商工会・商工会議所も地域ブランドの主体になれるように

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日から8月ですね。

地域団体商標の制度が本日から改正されました。

地域団体商標は、地名と商品(サービス)の名称等からなる商標
について、一定の地理的な範囲で周知となった場合に、
商標登録を認めたものです。

「長崎カステラ」「関の刃物」「かっぱ橋道具街」の例があります。

ヨコハマ中華街.jpg

写真の「横浜中華街」も地域団体商標登録されています。

特許庁の「地域団体商標2013」によると、
地域団体商標は昨年9月までに551件の登録があります。

昨日までは、出願人になれるのが事業協同組合、
漁業協同組合、農業協同組合などに限られていました。

本日から商工会、商工会議所、NPO法人も出願できるようになりました。

B級グルメをはじめとして商工会などが推進している
ブランドも多いので登録数が増えそうです。

出願においては、事前の地域の事業者の意思統一、
費用の予算化、丁寧な書類準備が求められます。

書面で周知性があることを説明しなくてはいけません。

ここでの周知性とは、
隣接する都道府県に知られている程度を指します。

実際の審査では、以下のような点などを見て、
周知性があるかどうかを審査官が判断しているようです。

・過去3~5年程度の販売量、販売先の地域
・新聞・雑誌等への宣伝・広告活動、取材記事
・出願人やその構成員が商標を使用していることを示すパンフレットや伝票

通常の商標登録と違って準備は簡単ではありませんが、
地域ブランドには大きな武器になります。

ぜひチャレンジしましょう!

特許庁のデザイン・意匠専門家派遣

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は特許庁の知財総合支援窓口で行われている
デザイン・意匠専門家派遣をご紹介します。

特許庁が全国の発明協会などに委託して実施している
知財総合支援窓口」では、特許権や意匠権、商標権などの
知的財産権の相談に無料で応じています。
http://chizai-portal.jp/about/index.html

知財総合支援窓口では、窓口相談だけでは解決が難しい課題は、
弁理士やデザイナーなどの派遣を行っています。

この専門家派遣は、あまりネットでも周知されておらず、
広報も弱いので、特にデザイン分野については、
どのような支援が行われるのか、
一般にはほとんど知られていません。

しかし、特許庁広報誌10・11月号で特集記事が組まれました。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/hiroba/kohoshi_tokkyo.htm

読むと、かなりイメージしやすくなると思います。

専門家が応じるのは相談なので、デザイン制作や
知的財産権の出願書類の作成は依頼できませんが、
無料で専門家が事務所に来てくれるありがたい制度です。

商品開発を行っている中小企業に特にお勧めします。
デザイン開発や意匠出願のタイミングなどの
アドバイスが受けられます。

また、マーケティング戦略や事業展開のヒントが
得られる可能性もあります。

ダメなコンサルティング会社を見抜く技

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

新型インフルエンザへの警戒が必要になっています。
手洗い、うがいなどの基本的な対策はとりましょう。

今朝は早起きしたのでブログを。
前回、ブランドファインの商標登録の話をしました。

商標登録はブランド戦略の基礎です。

ただ、世の中には
「ブランドコンサルティングを行っている」としながらも
商標登録していない会社やコンサルティング事務所があります。

私が出願するときに、いろいろな会社の登録を探してみたのですが、
登録していない企業が結構あることには、びっくりしました。

商標登録していないコンサルティング会社は、
ちゃんとアドバイスできるのか、
商標登録の意義を分かっているのか、大いに疑問です。

私がお客の立場だったら、そんな会社やコンサルタントには
とても怖くてコンサルティングを頼めません。

何をアドバイスしていただけるのでしょうか。

自社はやらないけど人に薦める、
というコンサルタントを私は好きになれないですね。

コンサルティングをする以上、登録すべきだと思います。

そういう私も開業後2ヶ月経って出願しましたが、
これは出願・登録料の値下げを待ったためです。

商標出願・登録の状況は、
IPDL(特許電子図書館)で調べれば、わかります。

ダメなブランドコンサルティング会社を見抜く
簡単な技の一つでしょう。

皆さんはどうお考えですか。

当ブログは実は同業者の方にも多く読まれているようです。
賛成、反論も大いに歓迎です。

ブランドファイン商標登録

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
事務所名の「ブランドファイン」が商標登録されました。

商標登録第5218807号「Brandfine/ブランドファイン」

商標ブランドファイン.jpg

この商標は弁理士のアドバイスなしで自力で出願、登録しました。

発明協会神奈川県支部の出願アドバイザーに助けていただいて、
パソコン電子出願で出願したのが2008年6月2日(月)です。

事務所の開業は4月1日でしたが、出願料が6月に値下がりするのを
知っていたので、それを待って出願しました。

値下げに関しては昨年、当ブログでも記事にしています。

(参考)2008年6月1日「特許・商標料金値下げ」
http://brand-design.seesaa.net/article/98787746.html

私は発明協会にある共同パソコンを使って、特許庁へ出願しました。

パソコンの使用は無料ですし、
出願アドバイザーはとても親切で丁寧に教えてくれました。
本当にありがとうございました。

登録査定の認証・発送日は2009年2月20日で、
その後、登録料を納付して2009年4月3日に登録となりました。

商標は登録から10年間有効で、10年経ったら更新できます。
何度でも更新延長できます。

登録は大丈夫かなと思っていましたが、
登録査定をもらった時は、やはりうれしかったです。

ブランド・デザイン分野で経営コンサルティングを行う以上、
早く取りたかったので、ホッとしています。

これでコンサルティングにも、これまで以上に力が入ります!

無用なトラブルを避けるため、ビジネスを順調に成長させるため、
中小企業も商標登録しておくことを勧めます。

動画で意匠権がわかる

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

前回の撮影禁止の話題について、
良い問題提起だったというお声を頂戴しました。
ありがとうございました。

今日は動画のご紹介です。

2月2日から「意匠権 ものづくりの強い味方」という
動画が特許庁のホームページにアップロードされています。

トップページの一番下の方に
動画への入口(バナー)があります。

特許庁Webサイト
http://www.jpo.go.jp/indexj.htm

もちろん無料で配信されています。

私も動画を観ました。
初めて意匠を学ぶ人には、わかりやすくて良いと思います。
基本編と実践編を合わせて所要時間は約35分です。

意匠権とは工業デザインを保護するための権利です。

優れたデザインを真似されないためには、
取得したいところです。

意匠権を知らない人は結構多いです。

しかし、特許と違ってデザインは真似しやすいです。

どこかで見たデザインが自分の頭の引き出しに記憶されていて、
商品開発の時に悪意なく、他人のデザインを
新たに自分が創作したとして使ってしまう危険性があります。

プロのデザイナーではなく、
一般の方に特に注意してほしいパターンです。

そのまま発売したら、他社の意匠権を侵害してしまった、
そんなことにならないためにも意匠権の基礎知識は持ちましょう。

この動画が役に立つはずです。

特許庁のWebサイトには、他にも商標や地域ブランドの動画が
あります。こちらも役に立ちます。

動くデザインが保護される

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は特許庁が「動くデザイン」を意匠登録する方針である
というニュースについてです。

日本経済新聞の9月20日夕刊に記事が掲載されています。

意匠権は外観を登録してデザインを保護する権利です。

記事によると、携帯電話の画面などに使われる動くデザインは、
現在の審査基準では保護されるかどうか必ずしも
明確ではないが、特許庁は10月にもこの基準を見直して
動くデザインも保護の対象に加える方針である、としています。

どれくらいのものが保護されるのかよくわかりませんが、
過度にアニメーションが登録されると、
社会的に混乱が生じるのではないかと心配です。

現在も画面デザインの一部は保護されるのですが、
新たに認める意匠の例示に注目です。

他企業の登録だらけで、デザインの幅が狭くならないよう、
独占権を与えるのにふさわしい意匠に限って、
登録されることを願います。

例えば、プログレスバー
(パソコンの作業中に作業が何%進んでいるかを表すバー)が
どんどん登録されてしまうことで、

企業ごとにバーの表示がバラバラになり、
そのためユーザが混乱する、
そんなことがないようにしてもらいたいです。

音・におい・味も商標に?

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日の日本経済新聞夕刊に
「音・におい、商標に」という見出しの記事がありました。

特許庁が音やにおい、動きなどの商標登録について検討し、
2010年の法改正を目指している、

と報じています。


まだ検討段階ですが、可能性はあります。

現在、日本では、文字、図形、記号、立体の分野で
登録が認められています。

海外では、音、におい、動きも商標の対象としている
国もあり、改正で日本もルールを合わせるかもしれません。


識別可能な音、におい、動きの基準は難しいと思いますが、

インテルのテレビCMで「intel inside」のバックに流れる
音楽は対象となるかもしれません。


におい、味も対象となると、
かつてフランチャイズ本部にいた私としては、
商標で押さえる項目が増えることが気になります。

そして、それらの商標を押さえる管理の効果はあるのか?

ちょっと判断が難しくなりそうです。


ちなみに、料理レシピを著作権で保護するのは
結構難しいと聞いていますので、
商標登録の要件もかなり厳しくなるのではと予想します。


しかし、今後のブランド戦略上、
音、におい、味も考慮に入れておきたいですね。

特許・商標料金値下げ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

本日から特許・商標料金が引き下げられました。

このニュースは、以前このブログで
日本経済新聞の情報をもとに速報を紹介しましたが、
いよいよ本日から実施されます。

2007年6月28日「商標登録更新料を引き下げへ」
http://brand-design.seesaa.net/article/46169758.html


特に今回の改定では、
特許は長期間保有する人のメリットが大きくなり、
商標関係料金は大幅に引き下げられました。

特許は、第10年以降に
毎年支払う特許料が15%くらい下がっています。


商標も出願料、設定登録料は40%超引き下げ、
更新登録料は3分の1以下になっています!


商標登録出願
改定前 6,000円+区分数×15,000円
改定後 3,400円+区分数× 8,600円

商標設定登録料
改定前  区分数×66,000円
改定後  区分数×37,600円

更新登録料
改定前 区分数×151,000円
改定後 区分数× 48,500円


かなり下がっていますから、商標の出願、更新の件数は
大幅に増えるでしょう。

中小企業のみなさんも
ライバルに取られる前に早めに出願しましょう。

中小企業では、まだ商標登録していない企業も多いのですが、
商標はブランド戦略上とても重要です。
必ず検討しましょう。


詳しい料金等は特許庁のwebサイトをご覧ください。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/puresu/press_ryoukin_61hikisage.htm

コカ・コーラ瓶の立体商標

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日、知的財産高裁はコカ・コーラの瓶を
立体商標として認定し、商標登録を認めなかった特許庁の
審決を取り消しました。

日本コカ・コーラ株式会社によると、

今回の判決は、日本において、
文字や図形が付されていない容器について
初めて立体商標登録を認められたものだそうです。

日本コカ・コーラ株式会社のサイト
http://www.cocacola.co.jp/corporate/news/news_000453.html


立体商標の例に、
不二家のペコちゃんがよく挙げられますが、
容器だけを登録するのは、かなり難しいようです。


今朝の日本経済新聞によると、これまで
サントリーのウイスキー「角瓶」や
ヤクルトの容器は認められなかったそうです。

そのため今回の判決は画期的です。


形状の独自性については、
裁判長は「コーラ飲料の容器として予測可能の範囲内」
と否定したそうですが、

「多くの人が形状だけでコカ・コーラと認識できる」
と認定したそうです。


共同通信(47NEWS)では、
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052901000600.html

判決は、

(1)同じ形状の無色容器を示した原告側の調査で
6-8割の人が商品名を「コカ・コーラ」と回答した

(2)形状に関する歴史やエピソードなどを解説した本が
多く出版されている

(3)同じ特徴を持つ容器の清涼飲料水は流通していない

などを識別能力がある理由として挙げた、と報じています。



日本経済新聞によると、長期間の使用で
他社製品と識別可能になったと認めた例は、
懐中電灯「マグライト」に続いて2例目だそうです。


形だけで多くの人が認識できるまで、
約50年使い続けたことが実を結んだということでしょうか。

約50年のブランドの重みがあって、
それが認められたということですね。


「マグライト」や、立体商標を登録する意義についても、
以前このブログでも取り上げました。参考にしてください。


2007年7月4日「立体商標を認める判決」
http://brand-design.seesaa.net/article/46766703.html

2007年7月7日「意匠だけでなく立体商標も考える」
http://brand-design.seesaa.net/article/47014885.html

著作権の明示

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日の話題は著作権です。

このブログの一番下に、以下の記述を入れました。


Copyright (C) 2007-2008 Tatsuya YAMAGUCHI. All Rights Reserved.


商品やWebサイトなどで、似た表記を一度は
ご覧になったことがあると思います。

この記述は、
「著作権は山口達也にあり、すべての権利をもっています。」
という意味です。2007年は最初の発行年、
2008年は最終更新年を指しています。

(C)は、正式にはCをマルで囲んだマルシーマークを使います。
ここではWebの文字表記の関係で、括弧を使用しています。


日本では著作権は、特許権のような出願・登録などの手続き
を必要とせず、創作時点で自動的に著作者に付与される
(無方式主義という)考え方を採用しています。

そのため上の記述がなくても、
このブログの内容に関する著作権は、私に帰属します。


では、このような記述が生まれた背景とは
どのようなものでしょうか。


実は、かつてアメリカでは、著作権を得るには登録が必要という
考え方をとっていました。

この場合、日本の著作物はアメリカにおいては著作権を
登録しない限り、保護されない事態になってしまいます。

このような事態を解決するために、1952年に万国著作権条約が
制定され、上のような表記をすることで、
著作権登録が必要な国でも、無方式主義の国の著作物が
登録されているものとみなして保護できるようにしたのです。


現在は、アメリカも無方式主義を採用しており、
すでに世界の多くの国が無方式主義をとっているため、
今では上のような記述をする法的な意味は小さいようです。


しかし、著作権の明示をあらためてアピールすることで、
無断コピーなどを防ぐ一定の効果はあるのではないかと思い、
今回、起業するにあたり、記述を加えました。


著作権への意識は大切にしましょう。


なお、この記事を書くのにあたっては、
著作権を所管する文化庁のWebサイト内にある
著作権テキストを参考にしました。


さらに勉強したい方は、文化庁のWebサイトをご覧ください。

小売等役務商標制度

今日は、小売等役務商標制度
(こうりとうえきむしょうひょうせいど)についてです。

ブランドをつくり、まもるためには
知っておいた方がよい知識ですから、勉強しましょう。


この制度は、商標法が改正されて新設された制度です。
平成19年4月1日からスタートしました。

小売等役務商標制度とは、
小売業、卸売業の方々が使用するマークを
サービスマーク(役務商標)として、保護する制度です。


今回の改正により、
商品販売に際して行っている品揃え、陳列、
接客サービスなどの役務について、
商標が登録できるようになったのです。

これまでは、商標の保護が及ばなかった
ショッピングカートや店員の制服などに
使用している商標が保護できるようになります。

以前は、商品商標としての保護対象が、
値札や折込チラシなどに限られていました。


また、もうひとつのメリットがあります。

以前は、広範な商品を扱っている場合では、
保護を受けるために、
複数の商品区分での商標登録が必要でしたが、

4月からは小売サービスというひとつの分野での
登録ができるので、
廉価に権利取得ができるメリットがあります。


この制度は、カタログ、テレビやインターネットを
利用した通信販売も対象となります。


小売等役務商標に関する手数料は、
通常の商標登録と同じで、以下のとおりです。

出願料  21,000円(書面での出願は要追加費用)
登録料  66,000円
更新料  151,000円 


今回の改正で、小売業、卸売業の方は登録しやすくなりました。
まだ登録していない企業は、この機会に検討しましょう。
ブランドづくりにとても有効です。


詳しくは、特許庁のホームページをご覧ください。
(小売等役務商標制度の部屋)
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_kouri_top.htm
(パンフレット)PDFファイル
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pdf/t_kouri_top/02.pdf

意匠権を担保とした融資

今日はデザインを担保とした融資が実行されたという話題です。

日本政策投資銀行が、今年1月31日付のニュースリリースで、
アッシュコンセプトの「アニマルラバーバンド」に
かかる意匠権を担保とする知的財産権担保融資を
実施したことを明らかにしています。

日本政策投資銀行の平成19年1月31日のプレスリリース
http://www.dbj.jp/news/archive/rel2006/0131.html

「アニマルラバーバンド」については、
9月2日の記事でご紹介しました。
動物の形をしたあの輪ゴムです。覚えていますよね。

意匠権を担保とする知的財産権融資は、これが日本で初めてです。

これまで特許権を担保とする知的財産権融資は多くありましたが、
意匠権・デザインに担保価値を見い出した融資は初めてで、
画期的なニュースといえます。

なぜ、これまで行われなかったかというと、
デザインを担保価値として金額算定するのが
難しかったからだと思います。

今回もスケッチとしてのデザインや、商品化までの
デザイン開発の価値だけで融資したわけではないでしょう。

日本政策投資銀行は、以下のように述べています。

・・・・・・・・・・・・・・

アッシュコンセプトの経営方針、ビジネスモデルを高く評価し、
同社に対し、同社の主力製品である「アニマルラバーバンド」の
競争力の源泉であるそのデザイン性に着目し、
「アニマルラバーバンド」にかかる意匠権を担保とする
融資を実施しました。

これまでの「アニマルラバーバンド」の実績、及び
今後生み出していく市場価値を高く評価したものです。

・・・・・・・・・・・・・・

つまり、「アニマルラバーバンド」の実績や、
今後生み出す価値が評価されて融資されているのです。

この一件は、デザインの価値を再確認する
よいきっかけになると思います。

この続きは、また次回に。

ちなみに日本政策投資銀行は、来年民営化される予定です。

立体商標を認める判決(2)

今日は、以前このブログで取り上げた
懐中電灯「ミニマグライト」の立体商標が知的財産高裁の判決で
認められたというニュースに関連した雑誌記事の紹介です。

(このブログの以前の記事)
2007年7月4日「立体商標を認める判決」
2007年7月7日「意匠だけではなく立体商標も考える」


7月24日に発売された雑誌「NIKKEI DESIGN」8月号の
112ページに「弁理士・渡邉知子の知財ショートセミナー」
というコーナーがあり、解説が載っています。


記事では、商品の形状について広告が行われていたことに
着目し、裁判所に評価されたポイントのひとつとして
解説しています。

詳細は、ここでは紹介できませんので、
「NIKKEI DESIGN」をご覧になってください。

独創的なデザインで他のものと識別可能というだけでは、
立体商標登録は難しいようです。

知的財産権の存続期間

意匠権は15年では・・・と、
昨日の記事を見て思った方へ、補足です。

意匠権の存続期間は、登録日から20年になりました。

平成19年4月1日出願したものから長くなっています。
(以前は15年)


参考までに、他の知的財産権の存続期間も書きます。

特許権は、出願日から20年
実用新案権は、出願日から10年
商標権は、登録日から10年(更新は可能)
著作権は、公表から50年

上記は原則です。異なるケースもありますので、
詳しくは、下記ホームページをご参照ください。


知的財産権について(特許庁のホームページ)
http://www.jpo.go.jp/quick/index_tokkyo.htm

特許庁(産業財産権) http://www.jpo.go.jp/indexj.htm
文化庁(著作権)   http://www.bunka.go.jp

意匠だけではなく立体商標も考える

前回は、懐中電灯の形が商標として認められたこと
紹介しました。

今日はそこから、私が考えたことを書きます。


商品の形を保護しようと考えたときに、
意匠権だけでなく、
商標権の取得も考えてみてはどうでしょうか。


といいますのも

意匠権は、登録から20年までですが、
商標権はずっと更新可能という大きな魅力があるからです。


ただし、商標の取得には、その形で
他との識別ができることが必要です。

ですから、形を作ってすぐに登録は無理だと思いますが、
ずっと使用して、世間に認知されていれる形なら、
可能かもしれません。

実務的にはかなり専門的な内容ですから、
関心のある中小企業の経営者の方は
弁理士に相談しましょう。


デザインは意匠、ブランドは商標、
と単純に考えるだけでなく、
応用的な知財戦略も考えてみると、うまくいくかもしれません。






立体商標を認める判決

今日も日本経済新聞の6月28日朝刊を
基にしたニュースです。
前々回の記事「商標登録更新料引き下げへ」
と同じ日の新聞からです)


立体商標も長い期間使用して、
他社と識別可能になれば登録できるという
判決が知的財産高裁で出ました。

詳しく見ていきます。


米国法人の
「マグ インスツルメント インコーポレーテッド」が、
懐中電灯「ミニマグライト」
(参照)http://www.maglite.ne.jp/
の形状を立体商標として
登録を認めなかった特許庁の審決の取り消しを求めた訴訟
の判決が27日あり、

裁判長は
「発売から約20年間、一貫して同一の形状を維持し、
広告などを通じて他者製品と区別されている」
として審決を取り消すよう命じました。


長い期間使用したことで他社製品と識別が可能と認定し、
立体商標を認めた判決は初めてだそうです。


判決は、販売開始以来、デザイン賞を数々受賞している点や、
デザインを強調する広告を展開しているほか、
裁判で類似商品の販売差し止めが認められていること
を指摘し、

裁判長は「自社と他社の商品識別機能を獲得した」
としました。

マグライトは1986年から日本で販売されています。


立体商標は1997年から登録が可能になっています。
代表例は不二家のペコちゃんです。


ただ、お菓子の「ひよ子」は
昨年11月に知財高裁が立体商標の登録を認めず、
最高裁で今年4月に判決が確定しています。

商標の登録での基準となる
「形がよく知られていて、他と識別可能か否か」の
判断は難しいです。

今後も裁判で争われるものがあると思われます。

商標登録更新料を引き下げへ

今日は日本経済新聞からです。

日本経済新聞の本日(6月28日)の朝刊1面トップに
「特許料最大4割下げへ 特許庁方針」
の記事がありました。

速報として取り上げます。


記事によると、

経済産業省・特許庁は来年にも
特許保有者が毎年支払う料金(特許料)を
2~4割引き下げる方針だそうです。

商標権も下げ幅については今後詰めるものの、
引き下げる方針だそうです。

特許は4年ぶり、商標は現行制度が始まった
1997年以来初めての下げだそうです。


特許や商標については、
過去にこのブログで解説いています。

おさらいしたい方は、
「知的財産権」や「目次」のカテゴリの記事から
読んでくださいね。


本題に戻ります。

商標は10年ごとに登録更新料を支払っています。
登録料は1件あたり15万1千円×区分数です。


日経に掲載されている図によると、
特許保有者は、一つの特許に対し平均で17万円弱を、
商標権保有者は、平均約45万円を
支払って維持しています。

商標は約3つの区分を更新している
ということになるでしょうか。


特許料や商標登録更新料が下がると、
中小企業の知財戦略は、もっと活発になりますよね。

ブランド保護も活発になるでしょう。注目です。

団体商標にない地域団体商標のメリット(2)

前回地域団体商標は、従来の商標とは、
まったく考え方が異なると書きました。

これはどういうことでしょうか。

実は、一般の商標では登録できなかったものが、
地域団体商標では登録できるようなっているのです。


ここで、
一般の商標で登録できないものとは何か
勉強しましょう。


一般の商標制度では、
自他商品・役務の識別力を有してなくては登録できません。

そのため、商品の産地や販売地などを
普通に用いるだけでは、登録できません。

例としては、特許庁が次のようなものを挙げています。

行田で作った「足袋」について「行田」
東京銀座で販売している「洋服」について「東京銀座」

そして、時計の商標として「時計」
靴の修理について「靴の修理」
という商標も登録できません。

これは、識別力のない普通名詞や地域名を
そのまま登録しようとしているからで、

商標として誰かに独占させるのは、
ふさわしくないという考え方です。


この考え方を延長すると、
仮に行田で時計を製造している組合が
「行田時計」という商標を登録しようとしても、
通常なら登録は認められないことになります。

(行田時計は私が作った仮想の設定です。)

「行田時計」は、地名や普通名詞の組み合わせで、
一般の人にとって「あの事業者・団体の時計だ」と
識別できるものでもないからです。

しかし、商標を使用した結果、
識別力を有するに至れば、登録は認められることもあります。
例えば「ニッポンハム」がそうです。
また「夕張メロン」、「西陣織」の商標もそうです。

つまり、地域名+商品(サービス)名の場合は、
商標登録に必要な「識別力を有する」と認められるには、
全国的な知名度が必要なのです。

(ここまで一般の商標制度の話)


しかし、地域団体商標は、
複数都道府県に及ぶほどの周知性を獲得すれば、
「長崎カステラ」、「稲城の梨」のように、
地名+商品(サービス)名が登録できるのです。


そして、前回までに登場した
普通の団体商標は、一般の商標と同じ仲間と考えましょう。

したがって、地名+商品(サービス)名を
団体商標制度で登録しようとしても、全国的な知名度
という高いハードルをクリアする必要があります。


(地名+商品(サービス)名の場合)
団体商標は、全国的な知名度が必要だけど、
地域団体商標は、複数都道府県に及ぶほどの周知性でOK。

これは大きなメリットですよね。


基本的なことかもしれませんが、
前回紹介した、あの比較表だけみると忘れがちなポイントです。

(前回紹介した
団体商標と地域団体商標の比較表のあるページ)
http://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/dansho.htm


地域団体商標に、大きなメリットがあることは、
ご理解いただけたでしょうか。

団体商標にない地域団体商標のメリット(1)

前々回は団体商標、前回は地域団体商標を説明しました。

そして、団体商標と地域団体商標の比較をしている
特許庁のページも紹介しました。
(再掲)
http://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/dansho.htm

ところで、上記のページを見て、
こんな風に考えた人はいないでしょうか?

「地域団体商標は、団体商標と比べて
何のメリットがあるの?」


そのように考えた方は、ページにある比較表を
よく見ている人だと思います。

実は、後からできた地域団体商標登録制度が、
団体商標登録制度より、条件が厳しいのです。

比較表を見ると、登録の条件について
地域団体商標では、

登録できる主体が社団ではダメ
構成員の加入自由の担保規定が必要
商標は地域名を入れた文字だけ
商標の範囲も商標に含まれるものだけ
周知性も、地域との密接な関連も必要

という条件がつくのです。(団体商標ではOK)

そうすると、
今ある団体商標よりも条件が厳しい
地域団体商標の制度を作ったのはなぜ?

と思いませんか?


しかし、地域団体商標は、
従来の商標の考え方とは、まったく異なります。

そして、地域団体商標には、
あの比較表には書いていない大きなメリットがあるのです。

それは、どういうことでしょうか?

実は、最も基本的な点にあるのです。
しかし、うっかり忘れがちな点でもあります。

この続きは長くなりますので、また次回。お楽しみに。

地域団体商標制度

今日は地域団体商標制度についてです。

地域団体商標制度とは、

地域の名称及び商品(役務)の名称等からなる商標
について、一定の範囲で周知となった場合には、
事業協同組合等の団体による
地域団体商標の登録を認める制度です。


例えば「長崎カステラ」が地域団体商標で登録されています。


この制度の目的は、
地域ブランドをより適切に保護することにより、
事業者の信用の維持を図り、産業競争力の強化と
地域経済の活性化を支援することです。
(特許庁より)


平成18年4月からスタートし、3月までの1年間で
698件の出願があった話題の制度です。


この制度が始まるまでは、

全国的な知名度があると認められた商標
(夕張メロン、西陣織など)と、
文字に図形等を組み合わせた商標

の2種類が登録されていましたが、

この制度の導入により、
複数の都道府県に及ぶほどの周知性を獲得した
商標も登録できるようになりました。


地域団体商標の登録要件には、以下のものがあります。

1.出願人が事業協同組合などの組合である
2.商標が組合の構成員に使用させるものである
3.商標が使用されており、周知性を獲得している
4.商標が地域の名称と商品・役務の名称等からなる
5.地域が商品(役務)と密接に関連している


そして、特許庁の発表資料を見ると、
47都道府県すべてから、出願があったことがわかります。
(出願件数第1位は京都の131件)

地域ブランド、町おこしに
とても期待されている制度と言えますね。


平成19年5月1日現在では、
192件が登録査定となっています。

登録査定とは、特許庁からの登録OKという
査定のことで、その後登録料が支払われると登録されます。


すでに、関さば(大分県)、黒川温泉(熊本県)などが
登録査定を受けています。

その他にも、私が知らないものも多く登録査定されています。

これは、全国的な周知性が必要なくなったので、
当然といえるかもしれません。


この制度ができたことで、
私はブランド戦略も変わると予想します。

つまり、複数の都道府県で知られるブランドになれば、
まず地域団体商標を登録して、
先に商標を保護するようになると思います。

商標登録してから、さらに全国へブランド知名度の向上を目指す
という順序で、
ブランドの強化をしていく戦略が一般的になるでしょう。


(参考)特許庁の地域団体商標制度のページ
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm