タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。

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タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略
下矢 一良、同文舘出版

テレビの経済報道番組に自社を取り上げてほしいと考える
中小企業にぜひ読んでいただきたい一冊です。

著者は「ワールドビジネスサテライト」
「ガイアの夜明け」の元ディレクターです。

番組を作る側、取材先を探す側だった方だったので、
どのような中小企業がテレビに出やすいかを
わかりやすく分析してまとめています。

著者は、商品に特別な特徴がなくてもよい、
中小企業はストーリーを発信せよ、といいます。

とても説得力のある内容で面白いです。
ブランド力を上げたい中小企業にお勧めします。

プレスリリースの基本も書いています。

著者は中小企業診断士でもあり、
中小企業の実情にあった提案にまとめられています。

目次(0901~0920)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は目次をお届けします。
気になる記事があったらクリックしてください。

2022年10月28日~2023年2月24日分
記事ナンバーとタイトル

920 目次(0901~0920)

919 Googleビジネスプロフィールにアップする写真の枚数
918 Googleビジネスプロフィールにも動画投稿しよう

917 むさし府中商工会議所のデザイン経営成果報告書

916 かながわPayとレシ活VALUEが終わります。消費者へ伝えましょう!

915 中小企業の動画活用セミナーを小金井市商工会で講演します

914 東京ミッドタウンデザインタッチ2022
913 TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 デザインコンペ

912 横浜市のレシ活VALUEが復活!販売促進しよう

911 謹賀新年2023 189万ページビュー突破!

一年を振り返る毎年恒例の記事です。

910 2022年をブランドで振り返る パーパス経営で大切なこと
909 2022年をデザインで振り返る

904から908は、GOOD DESIGN EXHIBITIONのレポートです。

908 GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(5)
907 GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(4)
906 GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(3)
905 GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(2)
904 GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(1)

901から903は中小企業白書からの引用記事です。

903 経営理念を浸透させるにはなにをしたらよいか
902 デザイン経営に取り組む中小企業は12.2%
901 ブランドの構築・維持に取り組む中小企業は36.8%

900 目次(0881~0900)

Googleビジネスプロフィールにアップする写真の枚数

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

先週、Googleビジネスプロフィールに動画を
投稿しましょうと書きましたが、
写真の投稿枚数も意外と少ない中小企業が多いです。

Googleビジネスプロフィールヘルプでは、
ビジネス用写真について、外観の写真、店内の写真、
商品の写真、サービスの写真、食べ物や飲み物の写真、
チームの写真を、それぞれ少なくとも3枚、
追加することを勧めています。

また、宿泊施設では、
共有エリアは少なくとも1枚、
客室は少なくとも3枚、追加することを勧めています。

GoogleはGoogleマップや検索の魅力を高めるために、
上のような発信をしていると考えられますが、
Googleを利用して売上を伸ばそうとする中小企業は
参考にしてよいでしょう。

この写真の追加が、どの程度MEO(検索順位)に
影響するかはわかりませんが、
Instagramなどに写真を積極的に投稿するなら、
Googleビジネスプロフィールにも投稿しましょう。

業種によっては関係のないところもありますが、
外観や店内を3枚アップしていないお店も多いです。

できるところからコツコツ取り組みましょう。
スマートフォンからも気軽に追加できます。
下の画像、赤で囲んだところから追加できます。

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Googleビジネスプロフィールヘルプ
ビジネス用写真
https://support.google.com/business/answer/6123536

Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
https://support.google.com/business/answer/7091?hl=ja

Googleビジネスプロフィールにも動画投稿しよう

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今朝の横浜は雪です。足下に気を付けてお過ごしください。

さて、今日はGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の話です。
Googleビジネスプロフィールには動画も投稿できます。

例えば、店の外から店に入って
店内をぐるっと撮影する動画をアップすれば、
Googleストリートビュー(Googleインドアビュー)の撮影よりお手軽です。

小さい店ならこの方法でも十分でしょう。

社長やスタッフの動画、商品やサービスの動画なども
アップするとよいと思います。

私は、あいさつの動画と講演冒頭の動画を投稿していますが、
写真よりも注目されるようで、Googleは上に載せています。

左上、私の写真の次にあいさつと講演の動画があります。
GBPmovie2023.jpg

Googleビジネスプロフィールに投稿できる動画には、
次の条件があります。

時間は30秒まで、ファイルサイズは75MBまで、
解像度は720p以上です。

Googleビジネスプロフィールヘルプ
ビジネス プロフィールの写真や動画を管理する
https://support.google.com/business/answer/6103862?hl=ja

また、文章や画像、ロゴを動画に入れるときは、
それらの面積が動画の10%を超えないようにして、
1つの端に表示する必要があります。

Googleビジネスプロフィールヘルプ
写真と動画の要件
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7411351?hl=ja

Googleビジネスプロフィールへの投稿は
いろいろ試したところ、
私のコンサルティングを受けたお客様のアンケート回答文章と、
講演の2つの写真は、不承認で掲載されませんでした。

このGoogleの審査結果の理由は、
はっきりわかりませんが、おそらく、
アンケート回答はお客様が書いたもので
文章だけの画像だったこと、
講演写真は来場されたお客様の後頭部が
たくさん映っていたから、ではないかと思っています。

動画や写真に、
文字や他者がある場合は気を付けましょう。

審査は、意外とよく引っかかって不承認になるので
気になりますが、店舗の外観、商品、サービスの動画は
積極的にアップしましょう。

加工すると不承認になりやすいです。

むさし府中商工会議所のデザイン経営成果報告書

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は、むさし府中商工会議所の
「デザイン経営 成果報告書」の話です。

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報告書をいただく機会があって拝見しました。

webサイトに公開されていないようですので、
細かい内容は記しませんが、
5社のデザイン経営に関する支援事例集です。

デザイナーや中小企業診断士が、
商工会議所の経営指導員とともに
中小企業の経営改善に取り組んでいます。

ミッション(経営理念)の明確化、
店舗のネーミング、外観デザイン、ロゴデザイン、
パッケージデザインなどの提案のほか、

従業員へのブランド浸透(インナーブランディング)
に取り組んだ事例もありました。

私は特に支援を受けた企業の声が興味深かったです。
(支援した内容はなんとなくわかるからかもしれませんが)

・デザイン思考の視点・考え方に初めて触れた

・お客様目線で課題を発見して、
解決策を社員と考える機会がよかった

・ワークショップで他の参加者の意見を知って、
非常に勉強になった

新しいデザインができて良かったではなく、
第三者や顧客の視点で課題を見つける、
従業員と一緒に課題解決を考える、
ことの良さを話しています。

もっとお客様に喜ばれる企業になる、
社員が生き生きと働ける会社になる、
ための課題発見、課題解決に
デザイン経営が活かせることを表していると思います。

報告書は、むさし府中商工会議所に行けば、手に入るかもしれません。

かながわPayとレシ活VALUEが終わります。消費者へ伝えましょう!

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

神奈川県が行っている「かながわPay」の
ポイントの利用期限が本日1月31日までです。
https://kanagawapay.pref.kanagawa.jp

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また、横浜市が行っている「レシ活VALUE」も
まもなく終わると昨日、横浜市経済局が発表しました。
還元予算の上限に達したら終了します。
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/syogyo/value0101/reshikatsu-value02.html

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かながわPayポイントの使い残しは
とてももったいないですし、
「レシ活VALUE」も最大20%、一日400円還元ですので、
早く買った方がお得です。

「かながわPayポイントの使い残しはありませんか?」
「レシ活VALUE、まもなく終了!お買い物は早めが得!」
など、店は消費者に積極的に訴求しましょう。

中小企業の動画活用セミナーを小金井市商工会で講演します

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
小金井市商工会での講演のご案内です。
昨年に続いて今年も動画セミナーの告知です。

テーマ:超簡単たったこれだけ!売上アップの「楽ちんビジネス動画」

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日時:令和5年2月21日(火)15:00~17:00
場所:小金井市商工会館2階
主催:小金井市商工会
受講料:無料
定員:15名(先着順)

中小企業が売上を伸ばしたり、
採用につなげたりするための
YouTube動画についてお話しします。

自社でスマホ撮影、編集は極力やらない、
費用もかからない簡単動画を私は提案しています。

自分が動画に映りたくない方も歓迎です。

ややこしい撮影・編集テクニックなしの
中小企業向けビジネス動画の入門セミナーです。
昨年のセミナーからアップデートしています。

Googleビジネスプロフィールにも動画はアップできます。
まずは動画活用のやり方を知りたいという軽い気持ちで構いません。
ご参加お待ちしております。

お話しすること
1.ご覧あれ!「楽ちんビジネス動画」の成功例
2.「楽ちんビジネス動画」で売り上げ・採用に効果
3.撮影、編集、YouTube公開を実演
4.動画に映りたくない「顔出しなし」でもOK
5.再生回数を増やすには

このセミナーの告知の動画です。


コロナウイルス対策で定員が少なめです。
お申し込みはお早めに。

小金井市商工会セミナー案内ページ
https://koganei-s.or.jp/230221-rakuchinbijinesu/

東京ミッドタウンデザインタッチ2022

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

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東京ミッドタウン デザインタッチ 2022のレポートです。
「デザインを五感で楽しむ」がコンセプトのイベントで
2022年10月14日から11月3日まで開催されました。

当ブログでご紹介した「GOOD DESIGN EXHIBITION」と
「TOKYO MIDTOWN AWARD」も、デザインタッチの
ひとつとして開催されていたものです。

2022年のデザインタッチのテーマは
「環(めぐ)るデザイン」です。

デザインタッチ2022_02.jpg

展示をいくつかご紹介します。

芝生広場では「うみのハンモック」がありました。

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このハンモックは、廃棄された漁網をペレットにして
リサイクルしたものです。

子どもたちが思い切り、寄りかかったり、
寝そべったりして遊んでいました。

再生ナイロンのハンモックは、
展示が終わると、またペレットにして再利用されるそうです。

ミッドタウン・ガーデンには「F.A.R.M」の
展示がありました。

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農業に必要な栽培基盤やエネルギーなどの
循環システムを立方体のユニットでデザインしています。

土壌栽培ユニット、水耕栽培ユニット、
ソーラーパネル&LEDユニットなどを組み合わせています。

屋内にも面白い展示がありました。

「Life Beat」は、動物の展示物が
心拍のリズムでライトが点滅しています。

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小さな生き物は脈が速く、
大きい生き物は遅い傾向があるようです。

これも見入っている子どもが多かったです。

ソニーの「PLAY SPACE.」は、
宇宙の視点の体験空間を展示していました。

デザインタッチ2022_05.jpg

ソニーらしく新しい映像や音の体験を提供していて、
ゆっくり見る時間があれば、
もっと深く理解できたと思います。

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写真は、自分が動くと画面上のキャラクターも
同じように動く体験ができるところで、
これらのコーナーでも子どもは喜んだでしょう。

Salone in Roppongiの展示で、
今年はYOY(ヨイ)の「PUDDLE」はきれいでした。

デザインタッチ2022_07.jpg
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私の写真では伝えるのが難しいですが、
水をテーマに、花器がデザインされていました。
美しかったです。

その他GOOD DESIGN STOREなども人気がありました。
デザインタッチ2022_09.jpg

TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 デザインコンペ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
東京ミッドタウンアワード2022デザインコンペのレポートです。

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テーマは「TRIP」で、
1218点の応募の中からグランプリ、優秀賞、
ファイナリストとなった計10作品のデザインが
2022年10月13日から11月6日まで
東京ミッドタウンで展示されていました。

グランプリはツルタシュリさんの「souvenyl chair」です。

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紙の椅子の型に、ビニール袋をかけてアイロンで熱を加えて
旅先でもらうお土産袋をつかった「お土産のような椅子」が
できるというデザインです。

ビニール袋で補強して強い椅子になること、
訪れる地域や作る人によってデザインが変わること、
などが評価されたようです。

優秀賞は3点。一つ目は
「情景を重ねるポストカード」です。

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葉書に「物語の情景を探しに行く」という
旅の新しいきっかけを与えました。

文庫本と一緒に売ることを考えているようです。

小説の一節と情景の組み合わせを考えて楽しむのは、
素敵なデザインだと思います。

二つ目は「器になる個包装」です。
菓子の包装紙がお皿にもなるデザインです。

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和菓子と折り紙文化は外国人だけでなく、
日本人にも喜ばれそうです。

もう一作品「icetream」も優秀賞を受賞しました。

ファイナリストの6作品にも
商品化されそうなデザインが見られました。

こうしたデザインを見ると、
デザインの魅力が感じられて嬉しくなります。

ご紹介できなかった入賞デザインは下のリンク先に載っていますのでご覧ください。
https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/result/2022/design.html

横浜市のレシ活VALUEが復活!販売促進しよう

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。

横浜市が1月1日からレシ活VALUEを復活させました。
買い物金額の最大20%がポイント還元されるキャンペーンです。
横浜市内の店舗は販売促進に活かしましょう。

横浜市「レシ活VALUE(令和5年1月1日開始)」
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/syogyo/value0101/reshikatsu-value02.html
reshikatsuv2023_1.jpg

前回のレシ活との違いは以下の通りです。

・1回の還元上限が400円(前回は600円)
買い物金額で2,000円以上買っても、
400円までしか還元されません。

・ガソリン・軽油・灯油は対象外
(前回はガソリン等は1回1,000円まで還元)

・飲食店は対象外
レシ活チャレンジは復活していません。

・1月1日から予算上限に達するまでの期間の累積上限額は1人あたり12,000円
(前回は30,000円)
昨年に実施した還元額(ポイント)はカウントされないので、
新たに12,000円分のポイント還元が受けられます。

・スマートフォンアプリONEによる申請のみ。郵送申請はなし
(前回は郵送も可能)

店としての注意は、
還元の対象者が横浜市内居住者に限定されているので、
市外からのお客様に間違って案内してはいけません。

ポスターなどで告知して、お客様の購買意欲を刺激しましょう。

また、2,000円以上買うお客様からの
「会計を分けて欲しい」(レシートを分けたい)にも
快く応じましょう。
(翌日以降投稿すれば、同一日のレシートを複数枚申請できます)

前回の予算は40億円で約2か月で終了しました。
今回の予算は30億円です。
いろいろ制度は変わっていますが、おそらく1月で終わる気がします。

お客様には早めの買い物を呼びかけてよいです。

「大企業には価格で勝てない」と話す、中小企業はチャンスです。
横浜市外の店やネットショップより価格競争力がつくはずです。

参考
2022年09月02日「横浜市レシ活VALUE・レシ活チャレンジで販売促進しよう」
https://brand-design.seesaa.net/article/491192441.html

謹賀新年2023 189万ページビュー突破!

あけましておめでとうございます。中小企業診断士の山口達也です。
当ブログの通算ページビューは189万を超えました。
ありがとうございます。

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昨年は値上げに関するコンサルティング、講演の多い年となりました。

今年はインボイス制度の導入、
電気代の上昇、長期金利の上昇が見込まれます。

来年以降は法人税の増税も行われるようで、
中小企業の経営は厳しくなっていきます。

皆様に少しでも喜んでいただけるよう、努力してまいります。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

2022年をブランドで振り返る パーパス経営で大切なこと

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2022年をブランドで振り返ります。

今年はパーパス(purpose)が流行りました。

パーパスとは目的、存在意義を意味します。

パーパス経営は、「自社は何のために存在するのか」
「企業の存在価値は何か」を考え、
そのパーパスを掲げることで、
社員やお客様などに企業活動に
理解、共感を深めてもらう経営です。

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2019年、2020年のハーバードビジネスレビューです。

2019年あたりから雑誌で特集され、
徐々に注目されるようになりました。

パーパスブランディングは7月にも当ブログで取り上げています。

2022年07月01日:日経デザイン2022年6月号「パーパスブランディング最前線」
https://brand-design.seesaa.net/article/489365247.html

注目される背景には、3点あると考えています。

一つ目は、従業員だけでなく
取引先や顧客の共感を得たい思いが強まったことです。

従来の経営理念やミッションは、
主に従業員に向けたものが多かったです。

それに対し、パーパスは取引先や顧客にも、
伝え、共感されたいという思いが感じられます。

クローズな研究開発、商品開発から
オープンイノベーションの促進をするため、
多様な共同研究者・取引先の
共感を集めたい考えがあります。

また、SDGsやエシカル消費、フェアトレードを
重視する顧客が増え、
価値や目指すべき世界観を掲げて、
顧客・消費者の共感を得たい考えもあります。

二つ目は、M&Aで企業グループの事業が増えたり、
切り離されたりするなかで、
企業グループの求心力が求められていることにあります。

M&Aは従業員の企業グループへの帰属意識を
低くする要因になっています。

経営者は問題意識を持っているのでしょう。

三つ目は、新型コロナウイルスによる在宅勤務、
テレワークによって、やはり企業への帰属意識が
薄くなりかねないことへの問題意識でしょう。

来年以降もパーパスを掲げる企業は増え続けるでしょう。

私は経営理念、ミッション、ブランドビジョン、
などとは別に新たにパーパスを作る必要はないと考えています。

大切なことは、
社長が考える「何のための企業か」という思いを、
従業員や顧客、取引先、株主などに伝えて
共感を得られるよう経営に励むことです。

その思いをパーパス、経営理念、ミッション、
ブランドビジョンなど、どのように呼んでも構いません。

すでに経営理念として明文化されているなら、
そのままでよいのです。

ただ、従業員や顧客、取引先、株主が共感して
仲間になってくれる内容なのか、
社長はその思いを本気で考えているか、
その思いで日々、経営判断して行動しているか、
を振り返って、
改める必要や、新しく作る必要があれば作ればよいと思います。

美しい言葉づくりが目的ではありません。

社長の心の底からの想いが反映された経営理念でないと、
日々の行動や態度に現れにくく、効果が薄いと
私はブランドづくりの仕事をしていて感じています。

新年にあたって「自らの会社は何のためにあるのか」
改めて考える機会にしても良いでしょう。

改める必要があると思うなら、新年にさっそく取り組みましょう。

今年のブログ更新はこれでおしまいです。
ありがとうございました。
皆様、良い年をお迎えくださいませ。

2022年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2022年をデザインで振り返ります。

今年は物価が大きく上昇しました。
長く日本では物価が上がりませんでしたが、
消費者物価指数、企業物価指数は40年ぶりの上昇率となりました。
円安、エネルギー価格の上昇が大きく影響しました。

デザインにおいてもパッケージ、包装資材の見直しが進みました。

日本経済新聞「ダイキン、製品梱包ミリ単位で見直し 輸送コスト上昇で」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1596J0V11C22A1000000

ダイキンは製品の梱包をミリ単位で見直して、
コンテナに積載できる製品の量を増やすそうです。

発泡スチロールや段ボールのサイズを自動計算で縮小するシステムを開発したそうです。

アサヒスーパードライも6缶パックの紙の使用量を減らす
新しいパッケージを出しています。
https://www.asahibeer.co.jp/news/2022/0524_1.html

また、環境配慮のため、パッケージ素材を
プラスチックから紙に変更する流れも続いています。

ソニーのオリジナルブレンドマテリアル
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/eco/technology/original-blended-material

DNP 今注目を集める紙包材の最前線とは?グローバルでの最新事例・紙包材の特徴を解説!
https://www.dnp.co.jp/biz/column/detail/10162822_2781.html

DNPの記事によれば、米国大手飲料メーカーでは、
炭酸飲料ボトルの紙化に挑戦しているようです。

原油価格、包装資材価格の上昇と
脱プラスチックの流れから、木、紙に
素材を変更する流れは続きそうです。

販売価格を上げたくないため、
内容量を減らす実質値上げも多くなりました。

客をだますようなデザインは好きではありませんが、
以下のような記事も目をひきました。

Fashionsnap.com パッケージデザインに与えるインフレの影響
https://www.fashionsnap.com/article/2022-04-30/package-design

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(5)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート最終回です。

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グッドデザイン・ベスト100の中から
私が注目したデザインをご紹介しています。

株式会社abaの排泄ケアシステム「Helppad」です。
https://helppad.jp

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「Helppad」(ヘルプパッド)は、
においセンサーで尿と便を検知するパッドです。

ベッドに敷くだけで排泄を検知できます。
介護での「おむつを開けずに中が見たい」ニーズに応えます。

どの程度のにおいで感知できるのか関心があります。

おむつでも濡れると知らせる機能はありますし、
これからも進化すると思いますが、
介護の負担が減るデザインは喜ばしいです。

今日のふたつめは、株式会社NITTO CERAの
シャワーシステム「SHIN-ON」です。

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さすまたのような形をしたシャワーヘッドで
360度とまではいきませんが、四方八方から
体を包み込みようにお湯が出て温まれるシャワーです。
既存のシャワーヘッドと併用して使い分ける感じです。

浴槽に入らずに温まれるのはいいですね。
洗車マシーンに人間が入っているみたいです。

次にご紹介するのはセイコーのメトロノームウオッチです。
https://www.sii.co.jp/music/mw/index.html

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音楽家や学生に向けた時計です。

時計モードとメトロノームモード、基準音モードの
3つがあって、モードを切り替えられます。

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時計モードで、短針だけで時刻を表示することに
驚きましたが、
「身につけるだけでも音楽を感じられるような腕時計」
というコンセプトで、コンパクトに美しまとめた
デザインは面白く評価したいです。

最後に紹介するデザインはデジタル庁です。

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新型コロナウイルス接種証明書アプリを例に
サービスデザインの取組が受賞しています。

デジタル庁では、サービスデザインの必要性を
組織で認識し、サービスデザインチームを立ち上げ、
民間企業からデザイン専門人材を積極的に採用して
プロジェクトを推進しました。

サービスデザインチームは、
デジタル庁において部門やプロジェクトを横断して
課題解決を取り組むチームです。

デジタル庁のサービスデザインの取り組みは
下のリンクを参考にしてください。
https://www.iais.or.jp/articles/articlesa/20220610/202206_01

利用者視点でさまざまなシステムが
使いやすくなっていくことを期待します。

今年のグッドデザイン・ベスト100のご紹介は今日が最終回です。
また来年も素晴らしいデザインを見るのが楽しみです。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(4)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第4回です。

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今週はグッドデザイン・ベスト100の中から
プロダクトデザイン、構造の良さで着目したデザインを紹介します。

ソニーのワイヤレスイヤホン「LinkBuds」です。
https://www.sony.jp/headphone/products/LinkBuds

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中心に穴が開いたリング型のイヤホンで、
イヤホンを装着していても周囲の音が聞こえます。

周囲の音も聞きたいときには、以前から
骨伝導イヤホンがありますが、
「LinkBuds」はとても小さく、音質にも注力したようです。

ユーザーが会話を始めると音楽を自動停止するなど、
細かい機能も盛り込まれています。

次はスガツネ工業株式会社の丁番「HES1F-140型」です。
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/gHES1F-140

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ドア枠が薄い、開き戸に対応したちょうつがいです。
構造を見直し、薄いドア枠でも丁番が目立たない
デザインにまとめたことと、
丁番の隙間が小さいので、子どもが指を挟みにくくなっています。

キッズデザイン賞奨励賞も受賞しています。

丁番2つで40kgの重いドアを吊れる強度の強さと
耐久性の高さも素晴らしいです。

次はタカラトミーの「SORA-Q」です。
https://www.takaratomy.co.jp/products/sora-q

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JAXA、タカラトミー、ソニーグループ、
同志社大学の共同開発によって生まれた、
変形型の月面ロボットです。

月面に着地するときは、損傷の少ない球形状で
着陸すると変形して、「バタフライ走行」と
「クロール走行」の2種類の走行モードで走行します。

小型で軽量なだけでなく、
変形や生き物の動きを取り入れたロボットの機構は
おもちゃづくりのノウハウが生かされています。

月面探査でおもちゃの技術が生かされるかもしれません。

オープンイノベーションという言葉を
よく聞くようになりましたが、異なる業界の知見も
取り入れるとイノベーションが起こせますね。

本日、最後にご紹介するのは
タイガー魔法瓶の「TIGER MTA」です。

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冷たい炭酸飲料を入れられる魔法瓶です。

炭酸ガス抜き機構と安全弁を備えた
独自の「バブルロジック」によって実現させました。

キャップを閉めている時は炭酸ガスを閉じ込めていますが、
キャップ開栓時には炭酸ガスを先に抜く機構で
噴き出しや飛び散りを防ぎ、軽い力で開けられるようにしてます。

また、ボトル内の圧力が異常に高まったときには
安全弁が作動して自動でボトル内の
炭酸ガスを逃がすそうです。

これで車中などの高温に見舞われても壊れにくくなっています。

炭酸飲料が好きな方も
ペットボトルの使用料を減らせますし、
好きな量だけを飲むことも簡単になります。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介はまだ続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第3回です。

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今週はグッドデザイン・ベスト100の中から
仕組みの良さが光るデザインを紹介します。

まず、グッドデザイン金賞を受賞した「ファストドクター」です。
https://fastdoctor.jp

Gooddesign2022_21.jpg

新型コロナウイルスによる医療ひっ迫のニュースで
ご覧になった方も多いでしょう。

夜間、休日の時間帯では体調に不安があっても
かかりつけ医は休みのことが多く、
困ると救急しか手段がないことが多いです。

一方で、救急車を呼ぶほどではなく、
往診で対応可能な場合や軽症な場合もあります。

救急が必要かどうかの判断は難しく、
わからないからすべてを救急が担うと、
全体としては医療や救急資源を
過剰に使い過ぎているように思います。

同社は救急受診を支援しています。

症状の緊急度判定を行い、
必要に応じて救急搬送や、
往診、オンライン診療などにつなげます。

医療行為は提携する医療機関所属の医師・看護師によって行われます。

夜間・休日の時間帯の地域医療の負担軽減につながっています。
IT活用やUIデザインに注力しています。

住所登録から保険証の提出、会計までオンラインで完結し、
体調不良時に負担の少ない手続きにデザインしているそうです。

新型コロナによる医療ひっ迫で受け入れ先がなく、
往診で頼りにされたケースがとても多く、注目を集めました。

行政や医療機関が、これからも患者のため、
医療資源の利用の効率化のため、
ファストドクターというプラットフォームを
活用されると良いと思います。

次に、こちらもグッドデザイン金賞を受賞した
デュアルスクール」です。
https://dualschool.jp/about

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株式会社あわえと徳島県が受賞しています。

デュアルスクールは、地方と都市、
双方の教育委員会の間の合意があれば、
転校手続を簡略化して、二つの学校を行き来する子どもに、
スムーズに教育活動を展開します。

デュアルスクール生には、教科書の違いや、
学習進度の差を埋めるための補助教員を配置するなど、
スムーズな期間転校を支援しています。

地方と都市をそれぞれ知ることは
子どもにとって魅力だと思います。

徳島県と教育委員会とともに実証実験を進め、
住民票や授業日数の課題をクリアしたことは素晴らしいです。

次にご紹介するのは
ファシル株式会社の「シェアする防災セット」です。
https://facil.jp/shareset

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「自助+共助」の考えで、
トラックドライバーの備えだけではなく、
周囲の困っている人々と分け合う防災セットです。

災害が起こって「届ける」のではなく、
その地を走っているトラックが供給できれば、
大渋滞や豪雪・地震などで立ち往生したときに有効ですね。

使い捨て携帯トイレ、アルミポンチョ、N95マスク、
カイロ、氷砂糖、災害時お役立ちカードなどが30人分、
段ボール一箱にまとめて入っています。

防災用品搭載車マークのステッカーを車に貼って、
物流業界の災害対策と社会貢献を
社会に発信できる仕組みも良いです。

本日、最後にご紹介するのは守口市立図書館です。

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1993年に竣工した守口市生涯学習情報センターの改修です。

図書室、ホール、プラネタリウム、会議室、展示室などの
複合文化施設を図書館を軸にリニューアルしました。

建物の構造は問題がなくても、
30年経過して変化した住民のニーズに合わせて
改修することは素晴らしいことです。

バブル期の公共建築特有の多彩な機能とクセの強い空間を、
貴重な空間資源と捉えて最大限に活用した
リノベーションしたことが評価されました。

もともとあったものを上手く活かして、
コストを抑えてデザインすることは
デザイナー、建築家の力量が問われます。

パネルや動画を拝見して、
今を生きる人に喜ばれるデザインに上手く発展させたと感心しました。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022のレポート第2回です。

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今週はグッドフォーカス賞に選ばれたデザインの中からご紹介します。

グッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)を
受賞した株式会社千葉印刷の「さかなかるた」です。
https://sakanakaruta.jp/

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特殊印刷で魚の表皮をリアルに再現した魚のかるたです。
写真では銀のうろこが照明に反射しています。

メタリック印刷できらめきを、
厚盛り印刷でうろこのような凹凸を
表現しているそうです。

展示会場で触れなかったのが残念ですが、
印刷技術の高さやグラフィックデザインの魅力が
評価されたようです。

2020年度の東京ビジネスデザインアワードの最優秀賞も
受賞しています。
アワードのデザイン提案が商品化されました。

次もグッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)を
受賞した「トミタ式おろし金」です。

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刃を使わない安全なおろし金です。

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あじろ模様の突起で刃がなくても
すりおそせるそうです。

小さい食材をすりおろすことは
指を切りそうで怖かったのですが、
これなら、ケガの心配がなく子どもでも安心です。
また、スポンジで洗いやすいです。

動画を見ると、生姜やわさびなどがおろせています。

それでも本当に上手におろせるのか半信半疑です。

テレビショッピングの実演販売のように
上手にやっているのかなとも思ってしまいます。

実際に使わないと納得できない商品かもしれませんが、
これですりおろせるのなら、私はこのデザインが
グッドデザイン大賞にふさわしい、見事なイノベーションだと思います。

もうひとつのグッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)は
冨士経編株式会社の「keamu」(ケアム)です。
https://www.mille-vies.com/projects-3

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高齢の方・介護が必要な方向けのルームウェアです。
着る人、着せる人が着脱しやすい工夫と快適性、
おしゃれを追求しています。

よい挑戦と思います。

本日、最後にご紹介するのは
グッドフォーカス賞(防災・復興デザイン)を
受賞したピジョンの災害用授乳カップです。

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哺乳瓶を洗浄する水の確保が難しい災害時向けの商品です。
ピジョンは真面目な会社だなと感心します。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2022へ行きました。

10月7日から11月6日まで
東京ミッドタウン・デザインハブにて開催されました。

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2022年度グッドデザイン賞は1,560件が受賞しました。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2022は
グッドデザイン賞の中で「グッドデザイン・ベスト100」に
選ばれたデザインの展示です。

昨年度は事前登録が必要でしたが、
今年は事前登録なしで行けました。

これから数週にかけてご紹介します。

2022年度の「グッドデザイン大賞」は
アトリエe.f.t.、合同会社オフィスキャンプ、
一般社団法人無限による
「地域で子ども達の成長を支える活動 まほうのだがしやチロル堂」でした。

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貧困や孤独といった環境にある子ども達を、
地域みんなで支える魔法の駄菓子屋です。
奈良県にあります。

近年はこうした社会問題に取り組むデザインが
グッドデザイン大賞を受賞する傾向が強いです。

チロル堂の詳細は下のリンクをご覧ください。
https://tyroldo.com/
https://www.g-mark.org/award/describe/54517

次にご紹介するデザインは、
大賞は逃しましたがファイナリストとなった
日立のコードレス スティッククリーナー「PV-BH900SK」です。

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製品本体の外装や付属品に
再生プラスチックを40%以上使用しているそうです。

再生プラスチックを使うと強度や見た目に影響すると思いますが、
黒っぽい色にして、表面処理にも気を遣いながら、
美しく仕上げたことが評価されました。

私が注目したデザインは、
同じくファイナリストに選ばれた
ホンダのハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」です。
https://www.honda.co.jp/topics/2022/ce_2022-10-13.html

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手で操作することなく、意のままに全方位に移動できる乗り物です。

身体を傾けて体重移動すると動かせるそうです。
バランス制御技術と車輪機構がポイントのようです。
ジョイスティックによる移動もできます。

車椅子の利用者は手が自由になることや、
目線が高くなることで、解放感が得られ、
立っている人とのコミュニケーションも取りやすくなります。

まだ研究開発中で販売されていないようですが楽しみです。

ここからは、体が不自由な人に向けたデザインを3点ご紹介します。
3つとも素晴らしいデザインです。

ひとつめがグッドデザイン金賞を受賞した
株式会社Ashiraseの歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」です。

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靴に振動インターフェースを装着して
スマートフォンの専用アプリで目的地を入力すると、
目的地までの歩行をナビゲーションしてくれます。

これもまだ販売されていませんが楽しみです。

ふたつめがグッドフォーカス賞(新ビジネスデザイン)を
受賞した株式会社ミライロの
デジタル障害者手帳「ミライロID」です。

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障害者手帳をスマートフォンアプリ化したものですが、
マイナポータルAPIとも民間活用の第一号として連携し、
公証性を確立していることが素晴らしいと思いました。

手帳をアプリ化することは技術的には簡単でも、
役所に認めてもらうまでがとても大変だと思います。

障害者は手帳を持ち運ばなくてよくなり、
音声読み上げにも対応します。

さまざまなクーポンも配信しやすくなり、素晴らしいです。
私はちょっと感動しました。

三つ目は同じグッドフォーカス賞
(新ビジネスデザイン)を受賞した
株式会社コワードローブの「キヤスク」です。

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キヤスクは、身体の不自由に合わせて
既製服を着やすくするお直しを、
気やすく依頼できるオンラインサービスです。

障害や病気があっても、
好きな服を身体の不自由に合わせて
お直しして着られることは良いですね。

お直しする人たちは、自分の子のために独学で習得した
服のお直し技術を困っている人に提供したい
母親らを全国から組織したそうです。

グッドデザイン・ベスト100のご紹介は次回以降にも続きます。

経営理念を浸透させるにはなにをしたらよいか

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今回も2022年版中小企業白書をもとにした記事です。

以下のデータは、株式会社東京商工リサーチが2021年11~12月に、
中小企業・小規模事業者20,000社を対象に実施した
「中小企業の経営理念・経営戦略に関するアンケート」の結果に基づきます。

アンケート回収は5,318社(回収率26.6%)です。

経営理念・ビジョンに対する従業員の受け止め方や反応の調査結果です。

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「共感・共鳴しており、行動に結びついている」 47.0%
「共感・共鳴しているが、行動に結びついていない」25.4%
「理解はしているが、共感・共鳴はしていない」 12.9%
「認知はしているが、理解はしていない」 9.0%
「認知していない」 5.7%

2022年版中小企業白書p.Ⅱ-154

経営理念が浸透している(=従業員の行動に結びついている)中小企業は47.0%です。

この設問は、経営理念・ビジョンを
明文化している企業に尋ねています。
また、経営者の自己評価です。

経営理念のない会社などもあり、
中小企業全体で経営理念が浸透している企業は
実際はもっと少ないです。

私のご支援では、企業ブランドを経営理念をもとに構築しますので、
経営理念は重要です。

経営理念を社長が自ら考えて作ったとしても、
大事なことは社内に浸透させ、理念に基づく行動を
経営者や社員が実際にできるかどうかです。

経営理念が浸透している企業は、
浸透させるためにどのような取り組みを行ったでしょうか。

2022年版中小企業白書p.Ⅱ-158に掲載された調査結果を
もとに、抜粋したデータを下に示します。

(経営理念・ビジョンが)「全社的に浸透している」と回答した企業では、

「従業員との日々のコミュニケーションでの啓もう」52.4%
「経営者による年頭挨拶や社内会議での訓示」 51.6%
「自社ホームページでの掲載」 35.6%
「社内研修などを通じた教育」 35.5%
「経営理念・経営ビジョンに基づく規範・ルールの策定」32.4%
「経営者による率先垂範」 31.5%
「社内のパネルやポスターなどでの掲示」 26.3%
「社内報やパンフレット、メッセージカードの配布」16.8%
「その他」 2.6%
「特に取り組んでいない」 4.2%

となっています。
経営理念は地道に繰り返し伝えることで社内に浸透します。

社員の行動を変えるには、経営理念を作った後の
経営者の日々の情報発信や行動が重要であることが示唆されます。

取り上げた2022年版中小企業白書は下のリンクからご覧になれます。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_3.html

デザイン経営に取り組む中小企業は12.2%

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
前回に続いて、2022年版中小企業白書にある
中小企業のデザイン経営に関する記載の紹介です。

中小企業がデザイン経営に取り組んでいるかの調査結果です。

すでに取り組み、定着している 5.8%
すでに取り組み始めているが、定着していない 6.4%
今後取り組むことを検討している 15.7%
現状取り組む予定はない 37.5%
分からない 34.6%

中小企業白書p.Ⅱ-86に掲載されたデータをもとに私が作成しています。

デザイン経営に取り組んでいる中小企業は12.2%です。

アンケートに回答していない企業は
取り組んでいない企業が多いように思われるので、
実際はもっと少ないと思われます。

「すでに取り組み、定着している」と回答した企業は、
ブランドの取引価格への寄与について、
「大いに寄与している」27.7%、「ある程度寄与している」47.0%と、
74.7%の企業で売価にプラスの寄与をしていることがわかります。
データ掲載はp.Ⅱ-90です。

デザイン経営による効果を尋ねたところ下の結果になりました。

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2022年版中小企業白書p.Ⅱ-89

企業のブランド構築やブランド力向上 69.0%
魅力ある商品・サービス・事業の創出 53.1%
従業員の意欲や自社への愛着心の向上 51.8%
従業員の顧客志向の向上 45.2%
企業の理念・ビジョンの明確化や再構築 44.2%
収益性の向上 34.0%
新市場・販路の開拓 36.0%
社内コミュニケーションの活性化 29.7%
技術・素材の用途開発や知的資産の活用 27.7%
特に効果を感じない 0.7%
その他 0.3%

この結果から中小企業白書は次のように述べています。
デザイン経営に取り組むことにより、
ブランド力の向上が図られるだけでなく、
新たな商品などの創出によるイノベーションや
従業員の意欲向上といった
インターナル・ブランディングにも
つながっている様子がうかがえる。

企業やブランドの思いをデザインで表現したり、
商品・サービスにデザイン重視する取り組みを行いたいです。

調査は、株式会社東京商工リサーチが2021年11~12月に、
中小企業・小規模事業者20,000社を対象に
アンケート調査を実施(回収5,318社、回収率26.6%)した
「中小企業の経営理念・経営戦略に関するアンケート」です。

取り上げた2022年版中小企業白書は下のリンクからご覧になれます。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_1.html