今日は書籍のご紹介です。

発想する会社!
世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
トム・ケリー 早川書房
今さら紹介するのも、はばかられるくらい、
デザイン思考を学ぶのに欠かせない基本の一冊です。
2002年の出版です。
アメリカのデザインコンサルティング会社である
IDEO(アイディオ)のデザインプロセスを
ゼネラルマネジャーのトム・ケリーが語っています。
先日、日本経済新聞の電子版でも記事になりました。
「日本人よ、創造力を解き放て」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0903H_Z00C14A4000000/
(日経電子版の会員でないと全文を読めません)
IDEOのデザインプロセスは次の5段階を経ます。
理解→観察→視覚化→評価とブラッシュアップ→実現
このデザインプロセスは、
物のデザイン以外の課題解決にも応用されており、
この10年あまり、デザイン思考(Design Thinking)と呼ばれ
注目されてきました。
デザイン思考では、消費者へのインタビューより、
現場の観察を重視しています。
観察の項にある小見出しには以下のような言葉があります。
・左利きの人の身になる
・無茶な使い方をするユーザーにも対応する
・ルールを破る人びとを見つける
これらにイノベーションを見つけるヒントがあるのです。
そして見つけた事象の問題解決に
ブレーンストーミングが使われています。
「IDEOではブレーンストーミングはほとんど宗教みたいなもので、
ほぼ毎日、まるで礼拝のように行なっている。」
と書かれていますから、その実践度は世界最高のレベルでしょう。
有効なブレーンストーミングの進め方も書かれています。
このブレーンストーミングの項だけでも
買う価値のあると思います。
同書には職場風景が多く語られており、
チャレンジングでチームワーク重視、
主体的でありながら自由を尊重する文化が感じられます。
ページ数は多めで、理論的にまとめた感じではないので、
ちょっと冗長さを感じるところもあるのですが、
生の臨場感、現場の雰囲気が残ったIDEOらしい一冊です。
優れたアイデアがほしい企業や、
商品開発する方、クリエイティビティを追求したい方に
お薦めの本です。
手法をそのまま真似するだけでも、
いろいろとアイデアが生まれるはずです。