している
 多機能・高機能をわかりやすく伝えている
 使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している

産業
 新技術・新素材をたくみに利用している
 システム化による解決を提案している
 高い技能を活用している
 新しいものづくりを提案している
 新しい売り方、提供の仕方を実現している
 地域の産業の発展を導いている

社会
 人と人の新しいコミュニケーションを提案している
 長く使えるデザインがなされている
 「エコロジーデザイン」を実践している
 調和のとれた景観を提案している
 

3.未来を拓くデザインであるか
 デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント

デザイン
 時代をリードする表現が発見されている
 次世代のグローバルスタンダードを誘発している
 日本的アイデンティティの形成を導いている

生活
 生活者の創造性を誘発している
 次世代のライフスタイルを創造している

産業
 新しい技術を誘発している
 技術の人間化を導いている
 新産業、新ビジネスの創出に貢献している

社会
 社会・文化的な価値を誘発している
 社会基盤の拡充に貢献している
 持続可能な社会の実現に貢献している

*このポイント以外に審査の段階で新しいポイントが発見される場合もあります。

・・・・・

私が昨日書いた内容に比べてかなり細かいですよね。

やはり、それだけデザインの価値が
多岐にわたるということでしょう。



そして、2008年度のグッドデザイン賞は、
審査基準から審査理念へと、大きく変わるようです。

そこには、一定の基準を超えたものがグッドデザインではなく、
審査理念に照らして、優れたデザインをグッドデザインとしたい
という考えがあるようです。


再び(財)日本産業デザイン振興会のwebサイトより引用

・・・・・

2008年度のグッドデザイン賞審査は、近未来の生活者の立場から審査をすることにより、生活者のあるべき時空間を予感させ、デザインを通じて、豊かさと持続可能性に満ちた生活、産業、社会の実現をめざします。

グッドデザイン賞審査委員会は、応募された対象ごとに、下記に記載する「グッドデザイン賞の審査理念」に基づいて審査をおこない、総合的な見地から「グッドデザイン賞受賞対象」を確定します。


グッドデザイン賞の審査理念
人間(HUMANITY) もの・ことづくりへの創発力
本質(HONESTY) 現代社会への洞察力
創造(INNOVATION) 未来を切り開く構想力
魅力(ESTHETICS) 豊かな生活文化への想像力
倫理(ETHICS) 社会・環境への思考力

・・・・・

2007年度に比べて、審査基準は抽象的になりましたが、

グッドデザイン賞をサプライサイド(生産者)から
生活者視点へ変えていくことを考えているようです。


今年の審査は注目です。
今年度のグッドデザイン賞の応募は5月8日から始まりました。


グッドデザインプレゼンテーション2007

グッドデザインプレゼンテーション2007が開催されています。

私は本日、昨年に続き2度目の訪問をしました。

グッドデザインプレゼンテーション2007.jpg

このグッドデザインプレゼンテーションは、
日本産業デザイン振興会が主催しており、
グッドデザイン賞の2次審査の対象となっている
商品1200社、2500点の展示会です。

GDP2007会場.JPG
     多くの人が来場しています。

東京ビッグサイトで行われており、会場はとても広く、
すべてをじっくり見られないのですが、商品を一通り見ました。


日用品から建設機械、住宅、WEBサイトまで
あらゆるデザインがあります。

デザイナー、商品開発担当者、バイヤーは必見です。
一般の方も入場できます。


その中で、私の目を引いたのは、
あっという間に防災用ヘルメットになる、こちらの商品でした。

タタメット.JPG

「タタメット」という名前の商品で、
普段は折りたたんでいて収納しているのですが、
必要な時には、1秒で組み立てられ、繰り返し使えます。

デザイン・構造の良さが光っている商品です。


開催は8月24日~26日、つまり明日までですが、
見に行かれることをお勧めします!


(参考)
グッドデザイン賞のページ
グッドデザイン賞主催者公式ウェブログ