映画「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)を観ました。

先日、お亡くなりになった樹木希林さんの出演作で、
お茶の世界に興味があり、映画の舞台が横浜でもあったので観ました。
二十歳の女性が茶道を学びながら気づき、大人へと成長していく話です。
とても美しく、清々しい映画でした。
主人公は、世の中には「すぐにわかるもの」と
「すぐわからないもの」の二種類がある、と語ります。
20年以上茶道を学んで、やっと気づくことがあると、
茶道の奥深さが垣間見えました。
樹木希林さんをはじめとした俳優の演技や映像は素晴らしかったです。
映画では、二十四節気にあったお茶のおもてなしや作法、
茶室のしつらえなどが出てきます。
お茶を淹れる、飲むという行為を
文化、芸術の域に昇華させている茶道は
精神の豊かさにあふれています。
映画の原作にも興味を持ち、買って読みました。
「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」
森下典子 新潮文庫

著者の自伝随筆です。著者が茶道から学んだことを語っています。
映画の内容ををさらにかみしめることができました。
映画を見て、エッセイを読んだだけですが、
「日日是好日」、毎日が良い日と感じる感受性や
感謝の気持ちをもって生きる人生は美しいと思います。
私は二十四の季節を味わう幸せが大好きです。
ビジネスの視点から話すと、こうした幸せはプライスレスで、
季節感や文化、芸術には、お金を惜しまない豊かな層もいるのです。
戦国時代には、城をひとつ建てられるような値段で、
ひとつの茶碗が売買されたという話も聞きます。
店づくり、応接室、商品、サービス、SNSに
季節感や文化を取り入れること、
おもてなしの気持ちをもつことは
経営にも良い効果をもたらします。
映画をご覧になって、茶道から学ぶのもよいのではないでしょうか。

私も家で、ささやかに嬉野茶と栗の和菓子で一服しました。
今は霜が降り始める霜降。秋が深まっています。
来週は立冬。冬は間近です。